アプリケーションアダプタは、Desktop Manager がサポートする構成システムの拡張機能です。アダプタにより、各種アプリケーションは、構成システムに応じて、中央の構成データを取り入れることができます。次の構成システムがサポートされます。
GConf: デスクトップと、Evolution などのほとんどの GNOME アプリケーションに使用される GNOME 構成システム
StarOfficeRegistry: StarSuite と OpenOffice.org が使用する構成システム
Mozilla Preferences: Mozilla が使用する構成システム
Java Preferences: Java アプリケーションに提供される構成 API
ユーザーのデスクトップにデスクトップランチャー、メニュー項目、および起動プログラムを追加する、デスクトップ定義アダプタも提供されます。
GConf アダプタは、Solaris 用 SUNWapoc-adapter-gconf パッケージに含まれます。該当する packageAdapter からアダプタをインストールすると、/etc/gconf/2/path にある GConf データソースパスは Desktop Manager ソースを含むように更新されます。アダプタから提供される 2 つのデータソースは、次のとおりです。
"apoc:readonly:": ポリシーの非保護設定へのアクセスを可能にします。ユーザー設定のあと、ローカルのデフォルト設定の前にこのデータソースを挿入します。
"apoc:readonly:mandatory@": ポリシーの保護設定へのアクセスを可能にします。ローカルの必須設定のあと、ユーザー設定の前にこのデータソースを挿入します。
GConf アダプタはインストールの一部として構成されますが、その操作は、必須の中央設定とデフォルト設定を表す 2 つのデータソースが GConf パスファイル (/etc/gconf/2/path) に存在するかどうかによって異なります。このパスファイルには、システムのインストール後に GConf が予期したとおりに中央設定を取り入れるための適切な情報が含まれていますが、管理者は、そのパスを変更して追加のカスタムソースを含める必要がある場合は、「apoc」の接頭辞が付けられたデータソースがファイル内にまだ存在していることを確認します。また、データソースが、必須の中央設定を表すデータソースに対してローカルの必須設定とユーザー設定の間に配置され、デフォルトの中央設定を表すデータソースに対してユーザー設定とローカルのデフォルト設定の間に配置されていることも確認する必要があります。
Java Preferences アダプタは、Solaris 用 SUNWapcj パッケージに含まれます。
Java Preferences アダプタは、JRE が提供するデフォルトのファイルベースシステムなどほかの既存の実装に対してラッパーとして使用される必要がある Preferences API の実装として提供されます。Preferences API を利用する Java アプリケーションで中央構成を使用できるようにするには、ヘルパーとして /usr/lib/apoc/apocjlaunch スクリプトを使用して、そのアプリケーションの起動スクリプトを作成する必要があります。このスクリプトには、2、3 の環境変数を指定して、必要な環境で Java アプリケーションを起動する apocjlaunch スクリプトを最後に含める必要があります。次の環境変数を設定する必要があります。
JAVA: Java 実行時実行可能ファイルへのパスを含みます。
APPLICATION: そのアプリケーションに対する定期的な Java 実行時起動の後続部分を含みます。たとえば、シングルクラス起動の場合は classname [arguments]、jar アーカイブ起動の場合は -jar jarname [arguments] となります。
次の省略可能な追加の環境変数を設定できます。
CLASSPATH: アプリケーションクラスパスに含める必要がある、コロンで区切られた jar またはクラスファイルのリスト
DEFINES: アプリケーション起動に含める必要がある define 文を含む文字列
PREFFACTORY: アプリケーションが使用する必要がある基本的な Preferences API 実装でのファクトリのクラス名
Mozilla アダプタは、Solaris 用 SUNWmozapoc-adapter パッケージに含まれます。
Mozilla アダプタは、この製品のインストールの一部として設定され、追加で構成する必要はありません。
StarSuite アダプタは標準の StarSuite インストールに含まれています。これにより、特殊な変更を加えることなく、プロファイル構成データにアクセスできます。
StarSuite アダプタは、この製品のインストールの一部として設定され、追加で構成する必要はありません。
Desktop Definition アダプタは、次のパッケージで構成されます。
パッケージ名 |
説明 |
---|---|
SUNWapleg |
構成アクセスバイナリ |
SUNWardsa |
デスクトップ定義アダプタ |
SUNWardsa-misc |
アダプタ用システム統合 |
これらのパッケージは、Desktop Manager クライアントコンポーネントのインストール時にインストールされ、追加で設定する必要はありません。
Desktop Definition アダプタは、ユーザーがログインするたびに使用される設定処理によって構成され、追加で設定する必要はありません。
Mozilla アダプタと StarSuite アダプタは、これらの製品が削除されると削除されます。GConf、Java Preferences、および Desktop Definition アダプタは、適切なパッケージ管理システムツールを使用して、インストールのセクションで説明したパッケージを削除することで削除できます。
Java Preferences アダプタを削除した場合、Preferences API を使用する Java アプリケーションを起動するために作成された起動スクリプトは使用しないでください。いくつかの必要なクラスが使用できなくなるため、起動スクリプト内の Java の起動が失敗します。
対応するアプリケーションで中央の構成データが表示されない原因となる問題の大部分は、Configuration Agent に起因する可能性があります。これは、データを取得するためにすべてのアダプタが使用する共通のメカニズムであるためです。
中央構成の変更が特定の設定 (またはそのグループ) に対して効果がない場合、ユーザーが、通常は製品の「オプション」ダイアログや「設定」ダイアログを使用して、アプリケーション内のその設定に対して明示的に値を設定していることが考えられます。この場合、中央設定をプロテクトとして、つまり管理者が設定してユーザーは変更できないように定義されないかぎり、ユーザー設定は、Desktop Manager を使用して設定された値よりも優先度が高くなります。