ユーザー受け入れ評価の段階は次のタスクで構成されます。タスクは、第 3 章アップグレードの開発と評価に記載のタスクと非常に類似しています。
ここでは、次の理由からユーザー受け入れ評価を個別のアップグレードフェーズとして説明します。
品質管理環境は、できるだけ近く本稼働環境をレプリケートする必要がある。これにより、実際のデータ値、および実際のデータ量に対してアップグレード手順を評価できます。詳細については「タスク 10: 品質管理環境のリセット」および「タスク 11: 品質管理環境のアップグレード」を参照してください。
スキップレベルアップグレードは、アップグレードの開発方法と評価方法に大きく影響しますが、ユーザー受け入れ評価には影響しません。詳細については、第 6 章スキップレベルアップグレードに関する注意事項を参照してください。
ユーザー受け入れ評価では、Identity Manager アプリケーションのユーザー、またはユーザー候補のニーズを Identity Manager アプリケーションが満たしていることを確認します。詳細については、「タスク 12: ユーザー受け入れ評価の実行」を参照してください。
できるだけ近く本稼働環境をシミュレートするように、品質管理環境をリセットします。このときに、本稼働環境で使用されているものと同じハードウェアとソフトウェアのバージョンを使用してください。
特に、本稼働環境の次のものをレプリケートすることをお勧めします。
次のものを含むプラットフォーム
アプリケーションサーバー
データベースサーバー
Gateway サーバー
Web サーバー (オプションのコンポーネント)
企業のイメージと同じブラウザを持つ一般的なクライアントマシン
Identity Manager 製品のバージョン
Identity Manager アプリケーションの構成とカスタマイズ
リソースやその他の統合アプリケーション
本稼働環境と同じ一般構成を持つように、品質管理環境のリソースやその他の統合アプリケーションを構成します。たとえば、Active Directory のユーザーのドメイン、組織、グループ、数値、および形式を本稼働環境から品質管理環境にレプリケートします。
また、統合アプリケーションを品質管理環境と本稼働環境で同様に構成し、これらのアプリケーションに最新の本稼働データまたはそれに非常に近いデータがあることを確認してください。
品質管理環境のアップグレードプロセスは、「タスク 6: 開発環境のアップグレード」に記載のプロセスと非常に似ています。
ホスト名や接続情報などのいくつかのパラメータが異なる点を除いて、品質管理環境のアップグレード手順は、テスト環境のアップグレード手順とまったく同じステップを含む必要があります。
品質管理環境はできるだけ近く本稼働環境をレプリケートしているはずなので、アップグレードでは、データ値、データ量、または評価環境でフルに評価されていないプラットフォームの注意点に起因するエラーを詳しく監視する必要があります。
アップグレードの最終段階である本稼働環境のアップグレードの計画に役立つように、アップグレード手順のさまざまなステップの実行に必要な時間を詳しく計測します。
ユーザー受け入れ評価の実行は、「タスク 9: 機能テストの実行」の実行と似ています。実際、評価計画を実行するか、シミュレーションの本稼働環境で評価計画の一部を実行するかを選択できます。
この 2 つのタスクの大きな違いは、ユーザー受け入れ評価のために、Identity Manager アプリケーションの実際のユーザーが現実的なデータを使用して評価を行うように手配する必要があるということです。
組織内に分散するユーザーの参加を計画することが困難な場合もありますが、ユーザー受け入れ評価は通常、非常に価値があります。Identity Manager アプリケーションの次のバージョンをユーザーに詳しく見てもらうことは、通常、生産性の維持と採用の促進に役立ちます。また、ユーザー受け入れ評価を実施することは、組織の配備が積極的であり、アプリケーションのユーザーのニーズに応えていることを示します。
多くの場合、ユーザー受け入れ評価で Identity Managerアプリケーションの問題が判明し、要件が明確になります。また、ユーザーが、他の環境では評価していないプラットフォームの項目に固有の問題を発見することもあります。多くの開発者は早期段階で問題を検出することを望みますが、ユーザー受け入れ評価で問題を検出することは、本稼働環境のアップグレード後に問題が検出されることよりもはるかによいことです。
最終的に、問題や制限事項がある状態で本稼働環境に進むことに決定した場合でも、あらかじめこれらの問題や制限事項が分かっています。その後、主要なユーザーが、アプリケーションの他のユーザーと問題や回避策について連絡するように準備します。
Task 9 と同様に、問題を修正する必要がある場合は、次の操作を行います。