Sun Identity Manager 8.1 リソースリファレンス

使用上の注意

ここでは、フラットファイル Active Sync リソースアダプタの使用に関連する設定の注意点について説明します。 次のトピックで構成されています。

全般的な注意事項

LDIF ファイルをポーリングしている場合は、LDAP API によって属性名が小文字に変換されます。したがって、大文字を含む属性名 (accountId など) がある場合、LDAP API によって accountid のように変換されます。Active Sync の起動時に、次のエラーのログがとられます。

com.waveset.util.WavesetException: No name attribute found for user based 
on Resolve Identity Rule or schema map.

この状況を解決するには、スキーママップで、リソースユーザー属性を accountid に設定します。

ファイル内の列を使用して accountId を直接設定していないファイルをインポートしたときに、同じエラーが再度発生する可能性があります。このエラーメッセージを回避するには、Active Sync フォームに global.accountId のフィールドを追加し、そのフィールドに accountId を構築するロジックを追加して、ユーザーフォームを変更します。次に示すフィールド例では、accountId を firstname.lastname に設定しています。 ただし、create 操作に対してのみです。

<Field name=’waveset.accountId’>
   <Expansion>
      <concat>
         <ref>activeSync.firstname</ref>
         <s>.</s>
         <ref>activeSync.lastname</ref>
      </concat>
   </Expansion>
   <Disable>
      <neq>
         <ref>feedOp</ref>
         <s>create</s>
      </neq>
   </Disable>
</Field>

ActiveSync 設定

フラットファイル Active Sync アダプタは、フラットファイルのタイムスタンプを追跡できます。また、アダプタは最後に処理されたファイルをアーカイブして、これを最新のバージョンと比較します。Identity Manager は、2 つのファイルが異なっているアカウントで処理を実行します。

これらの機能が有効になっている場合、Identity Manager がソースのフラットファイルを最初にポーリングするときに、そのファイルがコピーされ、同じディレクトリ内に配置されます。コピーされた (保存された) ファイルには、FFAS_ timestamp.FFAS という名前が付けられます。timestamp は、元のファイルが最後に変更された時刻を示します。タイムスタンプの形式は、ソースファイルのあるオペレーティングシステムによって決まります。

その後のポーリングごとに、Identity Manager は元のファイルのタイムスタンプと最新のタイムスタンプを比較します。新しいタイムスタンプの値が直前の値と同じ場合、ファイルは変更されていないので、次のポーリングが行われるまでそれ以上の処理は実行されません。タイムスタンプの値が異なる場合、Identity Manager は FFAS ファイルの存在をチェックします。このファイルが存在していなければ、Identity Manager は更新されたソースファイルを新しいファイルとして処理します。

タイムスタンプが異なっており、保存されている FFAS ファイルが存在する場合、Identity Manager はソースファイルと保存されているファイルを比較します。この比較によって、変更されていないユーザーを処理の対象から除外します。変更されたユーザーは、アダプタを通して通常の方法で送信され、設定された処理、相関規則および削除規則によって、このユーザーに対する処理が決まります。

これらの規則を利用しやすくするために、差分メカニズムで検出された状況を示すための属性がアダプタによって追加されます。新しく更新されたソースファイルのみに存在しているユーザーに対して、ユーザーレコードに値が create diffAction という属性が追加されます。ソースファイル内のいずれかのエントリが更新された場合、そのエントリに対して属性 diffAction が追加され、値には update が設定されます。いずれかのユーザーが削除された場合、そのユーザーレコードに対して、diffAction 属性の値は delete になります。

2 つのファイルの比較が完了し、すべてのアカウント処理が行われたあと、Identity Manager によって元の FFAS ファイルが削除され、現在のソースファイルが新しい FFAS ファイルにコピーされます。このファイルのタイムスタンプは、直前の FFAS ファイルとは異なるものになります。

サポートされているファイルの例

次に、このアダプタによってサポートされているファイルの例を示します。

区切り文字およびテキスト修飾子は、任意の 1 文字に設定できます。どちらかで Unicode 文字を使用する場合は、/u#### という形式で入力できます。区切り文字およびテキスト修飾子は、LDAP データ交換形式には適用されません。

コンマ区切り

次の例では、引用符 (" ") がテキスト修飾子として使用されます。文字列 1234 Pecan Ave., Ste 30 にはコンマが含まれています。そのためシステムがこの文字列内の Ste 30 を一つの属性として解釈しないように、引用符で修飾させる必要があります。

accountId,firstname,lastname,email,street address
kb323441,Kevin,Brown,Kevin.Brown@example.com,”1234 Pecan Ave., Ste 30”
pc432343,Penelope,Carter,Penelope.Carter@example.com,4234 Main St.

パイプ区切り

accountId|firstname|lastname|email|street address
kb323441|Kevin|Brown|Kevin.Brown@example.com|1234 Pecan Ave., Ste 30
pc432343|Penelope|Carter|Penelope.Carter@example.com|4234 Main St.

LDAP データ交換形式

dn: cn=Kevin Brown,ou=People,dc=example,dc=com
changetype: add
objectClass: top
objectClass: person
objectClass: organizationalperson
objectClass: inetorgperson
employeeNumber: kb323441
cn: Kevin Brown
sn: Brown
departmentNumber: 7013
description: Production
displayName: Kevin
givenName: Kevin
mail: Kevin.Brown@example.com
o: Acme
ou: Production
postalAddress: 1234 Pecan Ave., Ste 30
postalCode: 43231
st: CA
street: 1234 Pecan Ave, Ste 30
title: Production Assistant
jpegphoto: file:///c:/photos/Kevin.Brown.jpg