Sun Identity Manager 8.1 リソースリファレンス

CUA 環境での実動パスワードの変更

SAP では、パスワードはアカウントが存在するシステムのアカウント間で共有される機密であると見なされます。したがって CUA ランドスケープでは、ユーザーのパスワードの独自コピーが各 CUA クライアントで保守されています。CUA ランドスケープでの標準的なパスワードの変更方法では、クライアントシステムで実動パスワードを設定できません (実動パスワードとは、有効期限が切れていない、次回ログオン時に変更する必要のないパスワードです)。これらの方法では、ランドスケープ内のすべてのシステム (クライアントおよび集中システム) で、ユーザーの初期パスワードを設定できます。

パスワードを変更する機能モジュールは、リモートで実行できる必要があります。CUA ランドスケープでは、初期パスワードの SCUM 設定を「global」または「everywhere」に設定する必要があります。その他のケースでは、CUA 集中システムはクライアントのパスワードをリセットできません。特定の環境では、パスワード変更のエラーが発生します。アダプタでは、ユーザーが存在するすべてのシステムの CUA ランドスケープで、実動パスワードを設定できます。システムごとに、パスワードを変更するだけで設定を行えます。この機能を有効にするには、すべてのクライアントシステムに対して実行される CUA 集中システムに、特別な機能モジュールをインストールする必要があります。モジュールは、InstallDir\idm\sample\other にソースとして提供されます。このモジュールを、SAP 集中システムにインストールする必要があります。機能モジュールの名前は、「CUA Child Password Change Function Module」リソース属性で設定する必要があります。

CUA ランドスケープでパスワードが変更され、このモジュールが使用されている場合、1 回のパスワードの変更に対して複数のエラー (各クライアントと集中システムのそれぞれで 1 つずつ) が発生する場合があります。各システムは、それぞれ独自のパスワードポリシーを維持します。あるシステムの規則に準拠するパスワードが、別のシステムではポリシーエラーとなる場合もあります。特定のシステムのエラーにより、ほかのシステムが変更されないという意味ではありません。この動作は、CUA ランドスケープで SAP がパスワードを定義および操作する方法によって決まります。

CUA がアダプタで設定されているときに、モジュールが集中システムにインストールされていないか、属性がアダプタで設定されていない場合、実動パスワードの変更は集中システムのみに適用されます。初期パスワードの設定とパスワードリセットの実行 (つまり、期限切れのパスワード) は、この設定変更の影響を受けません。