エンタープライズ情報システム (EIS) は、組織のデータを保持する任意のシステムです。メインフレーム、メッセージングシステム、データベースシステム、またはアプリケーションがこれに使用できます。アプリケーションとモジュールが EIS ソフトウェアにアクセスするには、接続リソースが使用されます。
EIS 接続の主な要素は、次のとおりです。
「コネクタモジュール」。コネクタモジュールは、アプリケーションと EIS ソフトウェアとの対話を可能にする Java EE コンポーネントで、リソースアダプタとも呼ばれます。コネクタモジュールは、Enterprise Server が JavaTM Message Service (JMS) を実装する際に使用されます。ほかのJava EE モジュールと同様に、コネク タモジュールをインストールするには、これを配備する必要があります。コネクタモジュールの作成方法については、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Application Development Guide』の第 12 章「Developing Connectors」を参照してください。
「コネクタ接続プール」。コネクタ接続プールとは、特定の EIS のための再利用可能な接続のグループです。コネクタ接続プールを作成するには、プールに関連付けるコネクタモジュールを指定します。管理手順については、「コネクタ接続プールの管理」を参照してください。
「コネクタリソース」。コネクタリソースとは、アプリケーションに EIS への接続を提供するプログラムオブジェクトです。コネクタリソースを作成するには、JNDI 名と関連する接続プールを指定します。EIS 用コネクタリソースの JNDI 名は、通常 java:comp/env/eis-specific サブコンテキストにあります。管理手順については、「コネクタリソースの管理」を参照してください。
「コネクタモジュール構成」。コネクタモジュール構成とは、ドメイン構成ファイル (domain.xml) 内にある、特別なコネクタモジュール (リソースアダプタ) の情報です。管理手順については、「リソースアダプタ構成の管理」を参照してください。
「コネクタセキュリティーマップ」。コネクタセキュリティーマップとは、アプリケーションの (主体またはユーザーグループの) 呼び出し側 ID を、適切な EIS 主体またはグループに関連付けるものです。管理手順については、「コネクタセキュリティーマップの管理」を参照してください。
「コネクタの作業セキュリティーマップ」。コネクタの作業セキュリティーマップは、コネクタモジュール (リソースアダプタ) の EIS 主体または EIS グループが提出した作業の呼び出し側 ID を、Enterprise Server セキュリティードメインの適切な主体またはユーザーグループに関連付けます。管理手順については、「コネクタ作業セキュリティーマップの管理」を参照してください。
「管理対象オブジェクト」。管理対象オブジェクトは、アプリケーションの特殊な機能を提供します。たとえば、管理対象オブジェクトは、コネクタモジュールおよびそれに関連付けられた EIS に固有なパーサーへのアクセスを提供できます。管理手順については、「管理対象オブジェクトの管理」を参照してください。
実行時に、アプリケーションが EIS に接続されると次のことが行われます。
JNDI API を介して呼び出しを行うことにより、アプリケーションは EIS に関連したコネクタリソース (データソース) を取得します。
コネクタリソースの JNDI 名を基に、ネーミングおよびディレクトリサービスがリソースを検索します。EIS リソースはそれぞれコネクタ接続プールを指定します。
コネクタリソースを経由して、アプリケーションは EIS 接続を取得します。
Enterprise Server は EIS リソースに対応した接続プールから物理接続を取得します。プールは、EIS 名、ユーザー名、パスワードなどの接続属性を定義します。
EIS 接続が確立されると、アプリケーションは EIS のデータの読み込み、変更、および追加を行うことができます。
アプリケーションは JMS API を呼び出すことにより、EIS 情報にアクセスします。
EIS へのアクセスが完了すると、アプリケーションは接続を終了して、接続を接続プールに返します。