Sun GlassFish Enterprise Server v3 管理ガイド

トランザクションについて

「トランザクション」は、アプリケーション内の独立したアクションをひと続きにまとめたもので、一連のアクションのすべてが正常に完了する必要があります。トランザクションでは、1 つ以上のアクションをそれ以上分割不可能な作業単位にまとめることで、データの完全性と整合性を保証しています。すべてのアクションが完了しなかった場合、変更はロールバックされます。

たとえば、当座預金口座から普通預金口座に資金を移動する場合は、一般的に次のような手順が発生します。

  1. 当座預金口座にその移動をカバーするだけの金額があるかどうかを確認します。

  2. その金額を当座預金口座の借方に記帳します。

  3. その金額を普通預金口座の貸方に記帳します。

  4. その移動を当座預金口座ログに記録します。

  5. その移動を普通預金口座ログに記録します。

これらの手順をまとめて、1 つのトランザクションと見なします。

すべての手順が正常に完了すれば、トランザクションは「コミット」されます。いずれかの手順が失敗した場合は、それ以前の手順で行われた変更がすべてロールバックされ、当座預金口座と普通預金口座はトランザクションが開始される前の状態に戻されます。この種類のイベントは「ロールバック」と呼ばれます。通常のトランザクションは、コミットされた状態かロールバックされた状態で終了します。

次の要素は、さまざまな API と機能を実装することで、信頼性の高いトランザクション処理に貢献します。