この章では、配備された Sun GlassFishTM Enterprise Server v3 の拡張および更新に関するタスクを、更新ツールを使用して実行する手順を説明します。pkg コマンドを使用する手順もこの章で説明します。Enterprise Server には、pkg コマンドの使用方法を説明するリファレンスページが用意されています。
ここでは、次のテーマを取り上げます。
この章のタスクを管理コンソールを使用して実行する場合の手順は、管理コンソールオンラインヘルプの更新ツールの項目で説明します。スタンドアロンの更新ツールにも、オンラインヘルプが用意されています。更新ツールの詳細は、http://wikis.sun.com/display/IpsBestPractices/Screenshots を参照してください。
Enterprise Server は、機能をモジュール形式で提供するように設計されています。したがって、必要な機能だけをインストールして、必要がない機能のインストールは省略することができます。「OSGi モジュール」は、バンドルとも呼ばれ、配備した Enterprise Server にアドオン機能を提供します。サーバーの再起動を必要とせず、実行時にアドオンコンポーネントを追加または削除することができます。
時間の経過とともに、新しいアドオンコンポーネントが開発され、既存のコンポーネントは変更されていきます。Enterprise Server では、配備したサーバー上のソフトウェアを更新できるように、一連の Image Packaging System (IPS) ツールが提供されています。更新ツールを次の方法で使用して、新しいアドオンコンポーネンや更新されたアドオンコンポーネントをインストールできます。
グラフィカルな Enterprise Server 管理コンソール で選択して起動します。
コマンド行から開始できるスタンドアロンのグラフィカルツールとして起動します。コマンドの形式は、as-install-parent /bin/updatetool です。
コマンド行ユーティリティー (pkg コマンド) として起動します。グラフィカルな更新ツールで実行できるほとんどのタスクを実行できます。pkg コマンドを使用する主な理由は次のとおりです。
グラフィカルなバージョンの更新ツールには、どちらにも詳細なオンラインヘルプが用意されています。
この節では、pkg コマンドを使用して、配備済みの Enterprise Server に Enterprise Server アドオンコンポーネントをインストールする手順について説明します。
pkg コマンドを使用して、アドオンコンポーネントをシステムにインストールできます。複数のバージョンのパッケージを使用できる場合は、指定しないかぎり最新のバージョンが適用されます。pkg コマンドは、as-install-parent/bin ディレクトリに格納されています。
pkg コンポーネント、updatetool コンポーネント、またはコマンド行から呼び出すその他の有効なコンポーネントが、配備済みの Enterprise Server にまだインストールされていない場合は、コンポーネントをインストールするかどうかを確認するメッセージが表示されます。「Y」を入力すると、コンポーネントがインストールされます。
追加コンポーネントをインストールする前に、Enterprise Server v3 が完全に配備されている必要があります。インストールの手順については、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Installation Guide 』を参照してください。
インストール済みのコンポーネントを一覧表示します。
pkg list |
次のような情報が表示されます。
NAME (AUTHORITY) VERSION STATE UFIX glassfishv3-common 0-1 installed ---- glassfishv3-ejb 0-1 installed u--- glassfishv3-nucleus 0-1 installed ---- glassfishv3-web 0-1 installed ---- grails 1.0-1.0 installed ---- jersey 0.7-0.1 installed u--- jmaki 1.8.0-1.0 installed ---- jruby 1.1.1-1.0 installed ---- metro 1.2-1 installed u--- pkg 0.1.4-6.564 installed u--- python2.4-minimal 2.4.4-6.564 installed u--- updatetool (glassfish.org) 2.0-6.564 installed u--- wxpython2.8-minimal 2.8.7.1-6.564 installed u---
使用可能なパッケージをすべて表示します。
pkg list -a |
リポジトリから次のような情報が表示されます。
NAME (AUTHORITY) VERSION STATE UFIX glassfishv3-common 0-1 known u--- glassfishv3-common 0-1 known u--- glassfishv3-common 0-1 installed ---- glassfishv3-ejb 0-1 known u--- glassfishv3-ejb 0-1 known u--- glassfishv3-ejb 0-1 known u--- glassfishv3-ejb 0-1 installed u--- glassfishv3-ejb 0-1 known ---- glassfishv3-nucleus 0-1 known u--- glassfishv3-nucleus 0-1 known u--- glassfishv3-nucleus 0-1 installed ---- glassfishv3-web 0-1 known u--- glassfishv3-web 0-1 known u--- glassfishv3-web 0-1 installed ---- grails 1.0-1.0 installed ---- javadb 0-1 known u--- javadb 0-1 known u--- javadb 0-1 known ---- jersey 0.7-0.1 installed u--- jersey 0.7-0.2 known u--- jersey 0.7-0.3 known u--- jersey 0.8-0.1 known ---- jmaki 1.8.0-1.0 installed ---- jruby 1.1.1-1.0 installed ---- metro 1.2-1 installed u--- metro 1.2-2 known u--- metro 1.2-3 known ---- pkg 0.1.4-6.564 installed u--- pkg 0.1.5-8.724 known ---- python2.4-minimal 2.4.4-6.564 installed u--- python2.4-minimal 2.4.4-8.724 known ---- updatetool 2.0-6.564 installed u--- updatetool 2.0-8.724 known ---- wxpython2.8-minimal 2.8.7.1-6.564 installed u--- wxpython2.8-minimal 2.8.7.1-8.724 known ----
as-install ディレクトリに移動します。
使用可能なパッケージのリストから、パッケージをインストールします。
pkg install package-name という構文を使用します。次に例を示します。
pkg install javadb |
コンポーネントの最新のバージョンがインストールされ、次のような情報が表示されます。
DOWNLOAD PKGS FILES XFER (MB) javadb 0/1 61/200 2.10/7.26 PHASE ACTIONS Install Phase 222/222
変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。
「ドメインの再起動」を参照してください。
pkg コマンドを使用する際の完全な構文とオプションは、as-install/pkg/man/ ディレクトリにあるリファレンスページで説明されています。これらのリファレンスページは、man コマンドでは表示されません。代わりに、more または cat などのコマンドを使用してください。
この節では、Enterprise Server のコンポーネントをインストールしたあとに、これらのコンポーネントを更新する次の手順について説明します。
更新されたバージョンのコンポーネントをインストールする場合は、変更されたファイルだけがダウンロードおよびインストールされます。更新されたパッケージで削除されているファイルは、更新プロセス中に削除されます。
使用可能な更新があるインストール済みのパッケージだけを一覧表示します。
pkg list -u |
次のような情報が表示されます。
NAME (AUTHORITY) VERSION STATE UFIX glassfishv3-ejb 0-1 installed u--- jersey 0.7-0.1 installed u--- metro 1.2-1 installed u--- pkg 0.1.4-6.564 installed u--- python2.4-minimal 2.4.4-6.564 installed u--- updatetool (glassfish.org) 2.0-6.564 installed u--- wxpython2.8-minimal 2.8.7.1-6.564 installed u---
新しいバージョンのパッケージをインストールします。
pkg install package-name という構文を使用します。次に例を示します。
pkg install metro |
次のような情報が表示されます。
DOWNLOAD PKGS FILES XFER (MB) Completed 1/1 5/5 0.49/0.49 PHASE ACTIONS Removal Phase 2/2 Update Phase 7/7 Install Phase 2/2
変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。
「ドメインの再起動」を参照してください。
pkg コマンドを使用する際の完全な構文とオプションは、as-install /pkg/man/ ディレクトリにあるリファレンスページで説明されています。これらのリファレンスページは、man コマンドでは表示されません。代わりに、more または cat などのコマンドを使用してください。
Enterprise Server では、単一のシステムで複数のインストールイメージを保守できます。インストールイメージを更新するときに、イメージ内にあるすべてのコンポーネントは、新しいバージョンを利用できる場合、そのバージョンに更新されます。更新されたバージョンのコンポーネントをインストールするときに、変更されたファイルだけがダウンロードおよびインストールされます。更新されたパッケージで削除されているファイルは、更新プロセス中に削除されます。
イメージのすべてのパッケージをインストールします。
pkg install image-name の構文を使用します。次に例を示します。
pkg image-update |
次のような情報が表示されます。
DOWNLOAD PKGS FILES XFER (MB) Completed 6/6 729/729 21.59/21.59 PHASE ACTIONS Removal Phase 887/887 Update Phase 253/253 Install Phase 584/584
変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。
「ドメインの再起動」を参照してください。
pkg コマンドを使用する際の完全な構文とオプションは、as-install /pkg/man/ ディレクトリにあるリファレンスページで説明されています。これらのリファレンスページは、man コマンドでは表示されません。代わりに、more または cat などのコマンドを使用してください。
使用していないコンポーネントをシステムから削除する場合は、uninstall コマンドを使用します。コンポーネントを以前のバージョンに戻す必要がある場合は、現在のバージョンをアンインストールしたあとに、バージョン番号を指定して以前のバージョンをインストールする必要があります。
インストール済みのコンポーネントを削除する前に、削除するコンポーネントに依存関係がないことを確認します。
インストール済みのコンポーネントをすべて表示します。
pkg list |
NAME (AUTHORITY) VERSION STATE UFIX glassfishv3-common 0-1 installed ---- glassfishv3-ejb 0-1 installed u--- glassfishv3-nucleus 0-1 installed ---- glassfishv3-web 0-1 installed ---- grails 1.0-1.0 installed ---- jersey 0.7-0.1 installed u--- jmaki 1.8.0-1.0 installed ---- jruby 1.1.1-1.0 installed ---- metro 1.2-1 installed u--- pkg 0.1.4-6.564 installed u--- python2.4-minimal 2.4.4-6.564 installed u--- updatetool (glassfish.org) 2.0-6.564 installed u--- wxpython2.8-minimal 2.8.7.1-6.564 installed u---
システムから削除するコンポーネントをアンインストールします。
pkg uninstall package-name の構文を使用します。次に例を示します。
pkg uninstall jruby |
変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。
「ドメインの再起動」を参照してください。
pkg コマンドを使用する際の完全な構文とオプションは、as-install /pkg/man/ ディレクトリにあるリファレンスページで説明されています。これらのリファレンスページは、man コマンドでは表示されません。代わりに、more または cat などのコマンドを使用してください。
インストールしたコンポーネントが正しく動作しない場合は、コンポーネントを古いバージョンに戻すことができます。古いバージョンのコンポーネントを復元するには、現在のバージョンのコンポーネントをアンインストールしたあと、元に戻す古いバージョンをインストールします。
現在のバージョンのコンポーネントをアンインストールする前に、古いバージョンのコンポーネントがリポジトリにあることを確認する必要があります。
古いバージョンのコンポーネントがまだ使用可能であることを確認します。
pkg list -a |
インストール済みのコンポーネントを一覧表示します。
pkg list |
置換対象の現在インストールされているコンポーネントをアンインストールします。
pkg uninstall package-name の構文を使用します。次に例を示します。
pkg uninstall jersey |
古いバージョンのコンポーネントをインストールします。
pkg install package-name —version version-number の構文を使用します。次に例を示します。
pkg install jersey -version 0.7-0.2 |
古いバージョンがインストールされたことを確認します。
pkg list |
pkg コマンドを使用する際の完全な構文とオプションは、as-install /pkg/man/ ディレクトリにあるリファレンスページで説明されています。これらのリファレンスページは、man コマンドでは表示されません。代わりに、more または cat などのコマンドを使用してください。