Sun GlassFish Enterprise Server v3 管理ガイド

ドメインの作成、ログイン、削除

ここでは、以下のトピックに関して説明します。

Procedureドメインの作成

Enterprise Server をインストールしてデフォルトドメイン (domain1 ) を作成してからは、ローカルの create-domain サブコマンドを使用してさらにドメインが作成できるようになります。このサブコマンドは、ドメインの構成を作成します。所定のシステムの asadmin ユーティリティーに対してアクセス権を持つユーザーは、ドメインを作成し、自分の選択するフォルダにそのドメイン構成を格納することができます。デフォルトでは、ドメイン構成はドメインのデフォルトディレクトリに作成されます。この場所をオーバーライドして、別の場所に構成を格納することもできます。

ドメインを作成すると、管理ユーザーを指定するよう求められます。または、パスワードなしでユーザー名が admin のデフォルトログイン ID のままにしておくこともできます。

始める前に

ドメインに適用するプロファイルを決定します。

  1. 作成中のドメイン名を選択します。

    まだ使用されていないドメイン名かどうかを確認するには、list-domains(1) を使用します。

  2. ドメインを作成するには、create-domain(1) サブコマンドを使用します。

    このサブコマンドのオプションについては、このマニュアルページに記載されています。

  3. ドメインの admin ユーザー名とパスワードを入力します。

    admin ログインを設定しないようにするには、パスワードなしでデフォルトの admin のままにします。Return を押しても、デフォルトが選択されます。


例 3–1 ドメインの作成

この例では、domain1 というドメイン名を作成します。コマンドを入力すると、ログイン情報を入力するよう求められることがあります。


asadmin> create-domain --adminport 4848 domain1
Enter admin user name[Enter to accept default]>
Using port 4848 for Admin.
Default port 8080 for HTTP Instance is in use. Using 1161
Using default port 7676 for JMS.
Using default port 3700 for IIOP.
Using default port 8081 for HTTP_SSL.
Using default port 3820 for IIOP_SSL.
Using default port 3920 for IIOP_MUTUALAUTH.
Default port 8686 for JMX_ADMIN is in use. Using 1162
Distinguished Name of the self-signed X.509 Server Certificate is:
[CN=moonbeam.gateway.2wire.net,OU=GlassFish,O=Sun Microsystems,L=Santa Clara,ST
California,C=US]
Domain domain1 created.
Command create-domain executed successfully.

管理コンソール をブラウザで起動するには、次のフォーマットで URL を入力します。


http://hostname:5000

この例の場合、ドメインのログファイル、構成ファイル、および配備されたアプリケーションは次のディレクトリに置かれます。

domain-root-dir/mydomain


参照

このサブコマンドの完全な構文を確認するには、コマンド行に asadmin help create-domain と 入力してください。

Procedureドメインの一覧表示

ドメインとそのステータスを一覧表示するには、list-domains サブコマンドを使用します。ドメインのディレクトリが指定されていない場合は、デフォルト as-install/domains ディレクトリにあるコンテンツが表示されます。複数のドメインが存在する場合は、ドメイン名を指定する必要があります。

別のディレクトリに作成されているドメインを一覧表示するには、--domaindir オプションを指定します。

  1. ドメインを一覧表示するには、list-domains(1) サブコマンドを使用します。


例 3–2 ドメインの一覧表示

この例では、デフォルトの as-install/domains ディレクトリを一覧表示しています。


asadmin> list-domains
Name: domain1 Status: Running
Name: domain4 Status: Not Running
Name: domain6 Status: Not Running
Command list-domains executed successfully.

参照

このサブコマンドの完全な構文を確認するには、コマンド行に asadmin help list-domain と 入力してください。

Procedureドメインへのログイン

どのリモートサブコマンドにも資格が必要で、管理ユーザー名とそのパスワードを指定しなくてはなりません。ID が明示的または暗黙的に何も指定されていない場合は、デフォルトでは asadmin ユーザーが管理者向け操作を実行できるような ID でドメインが作成されます。デフォルト ID は、ユーザー名が admin でパスワードがない形式です。コマンド行やプロンプトにユーザー名を指定せず、--passwordfile オプションまたはプロンプトにパスワードを何も指定せず、login サブコマンドまたは create-domain サブコマンドに ----savelogin オプションを付けたうちのいずれかでドメインにログインしたことがなければ、asadmin ユーティリティーが ID を何も指定せずに指定の管理操作を実行しようとします。サーバー (ドメイン) は、次の状況に当てはまる限り、このデフォルト ID を使用して管理操作を行えるようにします。

1. サーバー (ドメイン) が、admin ユーザーの認証にファイルレルムを使用している。

2. ファイルレルムに、ユーザーが 1 人しかいない (ユーザー名の内容は問わない)。

3. その 1 人のユーザーに、パスワードが用意されていない。

デフォルトでは、特定のユーザー名とパスワードでドメインを作成していない限り、これらの条件がすべて当てはまります。したがって、唯一の管理ユーザーは、パスワードなしの admin となります。3. に当てはまらない場合は、パスワードを指定する必要があります。2. に当てはまらない場合も、ユーザー名を指定する必要があります。1. に当てはまらない場合は、ユーザー名とパスワードを指定する必要があります。

特定ドメインへの認証 (ログイン) を行うには、ローカルモードで login サブコマンドを使用します。ログインした後は、そのドメインのそれ以降の操作に管理ユーザーやパスワードを指定しなくても済むようになります。login サブコマンドは、管理パスワードを指定する際にのみ使用できます。リモートサブコマンドから入力を求められるこれ以外のパスワードについては、--passwordfile オプションを使用するか、コマンドプロンプトでパスワードを指定してください。管理ユーザー名とパスワードの入力が常に求められます。

logout サブコマンドは一切ありません。別のドメインにログインするには、asadmin login--host--port に新しい値を付けて呼び出します。

  1. ログインしようとしているドメイン名を指定します。

    既存ドメインの一覧表示


    asadmin list-domains
    
  2. login(1)コマンドでドメインにログインします。


例 3–3 リモートマシンでのドメインへのログイン

この例では、別のマシンにあるドメインにログインします。login サブコマンドの前に、オプションを指定します。


asadmin> --host foo --port 8282 login
Please enter the admin user name>admin Please enter the admin password> 
Trying to authenticate for administration of server at host [foo] and port [8282] ... 
Login information relevant to admin user name [admin] 
for host [foo] and admin port [8282] stored at [/.asadminpass] successfully. 
Make sure that this file remains protected. Information stored in this
file will be used by asadmin commands to manage associated domain.


例 3–4 Localhost のデフォルトポートにあるドメインへのログイン

この例では、デフォルトポートの myhost にあるドメインにログインします。login サブコマンドの前に、オプションを指定します。


asadmin>  --host myhost login 
Please enter the admin user name>admin Please enter the admin password> 
Trying to authenticate for administration of server at host [myhost] and port [4848] ... 
An entry for login exists for host [myhost] and port [4848], probably from 
an earlier login operation. 
Do you want to overwrite this entry (y/n)?y 
Login information relevant to admin user name [admin] for host [myhost] 
and admin port [4848] stored at [/home/joe/.asadminpass] successfully. 
Make sure that this file remains protected. Information stored in this file will be used by 
asadmin commands to manage associated domain.

参照

このサブコマンドの完全な構文を確認するには、コマンド行に asadmin help login と 入力してください。パスワードの詳細は、「パスワードの管理」を参照してください。

Procedureドメインの削除

サーバーから既存のドメインを削除するには、delete-domain サブコマンドを使用します。このサブコマンドを実行できるのは、このドメインを管理する権限があるルートユーザー、もしくはオペレーティングシステムのユーザーだけです。

始める前に

削除する前に、ドメインがすでに停止している必要があります。

  1. ドメインを一覧表示するには、list-domains(1) サブコマンドを使用します。

  2. 必要な場合は、削除しようとしているドメインのドメインユーザーに通知してください。

  3. 削除対象のドメインが停止していることを確認します。

    必要な場合は、「ドメインの停止」を参照してください。

  4. delete-domain(1) サブコマンドを使用して、ドメインを削除します。


例 3–5 ドメインの削除

この例では、domain1 という名前のドメインを指定の場所から削除します。


asadmin> delete-domain --domaindir ..\domains domain1
Domain domain1 deleted.
Command delete-domain executed successfully.

参照

このサブコマンドの完全な構文を確認するには、コマンド行に asadmin help delete-domain と 入力してください。