Logical Domains 1.2 管理ガイド

ハイパーバイザと論理ドメイン

この節では、Logical Domains をサポートしている SPARC® ハイパーバイザの概要について説明します。

SPARC ハイパーバイザは、小さなファームウェア層で、オペレーティングシステムを記述できる安定した仮想化マシンアーキテクチャーを提供します。ハイパーバイザを使用する Sun サーバーでは、論理オペレーティングシステムの活動をハイパーバイザが制御できるようにするためのハードウェア機能が用意されています。

論理ドメインは、リソースの個別の論理グループで構成される仮想マシンです。論理ドメインは、単一のコンピュータシステム内で独自のオペレーティングシステムおよび ID を持っています。各論理ドメインは独立して作成、削除、再構成、および再起動することができ、そのときサーバーの電源の再投入は必要ありません。パフォーマンスおよびセキュリティー上の理由から、さまざまなアプリケーションソフトウェアを異なる論理ドメイン上で動作させて、アプリケーションの独立性を維持することができます。

各論理ドメインは、ハイパーバイザがそのドメインに対して利用可能にしたサーバーリソースに対してのみ、監視および対話が許可されています。Logical Domains Manager を使用すると、ハイパーバイザが制御ドメインを介して実行する処理を指定できます。つまり、ハイパーバイザは、サーバーのリソースをパーティションに分割し、限定的なサブセットを複数のオペレーティングシステム環境に提供します。このパーティションの分割と提供は、論理ドメインを作成する場合の基本的なメカニズムです。次の図に、2 つの論理ドメインをサポートするハイパーバイザを示します。また、Logical Domains の機能を構成する次の層についても示します。

図 1–1 2 つの論理ドメインをサポートするハイパーバイザ

この図は、Logical Domains の機能を構成する層を示しています。

特定の SPARC ハイパーバイザがサポートする各論理ドメインの数と機能は、サーバーによって異なります。ハイパーバイザは、サーバー全体の CPU、メモリー、および I/O リソースのサブセットを特定の論理ドメインに割り当てることができます。これにより、それぞれが独自の論理ドメイン内にある複数のオペレーティングシステムを同時にサポートすることができます。リソースは、任意に細分化して個々の論路ドメイン間で再配置できます。たとえば、メモリーは 8K バイトの単位で論理ドメインに割り当てることができます。

各論理ドメインは、次のような独自のリソースを持つ完全に独立したマシンとして管理できます。

各論理ドメインは、サーバーの電源の再投入を必要とすることなく、互いに独立して停止、起動、および再起動できます。

ハイパーバイザソフトウェアは、論理ドメイン間の分離を維持する役割を果たします。ハイパーバイザソフトウェアは、論理ドメインが相互に通信できるように論理ドメインチャネル (LDC) も提供します。LDC を使用することで、ドメインはネットワークサービスやディスクサービスなどのサービスを相互に提供できます。

サービスプロセッサ (SP) はシステムコントローラ (SC) とも呼ばれ、物理マシンを監視および実行しますが、論理ドメインは管理しません。論理ドメインは、Logical Domains Manager で管理します。