Logical Domains 1.2 管理ガイド

仮想デバイス識別子およびネットワークインタフェース名

ドメインに仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスを追加する場合、id プロパティーを設定することでデバイス番号を指定できます。


# ldm add-vsw [id=switch-id] vswitch-name ldom
# ldm add-vnet [id=network-id] if-name vswitch-name ldom

ドメインの各仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスには、ドメインがバインドされるときに割り当てられる一意のデバイス番号があります。id プロパティーを設定して仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスを明示的なデバイス番号で追加した場合、指定したデバイス番号が使用されます。デバイス番号を指定しなかった場合、使用可能なもっとも小さいデバイス番号が自動的に割り当てられます。その場合、割り当てられるデバイス番号は、仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスがシステムに追加された方法によって異なります。仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに最終的に割り当てられたデバイス番号は、ドメインがバインドされるときに ldm list-bindings コマンドの出力で確認できます。

次の例は、primary ドメインに 1 つの仮想スイッチ primary-vsw0 が構成されていることを示しています。この仮想スイッチのデバイス番号は 0 (switch@0) です。


primary# ldm list-bindings primary
...
VSW
    NAME         MAC               NET-DEV DEVICE   DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU MODE
    primary-vsw0 00:14:4f:fb:54:f2 e1000g0 switch@0 1               1    5,6 1500
...

次の例は、ldg1 ドメインには 2 つの仮想ネットワークデバイス vnet および vnet1 が構成されていることを示しています。デバイス vnet のデバイス番号は 0 (network@0) で、デバイス vnet1 のデバイス番号は 1 (network@1) です。


primary# ldm list-bindings ldg1
...
NETWORK
    NAME  SERVICE              DEVICE    MAC               MODE   PVID VID MTU
    vnet  primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:fb:e0:4b hybrid 1        1500
    ...
    vnet1 primary-vsw0@primary network@1 00:14:4f:f8:e1:ea        1        1500
...

仮想スイッチが構成されたドメインで Solaris OS を実行している場合、仮想スイッチはネットワークインタフェース vswN を備えています。ただし、仮想スイッチのネットワークインタフェース番号 N は、仮想スイッチのデバイス番号 n と同じとはかぎりません。

同様に、仮想ネットワークデバイスが構成されたドメインで Solaris OS を実行している場合、仮想ネットワークデバイスはネットワークインタフェース vnetN を備えています。ただし、仮想ネットワークデバイスのネットワークインタフェース番号 N は、仮想ネットワークデバイスのデバイス番号 n と同じとはかぎりません。


注意 – 注意 –

Solaris OS では、ネットワークインタフェースの名前と、仮想スイッチまたは仮想ネットワークとの間のマッピングが、デバイス番号に基づいて保存されます。デバイス番号が仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに明示的に割り当てられていない場合、ドメインのバインドがいったん解除されたあとで再びバインドされると、デバイス番号が変更されることがあります。その場合、ドメインで動作している OS によって割り当てられたネットワークインタフェース名も変更され、システムの既存の構成が損なわれることがあります。これは、たとえば、仮想スイッチまたは仮想ネットワークインタフェースがドメインの構成から削除されたときに起こる場合があります。


ldm list-* コマンドを使用して、仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに対応する Solaris OS のネットワークインタフェース名を直接判定することはできません。ただし、ldm list -l コマンドの出力と、Solaris OS の /devices 配下のエントリの出力を組み合わせて使用すると、この情報を取得できます。

ProcedureSolaris OS ネットワークインタフェース名を確認する

次の例では、ゲストドメイン ldg1 には net-a および net-c の 2 つの仮想ネットワークデバイスが含まれています。net-c に対応する、ldg1 での Solaris OS ネットワークインタフェース名を確認するには、次の手順を実行します。この例では、仮想ネットワークデバイスではなく仮想スイッチのネットワークインタフェース名を検索する場合の相違点も示します。

  1. ldm コマンドを使用して、net-c の仮想ネットワークデバイス番号を探します。


    # ldm list -l ldg1
    ...
    NETWORK
    NAME         SERVICE                     DEVICE       MAC
    net-a        primary-vsw0@primary        network@0    00:14:4f:f8:91:4f
    net-c        primary-vsw0@primary        network@2    00:14:4f:f8:dd:68
    ...

    net-c の仮想ネットワークデバイス番号は 2 (network@2) です。

    仮想スイッチのネットワークインタフェース名を判定するには、switch@nn に示された仮想スイッチデバイス番号を探します。

  2. ldg1 で対応するネットワークインタフェースを検出するには、ldg1 にログインして、/devices 配下でこのデバイス番号に対するエントリを探します。


    # uname -n
    ldg1
    # find /devices/virtual-devices@100 -type c -name network@2\*
    /devices/virtual-devices@100/channel-devices@200/network@2:vnet1

    ネットワークインタフェース名は、コロンのあとのエントリの部分で、この場合は vnet1 です。

    仮想スイッチのネットワークインタフェース名を判定するには、-name オプションの引数を virtual-network-switch@n\* に置換します。次に、vswN という名前のネットワークインタフェースを探します。

  3. vnet1 を plumb して、手順 1 の net-c に対する ldm list -l の出力で示されたように、MAC アドレスが 00:14:4f:f8:dd:68 であることを確認します。


    # ifconfig vnet1
    vnet1: flags=1000842<BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3
              inet 0.0.0.0 netmask 0
              ether 0:14:4f:f8:dd:68