Logical Domains 1.2 管理ガイド

Logical Domains 構成の管理

Logical Domains 構成とは、単一システム内でのすべてのドメインとそのリソース割り当てをすべて記述したものです。構成は、サービスプロセッサ (SP) に保存および格納し、あとで使用することができます。

システムに電源を投入すると、SP は選択された構成を起動します。特定の構成を起動することで、システムは、同じドメインセットを実行し、その構成に指定されている同じ仮想化およびリソース割り当てのパーティション分割を使用します。デフォルトの構成は、最後に保存された構成です。

Logical Domains 1.2 リリース以降は、Logical Domains 構成が変更された場合は常に、現在の構成のコピーが制御ドメインに自動的に保存されます。

次の状況でも、自動保存処理はただちに行われます。

SP に保存されている構成が失われた場合、この自動保存処理によって構成を回復できます。また、システムの電源再投入時に現在の構成が SP に明示的に保存されなかった場合も、この処理によって構成を回復できます。このような場合、現在の構成が次回の起動時用としてマークされている構成よりも新しければ、Logical Domains Manager は再起動時にこの構成を回復できます。


注 –

電源管理、FMA、ASR、および PRI 更新イベントでは、自動保存ファイルは更新されません。


自動保存ファイルは、自動または手動で新規または既存の構成に復元できます。デフォルトでは、自動保存構成が、対応する実行中の構成よりも新しい場合、メッセージが LDoms ログに書き込まれます。したがって、ldm add-spconfig -r コマンドを使用して既存の構成を手動で更新するか、または自動保存データに基づいて新しい構成を作成する必要があります。


注 –

遅延再構成が保留中の場合、構成の変更はただちに自動保存されます。そのため、ldm list-config -r コマンドを実行すると、自動保存構成は、現在の構成より新しいものとして表示されます。


ldm *-spconfig コマンドを使用して構成を管理する方法と、自動保存ファイルを手動で回復する方法については、ldm(1M) マニュアルページを参照してください。

ALOM CMT Version 1.3 のコマンドを使用して起動する構成を選択する方法については、「LDoms と ALOM CMT の使用」 を参照してください。

Procedure自動回復ポリシーを変更する

自動回復ポリシーには、制御ドメインに自動的に保存された 1 つの構成が対応する実行中の構成よりも新しい場合に、構成の回復を処理する方法を指定します。自動回復ポリシーを指定するには、ldmd SMF サービスの autorecovery_policy プロパティーを設定します。autorecovery_policy プロパティーには次の値を使用できます。

  1. 制御ドメインでスーパーユーザーになります。

  2. autorecovery_policy プロパティー値を表示します。


    # svccfg -s ldmd listprop ldmd/autorecovery_policy
    
  3. ldmd サービスを停止します。


    # svcadm disable ldmd
    
  4. autorecovery_policy プロパティー値を変更します。


    # svccfg -s ldmd setprop ldmd/autorecovery_policy=value
    

    たとえば、自動回復を実行するようにポリシーを設定するには、プロパティー値を 3 に設定します。


    # svccfg -s ldmd setprop ldmd/autorecovery_policy=3
    
  5. ldmd サービスを更新して再起動します。


    # svcadm refresh ldmd
    # svcadm enable ldmd
    

例 9–18 ログへの記録から自動回復への自動回復ポリシーの変更

次の例は、autorecovery_policy プロパティーの現在の値を表示し、その値を新しい値に変更する方法を示しています。このプロパティーの元の値は 1 です。この場合、自動保存の変更はログに記録されます。ldmd サービスの停止および再起動には svcadm コマンド、プロパティー値の表示および設定には svccfg コマンドが使用されます。


# svccfg -s ldmd listprop ldmd/autorecovery_policy
ldmd/autorecovery_policy integer 1
# svcadm disable ldmd
# svccfg -s ldmd setprop ldmd/autorecovery_policy=3
# svcadm refresh ldmd
# svcadm enable ldmd