Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド

その他のカレンダ・ツール

カレンダには、次のようなコマンド行インタフェース・ツールがあります。

sdtcm_admin

sdtcm_admin をコマンド行から使用すると、カレンダを作成して管理できます。このツールは、ローカル・システム、またはネットワーク上のリモート・ホストにあるカレンダを追加または削除するのに使用できます。sdtcm_admin は、ホスト上に存在するカレンダの表示、または特定カレンダに対するユーザのアクセス権の付与と取り消しに使用します。sdtcm_admin には、次のオプションがあります。

-l

システム上のカレンダを 1 つの列でリスト表示 

-h

他のホスト上のカレンダをリスト表示 

-a

新しいカレンダをシステムに追加 (デフォルトでは、login@localhost)

-c

指定のカレンダをシステムに追加 

-d

システムからカレンダを削除 (デフォルトでは削除) 

他のオプションの詳細と使用例については、sdtcm_admin(1) のマニュアル・ページを参照してください。

使用例

システム上のカレンダを表示します。

% sdtcm_admin -l
kasso
vacation
test
foobar
sleepy

別のホスト上のカレンダを表示します。

% sdtcm_admin -l -h totoro
ytso
root
test
sportv4

各自のログイン名を持つカレンダを、ログインしたホストに追加します。

% sdtcm_admin -a

デフォルトでは、-a オプションにより、カレンダ <login>@< localhost> が作成されます。その他のカレンダは、-c オプションを使用して、ホスト上に作成できます。

カレンダ buildschedule をローカル・ホスト aha に作成します。

% sdtcm_admin -a -c buildschedule@aha

カレンダ sleepy をリモート・ホスト totoro に作成します。

% sdtcm_admin -a -c sleepy@totoro

各自のログイン名を持つカレンダを、ログインしたホストから削除します。

% sdtcm_admin -d

デフォルトでは、-d オプションにより、カレンダ <login>@<localhost> が削除されます。たとえば、kassoaha にログインして、他のオプションを付けずに sdtcm_admin -d を実行すると、次のメッセージが表示されます。

Delete the calendar kasso@aha [y/n]?

y または n と入力します。

ホスト aha 上のカレンダ old を削除します。

% sdtcm_admin -d -c old@aha

所有者権限を持つカレンダだけを削除できます。所有していないカレンダを削除しようとすると、次のエラー・メッセージが表示されます。

Delete the calendar old@aha [y/n]? y
sdtcm_admin: Could not delete calendar because: Permission denied.

sdtcm_convert

sdtcm_convert を使用すると、カレンダのデータ形式の変換、カレンダの整理、またはデータ保全性の検査を実行できます。このツールは、バージョン 3 (OpenWindows) のカレンダ・データ形式とバージョン 4 (拡張カレンダ・データ形式) との間の変換に使用できます。


注 –

Solaris 2.6 以降へアップグレードすると、sdtcm_convert は自動的に起動されます。


sdtcm_convert は、スーパーユーザまたはカレンダの所有者が実行する必要があります。スーパーユーザは、sdtcm_convert を任意のカレンダで実行できます。通常のユーザは、そのユーザが所有するカレンダでしか sdtcm_convert を実行できません。sdtcm_convert は、ローカル・ホスト上にあるカレンダでしか使用できないので注意してください。

バージョン 3 のデータ形式は、固定されていて制限があります。カレンダ API のサポートする新しい機能を利用するには、バージョン 3 のカレンダをバージョン 4 のデータ形式に変換する必要があります。

sdtcm_convert には、次のオプションがあります。


注 –

カレンダのデータ・バージョンは、ヘルプ・メニューからアクセスできるカレンダの [カレンダについて] ダイアログ・ボックスに表示されます。


使用例

カレンダ user1 をバージョン 4 のデータ形式に変換して、カレンダを整理します。

% sdtcm_convert -v 4 -s 1/1/94 user1

カレンダ user1 の保全性を検査します。

% sdtcm_convert user1

オプションを指定しないと、sdtcm_convert は、カレンダ・ファイルのデータの保全性を検査します。

dtcm_editor

カレンダ形式のアポイントを作成し、ファイルに保存するには、スタンドアロンのアポイント・エディタを使用します。

  1. コマンド行で dtcm_editor filename と入力します。

    スタンドアロンのアポイント・エディタが表示されます。

    Graphic
  2. [日付] フィールドに日付を入力します。

    [日付の形式] ダイアログ・ボックスに、設定した日付の形式を使用します。

  3. アポイントの [開始] と [終了] 時間を選択します。

  4. [内容] フィールドに、アポイントの説明を入力します。

  5. [周期] メニューでアポイントを設定する周期を選択します。

  6. アポイントの内容をコマンド行に指定したファイルに書き込むには、[保存] をクリックします。

dtcm_lookup

カレンダのアポイントを表示するには、dtcm_lookup を使用します。

  1. デフォルト表示のアポイントを表示するには、コマンド行で dtcm_lookup と入力します。

    たとえば、日表示がデフォルトの場合、今日のアポイントを表示するには、次のコマンドを入力します。

       system% dtcm_lookup
    
       Appointments for Monday October 31, 1994:
     1) Halloween
        2) 2:30pm-3:30pm Staff meeting
        3) 6:00pm Trick-or-treating
        4) 7:15pm-10:00pm Choir practice
  2. カレンダ、日付、およびアポイントの検索の時間の範囲を選択するには、次の構文を使用します。

       dtcm_lookup [-c calendar] [-d date] [-v view]

    たとえば、次のように入力します。

       system% dtcm_lookup -c hamilton@artist -d 10/28/1994 -v day
    
       Appointments for Friday October 28, 1994:
      1) 9:00am-10:00am Project meeting
         2) 1:30pm-2:00pm Testing

dtcm_insert

カレンダにアポイントを挿入するには、コマンド行から dtcm_insert を使用します。たとえば、次のように入力します。

system% dtcm_insert -d 11/1/1994 -s 11:30am -e 12:30pm -w workout
Appointments for Tuesday November 1, 1994:
	1) 10:00am-11:00am one-on-one
	2) 11:30am-12:30pm workout
	3) 12:30pm-1:00pm eat lunch

dtcm (カレンダ) は、新しいアポイントが挿入されたことがわかるように、スケジュールされたアポイントを自動的に印刷します。

dtcm_delete

カレンダからアポイントを削除するには、コマンド行から dtcm_delete を使用します。たとえば、次のように入力します。

system% dtcm_delete -d 11/1/1994
Appointments for Tuesday November 1, 1994:
	1) 10:00am-11:00am one-on-one
	2) 11:30am-12:30pm workout
	3) 12:30:pm-1:00pm eat lunch
Item to delete (number)? 3
Appointments for Tuesday November 1, 1994:
	1) 10:00am-11:00am one-on-one
 2) 11:30am-12:30pm workout

削除する項目がなくなったら、[Return] キーを押します。