Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド

特別な CDE 構成

この節では、特別な構成について説明します。

メール印刷のカスタマイズ

CDE メール・プログラムは、DTMAIL_FILE データ型用に定義されている [印刷] アクションを使用して、メール・メッセージを出力します。OpenWindows のメール・ツールで指定した印刷スクリプトは使用しません。印刷の動作を変更するには、この [印刷] アクションを変更しなければなりません。

[印刷] アクションを変更するには

  1. エディタを使用して、次のファイルを作成します。

       
    HomeDirectory/.dt/types/dtmail.dt
  2. このファイルに次の行を入力します。

       #
       # Override default Print action for mailboxes
       #
       ACTION Print
       {
       LABEL           Print
       ARG_TYPE        DTMAIL_FILE
       TYPE            COMMAND
       WINDOW_TYPE     NO_STDIO
       EXEC_STRING     sh -c ' \
                   	 dtmailpr -p -f %(File)Arg_1% | mp -m -l | \
                   	 dtlp -u %(File)Arg_1%;'
       }

    注 –

    dtmailpr は、アタッチメントを削除して、プレーンテキストにする印刷フィルタです。dtlp は、lp に対する標準 CDE インタフェースです。%(File)Arg_1% は、印刷するファイルです。


  3. 印刷コマンドを含むように EXEC_STRING を変更します。

  4. メール・プログラムを起動し直します。

カレンダの新しいデータ形式への変換

バージョン 4 拡張可能なデータ形式は、CDE カレンダでサポートされている、新しい形式です。OpenWindows のカレンダ・マネージャでは、この形式を読むことができません。OpenWindows と CDE のプラットフォーム間を切り替えて使用する必要がある場合は、ユーザのカレンダをバージョン 4 データ形式に変換しないでください。ただし、sdtcm_convert スクリプトを使用すると、カレンダから余分な部分を削除できます。


注 –

カレンダのデータ・バージョンを調べるには、カレンダの [ヘルプ] メニューから [カレンダについて] を選択します。


それ以外の場合、sdtcm_convert スクリプトを使用して、カレンダをバージョン 4 データ形式に変換します。

このファイルの詳細は、sdtcm_convert(1) のマニュアル・ページを参照してください。


注 –

End User CDE パッケージだけをインストールした場合は、マニュアル・ページはインストールされません。マニュアル・ページを参照するには、pkgadd ユーティリティを使用して、マニュアル・ページをインストールしなければなりません。


ネットワークからの AnswerBook パッケージの追加

Solaris CDE をインストールする場合、インストール・メニューには、AnswerBook CDE パッケージをインストールするためのオプションが用意されています。[YES] を選択した場合、AnswerBook パッケージは、/usr/dt/share/answerbooks/language ディレクトリにインストールされます (language は、特定の AnswerBook の翻訳言語のローカル名)。

AnswerBook パッケージをインストールするには、117M バイトのディスク容量が必要です。AnswerBook パッケージをインストールすると、次の 2 つのオプションを利用できます。

   export AB_CARDCATALOG=/net/hostname/usr/dt/share/answerbooks \
       /language/ab_cardcatalog

CDE デスクトップ外からの CDE 環境の設定

Solaris CDE アプリケーションが使用する環境変数は、CDE デスクトップ以外の場所からも設定できます。たとえば、リモート・ワークステーションにログインして、CDE アプリケーションをユーザのワークステーションに表示させたいとします。CDE ユーティリティ dtsearchpath を使用すると、さまざまな CDE シェル環境変数を設定できます。

Bourne シェルと Korn シェルの場合は、次のコマンドを入力します。

eval `/usr/dt/bin/dtsearchpath`

C シェルの場合は、次のコマンドを入力します。

eval `/usr/dt/bin/dtsearchpath -c`

このコマンドに続いて、DISPLAY をローカルのワークステーションに設定し、CDE アプリケーションをリモートから実行できます。結果は、ローカルのワークステーション上に表示されます。


注 –

この例では、Bourne シェルと Korn シェルの dtsearchpath 構文は、CDE を実行しているすべてのプラットフォームで利用できる、CDE サンプル実装の一部です。しかし、C シェル (-c) オプションは、Sun のプラットフォームでしか利用できません。


デスクトップ環境ファイル

CDE デスクトップは、OpenWindows DeskSetTM アプリケーションに、実行時環境を提供します。この機能のために、特別な CDE 設定を行う必要はありません。この環境設定の一部は、次のファイルで提供されます。

/usr/dt/config/Xsession.d/0015.sun.env

特定のワークステーションに対して、この環境設定から追加または削除する必要がある場合は、このファイルを直接編集するか、最初に次の場所にコピーした後で編集できます。

/etc/dt/config/Xsession.d/0015.sun.env 

追加の 1 つの例は、古い OpenWindows の仮想キーボードを起動して、OpenWindows DeskSet アプリケーションで使用することです。CDE デスクトップ上のほとんどのアプリケーション (および、ほとんどの Sun のユーザ) は、この仮想キーボード・ユーティリティ・プログラムを使用しないので、デスクトップ起動全体の性能を向上するために、デフォルトの起動シーケンスから除外されました。

オプションの OpenWindows 仮想キーボード (vkdb) の起動の詳細は、0015.sun.env ファイル中のコメントを参照してください。

Apple Macintosh アプリケーション環境でのフロッピーや CD メディアの使用

Apple Macintosh アプリケーション環境 (MAE) バージョン 1.0 をすでにインストールしていて、取り外し可能メディア (フロッピーディスクや CD-ROM) を OpenWindows のファイル・マネージャ・アプリケーションで使用する場合、/etc/rmmount.conf ファイルを編集しなければなりません。これによって、MAE は、ファイル・マネージャの取り外し可能メディアで正しく動作します。

/etc/rmmount.conf ファイルを変更するには

  1. su と入力し、次にパスワードを入力して、root ユーザになります。

  2. /etc ディレクトリに移動します。次のコマンドを入力して、Return キーを押します。

    # cd /etc 
    
  3. エディタで、/etc/rmmount.conf ファイルを開きます。

  4. #Actions の下にある次の行を、リストの最後に移動します。

       action floppy action_macfs.so

    たとえば、次のようになります。

       # more rmmount.conf
       # @(#)rmmount.conf 1.2     92/09/23 SMI
       #
       # Removable Media Mounter configuration file.
       #
       # File system identification
       ident hsfs ident_hsfs.so cdrom
       ident ufs ident_ufs.so cdrom floppy
       ident pcfs ident_pcfs.so floppy
       ident macfs ident_macfs.so floppy
       # Actions
       action cdrom action_filemgr.so
       action floppy action_filemgr.so
       action floppy action_macfs.so
  5. 保存して終了します。

    MAE をインストールすると、rmmount.conf ファイルに macfs action 行が追加されます。MAE のインストールを解除する場合、この行は削除されます。

    この変更によって、MAE で Macintosh のフロッピーを使用できるようになります。また、OpenWindows または CDE のファイル・マネージャ・アプリケーションでも取り外し可能メディアを使用できるようになります。しかし、MAE は、フォーマットしていないフロッピー、読めないフロッピー、および DOS フォーマットのフロッピーを認識できなくなります。このようなディスクはすべて、この設定手順に従って、OpenWindows のファイル・マネージャ・アプリケーションに渡されます。

    MAE で、フォーマットしていないフロッピー、読めないフロッピー、および DOS フォーマットのフロッピーを認識できるようにするには、action floppy action action_macfs.so 行を、action floppy action_filemgr.so 行の前に置かなければなりません。