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Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータ

Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータは、UPA (UltraSPARCTM Port Architecture) バスを使用した高解像度、高性能のグラフィックスフレームバッファーで、30 ビットカラーおよび 3D の高速化を実現します。このグラフィックスボードでは、動的マルチサンプリングによる平滑化および S-Video ポートだけでなく、2D や 3D のテクスチャーマッピングがハードウェアによって完全にサポートされています。

この章では、Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータの画面解像度とビデオ形式について説明します。また、マニュアルページおよびその他の関連するソフトウェア情報についても説明します。


モニターの画面解像度の変更

ほとんどの場合、Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータデバイスの画面解像度およびリフレッシュレートは、使用するモニターに合わせて自動的に設定されます。ただし、Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータデバイスにサン以外のモニターが接続されている場合は、誤った画面解像度に設定されることがあります。画面解像度を変更するには、fbconfig ユーティリティーを使用します。


マニュアルページ

Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータのマニュアルページでは、画面解像度、画像設定などのフレームバッファー属性の調査方法と設定方法について説明しています。

サンのグラフィックスアクセラレータの全般的な設定については、fbconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータデバイス固有の設定情報については、SUNWgfb_config(1M) を参照してください。fbconfig は、Solaris 8 および Solaris 9 オペレーティング環境に付属しています。SUNWgfb_config は、Solaris 9 オペレーティング環境に付属しています。Solaris 9 より前のオペレーティング環境を使用している場合は、Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータの CD に収録されているポストスクリプトファイル SUNWgfb_config.ps を参照してください。

マニュアルページの属性およびパラメタ情報を表示するには、help オプションを使用してください。

single-step bulletfbconfig のマニュアルページを表示するには、次のように入力します。

# man fbconfig

single-step bulletSUNWgfb_config のマニュアルページを表示するには、次のように入力します。

# man SUNWgfb_config


JumpStart を使用する場合に重要な情報

Solaris 8 オペレーティング環境用の Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータパッケージを JumpStartTM サーバーに追加する場合は、まず、次のパッチを次に示す順序でインストールする必要があります。これらのパッチは、取り付けキットに含まれている CD の、XVR-1000/Solaris_8/Patches に収録されています。

1. 112334-01

2. 108528-13

3. 109888-16

このソフトウェアパッケージを Solaris 8 2/02 オペレーティング環境の JumpStart イメージに追加する場合は、パッチ 109888-16 だけが必要です。また、Solaris 9 オペレーティング環境には、必要なパッチはありません。必要なパッチを適用したあとで、Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータパッケージを次の順序でインストールします。

1. SUNWgfb.u

2. SUNWgfbx.u

3. SUNWgfbw

4. SUNWgfbr

5. SUNWgfbcf


画面解像度

Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータは、サポートされるすべての解像度で、完全な 30 ビット 3D (ダブルバッファーまたは Z バッファー) グラフィックスをサポートします。表 11-1 に、Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータでサポートされる画面解像度を示します。コマンド行で
fbconfig -dev /dev/fbs/gfb0 -res \? を入力すると、使用しているディスプレイ装置で使用できる解像度の一覧が表示されます。

表 11-1 Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータの画面解像度

画面

解像度

リフレッシュ

レート (Hz)

標準

縦横比の形式

1920 × 1200

60d

Sun

16:10

1920 × 1200

70, 75

Sun

16:10

1920 × 1080

60d

Sun

16:9

1920 × 1080

72

Sun

16:9

1792 × 1344

60, 75

VESA

4:3

1600 × 1280

76

Sun

5:4

1600 × 1200

60d

Sun

4:3

1600 × 1200

60, 75

VESA

4:3

1600 × 1024

60

Sun

16:10

1600 × 1000

66, 76

Sun

16:10

1440 × 900

76

Sun

16:10

1280 × 1024

96s, 112s

Sun stereo

5:4

1280 × 1024

108s (デジタルのみ)

Sun stereo

5:4

1280 × 1024

60, 75, 85

VESA

5:4

1280 × 1024

67, 76

Sun

5:4

1280 × 800

112s

Sun stereo

16:10

1280 × 800

76

Sun

16:10

1280 × 768

56

Sun

5:3

1152 × 900

120s

Sun stereo

5:4

1152 × 900

66, 76

Sun

5:4

1024 × 800

84

Sun

4:3

1024 × 768

77

Sun

4:3

1024 × 768

60, 70, 75

VESA

4:3

960 × 680

108s, 112s

Sun stereo

14:10

800 × 600

75

VESA

4:3

768 × 575

50i

PAL (RGB)

4:3

640 × 480

180fsc

Sun

4:3

640 × 480

60, 72, 75

VESA

4:3

640 × 480

60i

NTSC (RGB)

4:3

640 × 480

60i

NTSC (Comp)

4:3

640 × 480

50i

PAL (Comp)

4:3




注 - リフレッシュレートに「d」が付いている解像度は、液晶パネルやほかのデジタルデバイスにのみ適しています。これらのリフレッシュレートでは、CRT およびほかのアナログデバイスに適さない消去期間が削減されています。

リフレッシュレートに「fsc」が付いている解像度は、特定の「フィールドシーケンシャルカラー」ディスプレイでのみ使用されます。





注 - Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータは、ビデオ情報用の 2 つのストリームをサポートします。




複数のフレームバッファーの構成

複数のフレームバッファーを動作させる場合は、/etc/dt/config/Xservers ファイルを編集する必要があります。Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータデバイスは、gfbx の形式で表します。たとえば、Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータデバイスが 2 つ存在する場合は、gfb0 および gfb1 になります。次の手順に従って、ファイルを編集します。

1. スーパーユーザーになって、/etc/dt/config/Xservers ファイルを開きます。

# cd /etc/dt/config
# vi Xservers

/etc/dt/config/Xservers ファイルが存在しない場合は、/etc/dt/config ディレクトリを作成して、Xservers ファイルを /usr/dt/config/Xservers から /etc/dt/config へコピーします。

# mkdir -p /etc/dt/config
# cp /usr/dt/config/Xservers /etc/dt/config
# cd /etc/dt/config
# vi Xservers

2. 適切なフレームバッファーデバイスの位置を追加して、ファイルを修正します。次の例を参照してください。

  • 1 枚の Sun Creator ボードおよび 1 枚の Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータで構成される場合は、Xservers 構成ファイルを次のように編集します。
  • :0 Local local_uid@console root /usr/openwin/bin/Xsun -dev /dev/fbs/ffb0 -dev /dev/fbs/gfb0
    

  • 2 枚の Creator3D ボードを取り外し、1 枚の Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータを取り付ける場合は、Xservers 構成ファイルを次のように編集します。
    • 変更前の Xservers 構成ファイルの内容は次のとおりです。2 枚の Creator3D ボードが構成されています。
    • :0 Local local_uid@console root /usr/openwin/bin/X -dev /dev/fb0 defdepth 24 -dev /dev/fb1 defdepth 24
      

    • 変更後の Xservers 構成ファイルの内容は次のとおりです。1 枚の Sun
      XVR-1000 グラフィックスアクセラレータが構成されています。
    • :0 Local local_uid@console root /usr/openwin/bin/X -dev /dev/fb
      

Xservers ファイルから defdepth 24 が削除されたため、X サーバーによるアプリケーションの性能低下は解消されます。

3. Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータのハードウェアを取り付けます

『Sun XVR-1000 グラフィックスアクセラレータインストールマニュアル』を参照してください。

4. ok プロンプトからシステムを起動します。

ok プロンプトを表示させるには、システムを停止 (Stop-A) します。

ok boot -r