名前 | 形式 | 機能説明 | 使用例 | 使用上の注意事項 | 関連項目
/usr/lib/wnn/ja_JP/uumkey
uumkey は、日本語入力時のキーの設定ファイルです。各ユーザーが uumkey を設定することで、ユーザー独自のキー操作が可能です。セミコロン (;) またはコロン (:) で始まる行は、コメントになります。
キーコード [キーコード ....]
キーコードの表記の仕方は、8 進数、10 進数、16 進数が使用できプログラミング言語 C における表記に準じます。また、コントロールキーについては、次のような略記法が使用できます。
文字 | 表記法 |
CTRL_A | ‸A |
1 つの機能に対してコードを最大 10 個まで書くことができます。同じ機能を 2 度セットした場合には後のものが優先されます。1 つの機能を複数のキーにバインドする時は、1 度に設定してください。ただし、同じモードで作動する複数の機能を同じキーにバインドすることはできません。
各機能エントリには、その機能が動作可能であるモードが決められています。モードには、モード番号に対応して、次のようなものがあります。
操作モード | 内容 |
---|---|
0 | 変換後の変換結果を修正しているモード |
1 | 変換前の文字を入力しているモード |
2 | 変換後に文節の長さを伸縮するモード |
3 | バッファーに何も文字が入っていないモード |
4 | カーソルを動かしながら、何か候補を選択する時のモード (すなわち、次候補選択や、ユーティリティーモード、登録時の品詞や辞書を選択する時のモード) |
5 | 楽々入力のモード |
エントリ名の最後に _e が付いたエントリは、 _e が付いていない同じ名前のエントリと同じ機能がバッファーが空の状態 (モード 3) においても作動します。rubout の働きをするキーの設定は、 キーバインドしなければ、uum を起動した tty の erase 文字の設定に従います。
以下に設定できるエントリ名とその機能を説明します。
表 1 基本機能エントリ機能エントリ | 操作モード | 機能 |
---|---|---|
henkan_on | 01234 | 変換モードの on/off を変更する。変換モード off では、ローマ字かな変換オートマトンも同時に切り離される。henkan_on のエントリに設定するコードには、cvt_xim_tbl やオートマトンによるキーコード変換の出力コードを指定できない |
quote_keyin | 01234 | 次の入力文字をクオートする。henkan_on でバインドされたコードを入力するための非常手段として用意されている |
send_string | 012 | 変換行内の文字列に、この機能がバインドされているコードを付け加えた文字列を、アプリケーションに送る |
kakutei | 0125 | 変換行内の文字列をアプリケーションに送る |
one_char_kakutei | 012 | 先頭の 1 文字を確定する |
one_char_no_henkan | 01 | 先頭の 1 文字を変換しない |
forward_char | 1 | 1 文字右へカーソルを移動する |
backward_char | 1 | 1 文字左へカーソルを移動する。ただし、一度変換して途中から解除してある場合は、カーソルが解除してある部分の一番左にある状態でこの機能が呼ばれると、連文節変換をしてから 1 つ左の文節へ移る |
goto_top_of_line | 1 | 行の先頭の文字へカーソルを移動する |
goto_end_of_line | 1 | 行の後端の文字へカーソルを移動する |
delete_char_at_cursor | 15 | カーソルの位置の文字消去。楽々入力モードの場合は、楽々入力の候補一覧からカーソル位置の候補を消去する |
kaijo | 02 | カーソルの位置の文節以降の変換された文字列を、変換される前の状態に戻す |
henkan | 1 | 連文節変換を行う |
tan_henkan | 1 | 単文節変換を行う |
nobi_henkan | 2 | 文節の伸縮時に、反転している部分を単文節変換して、それ以降を連文節変換する |
jikouho | 0 | 次候補を表示する |
zenkouho | 0 | 前候補を表示する |
select_jikouho | 0 | 次候補一覧を表示する |
kana_henkan | 1 | 漢字かな変換を行なう。ただし、逆引き形式辞書 (登録可能形式で、漢字 -> かな変換が行える) の使用時のみ有効 |
kill | 1 | カーソル以降 (カーソル位置を含む) の文字列を消去して、キルバッファーに蓄積する |
yank | 1 | キルバッファーの内容を、カーソルの位置に挿入する |
yank_e | 13 | キルバッファーの内容を、カーソルの位置に挿入する |
bunsetu_nobasi | 0 | 文節の長さを 1 文字長くする |
bunsetu_chijime | 0 | 文節の長さを 1 文字短くする |
sainyuuryoku | 1 | 前に入力されたかな文字列に置き換える |
sainyuuryoku_e | 13 | 前に入力されたかな文字列に置き換える |
kuten | 1 | 区点コード入力画面を表示する |
kuten_e | 13 | 区点コード入力画面を表示する |
jis | 1 | JIS コード入力画面を表示する |
jis_e | 13 | JIS コード入力画面を表示する |
sjis | 1 | SJIS コード入力画面を表示する |
sjis_e | 13 | SJIS コード入力画面を表示する |
kuten2 | 13 | 補助区点コード入力画面を表示する |
jis2 | 13 | 補助 JIS コード入力画面を表示する |
unicode_input | 13 | Unicode コード入力画面を表示する |
next_ku_kuten | 4 | 区点一覧表で次の区点を表示する |
previous_ku_kuten | 4 | 区点一覧表で前の区点を表示する |
next_page | 4 | 候補一覧 (区点一覧含む) 表示画面で次ページを表示する |
previous_page | 4 | 候補一覧 (区点一覧含む) 表示画面で前ページを表示する |
redraw_line | 0124 | 変換行の書き直しを行う |
redraw_line_e | 01234 | 変換行の書き直しを行う |
previous_history | 1 | ヒストリに記憶されている 1 つ前の文字列に置き換える |
previous_history_e | 13 | ヒストリに記憶されている 1 つ前の文字列に置き換える |
next_history | 1 | ヒストリに記憶されている 1 つ後の文字列に置き換える |
next_history_e | 13 | ヒストリに記憶されている 1 つ後の文字列に置き換える |
all_history | 1 | ヒストリに蓄えられているすべての文字列を次候補として一覧を出す |
all_history_e | 13 | ヒストリに蓄えられているすべての文字列を次候補として一覧を出す |
quit | 45 | 候補一覧などのウインドウを閉じる |
change_to_insert_mode | 0 | 変換された文字列を、もう一度編集できる状態にする。ここで、変換された漢字は、かなには戻せない |
quote | 1 | 次の入力文字が、henkan_on 以外の文字なら、それを quote する。即ち、次の入力文字を、ローマ字かな変換に通さずに、キーバインドされている機能があってもそれを無効として、直接変換行に入れる |
quote_e | 13 | 次の入力文字が、henkan_on 以外の文字なら、それを quote する。即ち、次の入力文字を、ローマ字かな変換に通さずに、キーバインドされている機能があってもそれを無効として、直接変換行に入れる |
forward_select | 4 | 次候補など候補を選択するモードで、反転部分を右に移動させる |
backward_select | 4 | 次候補など候補を選択するモードで、反転部分を左に移動させる |
next_select | 4 | 次候補など候補を選択するモードで、次の画面に移動する |
previous_select | 4 | 次候補など候補を選択するモードで、前の画面に移動する |
linestart_select | 4 | 次候補など候補を選択するモードで、画面の先頭に移動する |
lineend_select | 4 | 次候補など候補を選択するモードで、画面の最後に移動する |
select_select | 4 | 次候補など候補を選択するモードで、候補選択と同時にそのモードから抜ける |
send_ascii_char | 01234 | それ以降バッファーが空の時にアスキー文字が入力された時に、それをバッファーに蓄積しないようにする |
not_send_ascii_char | 01234 | それ以降バッファーが空の時にアスキー文字が入力された時に、それをバッファーに蓄積するようにする |
toggle_send_ascii_char | 01234 | それ以降バッファーが空の時にアスキー文字が入力された時に、動作をその時の動作と反対の状態にする |
quote_send_ascii_char | 3 | send_ascii_char モードの時で、バッファーが空の時に次のアスキー文字をバッファーに蓄積する。それ以降のバッファーが空の時にはバッファーに蓄積しないようにする |
reconnect_jserver | 01234 | jserver との再接続を行う |
表 2 キーバインド細分化
機能エントリ | 操作モード | 機能 |
---|---|---|
forward_bunsetsu | 0 | 1 文節右へ移動する。未定義の場合は forward_char と同じキーコードにする |
henkan_forward | 2 | 反転している部分を単文節変換にして、それ以降を連文節変換して、1 つ右の文節に移動する。未定義の場合は forward_char と同じキーコードにする |
backward_bunsetsu | 0 | 1 文節左へ移動する。未定義の場合は backward_char と同じキーコードにする |
henkan_backward | 2 | 反転している部分を単文節変換にして、それ以降を連文節変換して、1 つ左の文節に移動する。未定義の場合は backward_char と同じキーコードにする |
top_bunsetsu | 0 | 行の先頭の文節へ移動する。未定義の場合は goto_top_of_line と同じキーコードにする |
end_bunsetsu | 0 | 行の後端の文節へ移動する。未定義の場合は goto_end_of_line と同じキーコードにする |
jmptijime | 2 | 行の先頭の文字へ移動する。未定義の場合は goto_top_of_line と同じキーコードにする |
c_end_nobi | 2 | 行の後端の文字へ移動する。未定義の場合は goto_end_of_line と同じキーコードにする |
forward | 2 | 文節の長さを 1 文字分長くする。未定義の場合は bunsetu_nobasi と同じキーコードにする |
tijime | 2 | 文節の長さを 1 文字分短くする。未定義の場合は bunsetu_chijime と同じキーコードにする |
rubout | 1 | rubout キー。カーソルの左位置の文字消去。rubout は romkan にも使用されるので、キーコードの指定は 1-byte の範囲で動的変更できないに制限される |
touroku | 012 | 単語登録画面を表示する |
touroku_e | 0123 | 単語登録画面を表示する |
bushu_e | 0 | 部首入力画面を表示する |
tankan_henkan | 01 | 単漢字変換を行う |
select_ikeiji_dai | 01 | 異形字変換を行う |
zip_henkan | 012 | 郵便番号変換を行う |
tel_henkan | 012 | 電話番号変換を行う |
select_assoc_dai | 0 | 連想変換を行う。類義語、同義語を表示する |
hankaku | 012 | 入力文字を半角に変換する |
eisuu | 012 | 入力文字を英数字に変換する |
hiragana | 012 | 入力文字をひらがなに変換する |
katakana | 012 | 入力文字をカタカナに変換する |
eg_Aa_henkan_big_loop | 012 | ひらがな -> カタカナ -> 半角カタカナ -> 全角英数字 -> 半角英数字の変換を繰り返す |
eg_Aa_henkan_small_loop | 012 | ひらがな -> カタカナ -> 半角カタカナの変換を繰り返す |
reverse_conv | 13 | 逆引き変換画面を表示する |
codelist | 13 | コード一覧画面を表示する |
unicode_codelist | 13 | Unicode コード一覧画面を表示する |
greek | 13 | ギリシャ語一覧を表示する |
russian | 13 | ロシア語一覧を表示する |
kigou | 13 | 記号一覧を表示する |
yosoku_modein | 15 | 楽々入力候補を選択する |
; Commands Codes forward_char ^F 0x90 jikouho ^N 0x92 ^W 0x9E ;yank ^Y yank_e ^Y select_select 32 ^J ^M 0x9E 0x9F
コードとして取ることのできる数は、0 以上 512 未満の整数で、これには、キーボードで発生できるものと、そうでないものとがありますが、発生できるものはそのままコードを書くことができます。発生できないもの (128 以上の整数等) を使用する場合は、キーコード変換 (cvt_xim_tbl) 、あるいはオートマトンでそのコードを発生させる必要があります。
変換モード OFF とは一時的に Wnn8LE を切り離したのと同じ効果を上げるもので、ローマ字かな変換オートマトンも同時に切り離されます。henkan_on エントリに設定するコードには、キーコード変換の出力コードを指定できません。