名前 | 形式 | 機能説明 | 使用例 | 注意事項 | 関連項目
/usr/lib/wnn/ja_JP/wnnenvrc
wnnenvrc は、かな漢字変換の環境を設定するものです。エントリが重複した場合、setdic (辞書ファイルの指定) 以外は最後に指定したものが採用されます。setdic は、128 個まで設定できます。セミコロン (;) で始まる行はコメントになります。
このファイルで設定できるものは、以下のとおりです。
setdic <辞書ファイル名> <頻度ファイル名> <辞書プライオリティー> <辞書リードオンリーか否か> <頻度リードオンリーか否か> <辞書ファイルのパスワードの入っているファイル名> <頻度ファイルのパスワードの入っているファイル名> <仮名漢字変換 / 漢字仮名変換>
指定した辞書の頻度ファイル名を指定します。ハイフン (–) を指定すると辞書ファイル内の頻度を使用します。ファイル名の先頭で次のような指定ができます。
クライアント側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
辞書の優先度を 10 進数で指定します。
次のように指定します。
リードオンリー
テンポラリ学習
グループ辞書
マージ辞書
上記以外
リードオンリーを指定した場合、辞書ファイルの更新を行いません。
テンポラリ学習を指定した場合、ファイルセーブ時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書を複数ユーザーで同時に使用するときは、グループ辞書かマージ辞書で指定しておきます。
次のように指定します。
リードオンリー
テンポラリ学習
上記以外
リードオンリーを指定した場合、頻度ファイルの更新を行いません。
テンポラリ学習を指定した場合、ファイルセーブ時に、ディスクに情報を書き込みません。
辞書ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。
頻度ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。
仮名漢字変換の場合は 0 を、漢字仮名変換の場合は 1 を指定します。
引数の数が少ないとき、第 2 引数以降はデフォルトの値が使用されます。
– 5 0 0 – – 0
set_fi_system_dic <FI 関係システム辞書ファイル名> <FI 関係頻度ファイル名> <FI 関係頻度リードオンリーか否か> <FI 関係頻度ファイルのパスワードの入っているファイル名>
指定した FI 関係システム辞書の頻度ファイル名を指定します。ハイフン (–) を指定すると FI 関係頻度更新は行いません。ファイル名の先頭で次のような指定ができます。
クライアント側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
次のように指定します。
リードオンリー
テンポラリ学習
グループ辞書
上記以外
リードオンリーを指定した場合、FI 関係頻度の更新を行いません。
テンポラリ学習を指定した場合、ファイルセーブ時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書または頻度を複数ユーザーで同時に使用するときは、グループ辞書で指定しておきます。
FI 関係頻度ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。
set_fi_user_dic <FI 関係ユーザー辞書ファイル名> <FI 関係ユーザー辞書リードオンリーか否か> <FI 関係ユーザー辞書ファイルのパスワードの入っているファイル名>
FI 関係ユーザー辞書のファイル名の先頭で次のような指定ができます。
クライアント側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
次のように指定します。
リードオンリー
テンポラリ学習
グループ辞書
上記以外
リードオンリーを指定した場合、FI 関係ユーザー辞書の更新を行いません。
テンポラリ学習を指定した場合、ファイルセーブ時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書を複数ユーザーで同時に使用するときは、グループ辞書で指定しておきます。
FI 関係ユーザー辞書ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。
muhenkan_gakusyuu <無変換学習辞書ファイル名> <無変換学習辞書リードオンリーか否か> <無変換学習辞書プライオリティー> <無変換学習辞書ファイルのパスワードの入っているファイル名> <仮名漢字変換 / 漢字仮名変換>
無変換学習とは、ひらがな、カタカナ、ローマ字で候補を確定した場合、その候補を無変換学習辞書に自動的に登録することです。
無変換学習辞書ファイル名の先頭で次のような指定ができます。
クライアント側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
次のように指定します。
リードオンリー
テンポラリ学習
グループ辞書
上記以外
リードオンリーを指定した場合、無変換学習辞書の更新を行いません。
テンポラリ学習を指定した場合、ファイルセーブ時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書を複数ユーザーで同時に使用するときは、グループ辞書で指定しておきます。
辞書の優先度を、10 進数で指定します。
無変換学習辞書ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。
仮名漢字変換の場合は 0 を、漢字仮名変換の場合は 1 を指定します。
bunsetsugiri_gakusyuu <文節切り学習辞書ファイル名> <文節切り学習辞書リードオンリーか否か> <文節切り学習辞書プライオリティー> <文節切り学習辞書ファイルのパスワードの入っているファイル名> <仮名漢字変換 / 漢字仮名変換>
文節切り学習とは、確定時に文節を切り直したときに、切り直された箇所の前後の 2 文節を 1 つの候補として、文節切り学習辞書に登録することです。
文節切り学習辞書ファイル名の先頭で次のような指定ができます。
クライアント側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
jserver 側のファイルを使用
次のように指定します。
リードオンリー
テンポラリ学習
グループ辞書
上記以外
リードオンリーを指定した場合、文節切り学習辞書の更新を行いません。
テンポラリ学習を指定した場合、ファイルセーブ時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書を複数ユーザーで同時に使用するときは、グループ辞書で指定しておきます。
辞書の優先度を、10 進数で指定します。
文節切り学習辞書ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。
仮名漢字変換の場合は 0 を、漢字仮名変換の場合は 1 を指定します。
setfuzokugo auxiliary_word_file_name
setgrammar auxiliary_word_file_name
付属語ファイル名を指定します。
setparam number 0. . .number 16
10 個の変換パラメタ、および、疑似品詞の頻度を整数値で指定します。( ) 内は初期設定値です。
N (大) 文節解析のN (5)
大文節中の小文節の最大数 (10)
自立語の頻度に対する係数 (2)
小文節長に対する係数 (45)
自立語長に対する係数 (0)
使用ビットに対する係数 (80)
辞書に対する係数 (5)
小文節の評価値に対する係数 (1)
大文節長に対する係数 (20)
小文節数に対する係数 (0)
疑似品詞「数字」の頻度 (400)
疑似品詞「カナ」の頻度 (–100)
疑似品詞「英数」の頻度 (400)
疑似品詞「記号」の頻度 (80)
疑似品詞「閉括弧」の頻度 (200)
疑似品詞「付属語」の頻度 (2)
疑似品詞「開括弧」の頻度 (200)
confirm
このエントリ以降で指定された辞書、頻度ファイルが存在しない場合、ユーザーに対して新しく作るか否かの確認を行います。
confirm1
このエントリ以降で指定された辞書、頻度ファイルが存在しない場合、ユーザーに対して、新しく作るか否かの確認を 1 度だけ行い、それ以降はその値に従います。
create_without_confirm
このエントリ以降で指定された辞書、頻度ファイルが存在しない場合、無条件に新しく作ります。
no_create
このエントリ以降で指定された辞書、頻度ファイルが存在しない場合、新しく作りません。
saisyu_siyou last-useage_top-priority_processing_specification
最終使用最優先処理とは、同音異義語の中で直前に確定した候補を最初に出し、次候補リストには確定順に 6 つまで並べる処理です。最終使用最優先処理を行う場合は TRUE、行わない場合は FALSE を指定します。
fukugou_yuusen composite-word_priority_conversion_specification
複合語優先変換とは、付属語を含まない候補を優先する(「東京 – と」より「東京都」を優先する) 変換です。複合語優先変換を行う場合は TRUE、行わない場合は FALSE を指定します。
okuri_kijun Okurigana_processing_rule
送り基準処理とは、送り仮名のみ異なる候補 (「行う」と「行なう」) の変換を行うとき、指定された法則 (本則、送る、送らない) に一致する候補を最初に出す処理です。送り基準処理で本則候補を出す場合は REGULATION、 送る候補を出す場合は YES、 送らない候補を出す場合は NO を指定します。
settou_kouho initial_prefix_candidate
接頭語初期候補でひらがな候補を出す場合は HIRAGANA、漢字候補を出す場合は KANJI を指定します。
rendaku euphonic_change_processing_specification
連濁処理とは、連濁する候補 (会社「がいしゃ」) を最初に変換に使用しない処理です。連濁処理をを行う場合は TRUE、 行わない場合は FALSE を指定します。
yuragi long_vowel/alternate_spelling_processing_specification
長音・ゆらぎ処理とは、長音・ゆらぎを含む読み (「はなじ」を「鼻血」、「ほーほー」を「方法」) でも変換を行えるようにする処理です。長音・ゆらぎ処理を行う場合は TRUE、行わない場合は FALSE を指定します。
okuri_gakusyu Okurigana_process_learning
送り基準学習とは、直前に確定した送り基準法則を学習し、次回の変換に反映する処理です。送り基準学習を行う場合は TRUE、行わない場合は FALSE を指定します。
settou_gakusyu prefix_learning_specification
接頭語学習とは、直前に確定した接頭語候補情報(ひらがな、漢字)を学習し、次回の変換に反映する処理です。接頭語学習を行う場合は TRUE、 行わない場合は FALSE を指定します。
setubi_gakusyu suffix_learning_specification
接尾語学習とは、直前に確定した接尾語候補情報 (送る、送らない) を学習し、次回の変換に反映する処理です。接尾語学習を行う場合は TRUE、行わない場合は FALSE を指定します。
hanyou_gakusyu general_learning_specification
一般語学習とは、直前に確定した一般語候補情報 (ひらがな、カタカナ、漢字) を学習し、次回の変換に反映する処理です。一般語学習を行う場合は TRUE、行わない場合は FALSE を指定します。(一般語の例:子供、子ども、こども)
hindo_kakuritu Wnn8_frequency_increase_coefficient
Wnn8 頻度学習方法で、すぐ学習にする場合は HIGH、 普通学習にする場合は NORMAL、じわじわ学習にする場合は LOW、必ず学習する場合は ALWAYS、学習しない場合は NOT を指定します。
fi_hindo_kakuritu FI-related frequency_increase_coefficient
FI 関係頻度学習方法で、すぐ学習にする場合は HIGH、普通学習にする場合は NORMAL、じわじわ学習にする場合は LOW、必ず学習する場合は ALWAYS、学習しない場合は NOT を指定します。
use_hinsi part_of_speech_for_conversion_1 part_of_speech_for_conversion_2. . .
変換に使用する品詞名のリストを、空白文字またはタブで区切って指定します。
unuse_hinsi part_of_speech_not_used_1 part_of_speech_not_used_2. . .
変換に使用しない品詞名のリストを、空白文字またはタブで区切って指定します。
giji_number pseudo-number_initial_conversion_candidate
疑似数字の変換初期候補を指定します。
単位付きの漢数字にします
単位付きの旧漢数字にします
コンマ付きの半角数字にします
コンマ付きの全角数字にします
コンマなしの半角数字にします
コンマなしの全角数字にします
単位なしの漢数字にします
giji_eisuu pseudo_alphabet_initial_converson_candidate
疑似アルファベットの変換初期候補を、半角にする場合は HAN、全角にする場合は ZEN を指定します。
giji_kigou pseudo_symbol_initial_converson_candidate
疑似記号の変換初期候補を、半角にする場合は HAN、JIS候補にする場合は JIS、ASCII 候補にする場合は ASC を指定します。
kutouten period_input_mode
句読点入力モードを「、」「。」にする場合は TRUE、「,」「.」にする場合は FALSE を指定します。
kakko parenthesis_input_mode
括弧入力モードを「」にする場合は TRUE、[ ]にする場合は FALSE を指定します。
kigou symbol_input_mode
記号入力モードを「・」にする場合は TRUE、「/」にする場合は FALSE を指定します。
yosoku_use easy_input_mode_setting
楽々入力を使用する場合は TRUE、使用しない場合は FALSE を指定します。
yosoku_max_disp number_of_easy_input_candidate_lists
楽々入力候補一覧の表示数を、1 から 10 の範囲で指定します。
yosoku_realtime easy_input_candidate_auto
楽々入力候補を自動で表示させる場合は TRUE、表示させない場合は FALSE を指定します。
boin_kabusoku when_vowel_excess_and_deficiency_input_correct_setting
母音過不足時の入力補正を行なう場合は TRUE、行なわない場合は FALSE を指定します。
shiin_choka when_consonant_exceed_input_correct_setting
子音超過時の補正を行なう場合は TRUE、行なわない場合は FALSE を指定します。
n_choka when_N_exceed_input_correct_setting
N (ん) 超過時の補正を行なう場合は TRUE、行なわない場合は FALSE を指定します。
nihongo_kousei Japanese_proofread_setting
日本語校正を行なう場合は TRUE、行なわない場合は FALSE を指定します。
setdic、setjishopath、sethindopath の引数内では、最初の @USR を起動ユーザー名に展開します。
setdic usr/@USR/ud - 15 0 0 - - 0 setdic system/kihon.dic usr/@USR/kihon.h 6 1 0 - - 0 set_fi_user_dic usr/@USR/fiud 0 -
辞書、頻度のファイルは、Wnn8LE が接続する jserver が起動しているマシン上のファイル名を指定します。指定したユーザー辞書、頻度ファイルが存在しない場合、jserver 起動マシン上に作成されます。