Solaris 10 OS のインストール時またはインストール後に発生するバグ情報について説明します。
Solaris 10 OS のインストールが完了し、システムがリブートするとき、次のような Java エラーメッセージが生成されることがあります。このようなメッセージは、コンソールに表示されるか、/var/adm/messages ファイルに記録されます。
java[16552]: [ID 874347 user.error] libpkcs11: open /var/run/kcfd_door: No such file or directory java[16552]: [ID 523743 user.error] libpkcs11: /usr/lib/security/pkcs11_softtoken.so unexpected failure in ELF signature verification. System may have been tampered with. Cannot continue parsing /etc/crypto/pkcs11.conf java[16580]: [ID 874347 user.error] libpkcs11: open /var/run/kcfd_door: No such file or directory java[16580]: [ID 523743 user.error] libpkcs11: /usr/lib/security/pkcs11_softtoken.so unexpected failure in ELF signature verification. System may have been tampered with. Cannot continue parsing /etc/crypto/pkcs11.conf |
回避方法: ありません。このエラーメッセージは無視してください。
インストール中にシステムによってディスクが排出され、インストールが失敗することがあります。このエラーは、Solaris 10 インストールディスクからブートする場合に発生します。インストールディスクは、Solaris 10 Operating System DVD または Solaris 10 SOFTWARE - 1 CD のどちらかです。システムをブートしたあと、Solaris フラッシュアーカイブをネットワークからインストールしようと試みたときです。
この問題は、次の 2 つの状況で発生します。
DVD または CD のインストールディスクから Solaris GUI インストールプログラムを実行している場合で、システムに対して無効な Solaris フラッシュアーカイブを指定したとき。たとえば、SPARC ベースのシステムへのインストール中に x86 アーカイブのパスを指定すると、このエラーが発生します。ディスクが排出されたあと、次のようなエラーメッセージがコンソールウィンドウに表示されることがあります。
/sbin/install-solaris: rm: cannot execute /sbin/install-solaris: date: cannot execute /sbin/install-solaris: gettext: cannot execute. |
Solaris 10 インストールディスクから Solaris テキストインストーラをコンソールセッションで実行し、Solaris フラッシュアーカイブをネットワークから正常にインストールした場合。ディスクが排出されたあと、次のようなエラーメッセージがコンソールウィンドウに表示されることがあります。
/sbin/setup-launcher[310]: 1356 Killed /sbin/setup-launcher[315]: 1357 Killed |
回避方法 1: 無効なアーカイブによってエラーが発生した場合は、エラーの原因に応じて次のいずれかを実行してください。
GUI インストールプログラムを使用して、インストールを再実行します。有効なアーカイブのパスを指定します。
ウィンドウ表示環境のデスクトップセッションでテキストに基づいたインストーラを使用して、アーカイブをインストールします。
SPARC ベースのシステムの場合は、ok プロンプトで boot cdrom -text と入力します。
x86 ベースのシステムの場合は、インストールの種類を選択するよう求めるプロンプトが表示されたら、「3 Solaris Interactive Text (Desktop session)」を選択します。
回避方法 2: テキストに基づいたインストーラをコンソールセッションで使用したあとにエラーが発生した場合は、次のいずれかを実行してください。
コンソールセッションではなく、ウィンドウ表示環境のデスクトップセッションでテキストに基づいたインストーラを使用します。
SPARC ベースのシステムの場合は、ok プロンプトで boot cdrom -text と入力します。
x86 ベースのシステムの場合は、インストールの種類を選択するよう求めるプロンプトが表示されたら、「3 Solaris Interactive Text (Desktop session)」を選択します。
システムによってディスクが排出されたあとに、次の手順を実行します。
Solaris 10 OS の初期インストール後、システムの最初のリブート時に kdmconfig プログラムが 2 回実行されることがあります。この最初の起動時に、プログラムが起動するたびに X サーバーの選択を求めるプロンプトが表示されます。この状況は、X サーバーを使用するように構成されていない x86 ベースのシステムで発生します。たとえば、グラフィックスディスプレイを使用していない「ヘッドレス」システムは、そのようなシステムの一例です。
回避方法: プログラムが起動して X サーバーの選択を求めるプロンプトが表示されたら、そのたびに F3_Exit キーを押します。起動処理が再開されるまでに少し時間がかかる場合もあります。この最初の起動が完了したら、それ以降はシステムをリブートしてもこの問題は発生しなくなります。
カスタム JumpStart インストール方式を使用して x86 ベースのシステムへのインストールを行う場合は、スライス 2 をオーバーラップスライスとして明示的に構成すると、エラーが発生します。インストールの完了後に、システムが正常にリブートされません。次のエラーメッセージが表示されます。
Cannot find Solaris partition |
オーバーラップスライス 2 (c0t0d0s2 など) は、シリンダ 0 ではなくシリンダ 1 から始まるように設定されるので、この失敗が発生します。
回避方法: カスタム JumpStart プロファイルで、スライス 2 をオーバーラップスライスとして構成する filesys キーワードエントリを削除します。たとえば、次のようなキーワードエントリを削除します。
filesys c0t0d0s2 all overlap |
エントリを削除したあと、カスタム JumpStart インストールを実行します。
Solaris 10 ソフトウェアをインストールすると、/var/sadm/system/logs および /var/sadm/install/logs にある install_log ファイルが不完全になることがあります。システムに正常に追加されたパッケージに関する情報や、パッケージの追加時に発生したエラーが、これらのログに記録されないことがあります。このため、インストールやアプリケーションの問題の障害追跡を行うための情報源として install_log ファイルを使用できません。
回避方法: アプリケーションが正常に動作しない場合に、install_log ファイルをアプリケーションパッケージがインストールされたかどうかの確認には使用できません。次の手順を実行します。
Solaris Product Registry を調べて、どのパッケージがアプリケーションで使用されているかを確認します。
# prodreg |
pkginfo コマンドを使用して、これらのパッケージのうちで部分的にインストールされたものがないか確認します。
# pkginfo -p package-name |
上記のコマンドで出力された各パッケージを削除します。
# pkgrm options package-name |
各パッケージを再インストールします。
# pkgadd options package-name |
Solaris 10 Operating System DVD から Solaris をインストールする場合、対話式 GUI インストールは失敗することがあります。この失敗は、システムで boot-device 構成変数が設定されていない場合に発生します。
boot-device 構成変数が設定されているかどうかを調べるには、次のコマンドを入力します。
# prtconf -pv | grep boot-device |
このコマンドの出力が boot-device: のみで、関連付けられたデバイスがない場合、対話式 GUI インストールプログラムを使用して Solaris 10 Operating System DVD からインストールを行うことはできません。
回避方法: 対話式テキストインストーラを使用して Solaris 10 ソフトウェアをインストールしてください。インストールプログラムで、インストールの種類を選択するよう求められたら、オプション 3 の「Solaris Interactive Text (Desktop Session)」を選択します。
Solaris 10 Operating System DVD からインストールする方法の詳細については、『Solaris 10 インストールガイド (基本編)』を参照してください。
Solaris インストールプログラムを使用して Solaris 10 ソフトウェアをインストールすると、いくつかの情報および SunSM Remote Services (SRS) Net Connect ソフトウェアの終了パネルが適切に表示されないことがあります。
インストールパネルのフレームおよび「取消し」ボタンは表示されますが、インストールパネルの内容が表示されません。
この問題は、この Solaris OS リリースに含まれているほかのソフトウェア製品を Solaris インストールでインストールしている場合にも発生することがあります。
回避方法: 次の手順を実行します。
空のインストールパネルが表示されたら、「取消し」ボタンをクリックして、SRS Net Connect インストールを省略します。
Solaris 10 ソフトウェアのインストールが完了したあとで、SRS Net Connect ソフトウェアを Solaris 10 Operating System DVD または Solaris 10 SOFTWARE - 2 CD から手動でインストールします。
最初に Solaris 10 ソフトウェアインストールを完了したあとで SRS Net Connect ソフトウェアをインストールすると、すべてのパネルが正しく表示されます。
一部の Dell Precision ワークステーションでは、インストール中に USB キーボードがフリーズしたり部分的に機能しなくなったりして、インストールを実行できなくなることがあります。
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
ファームウェアの USB エミュレーションモードを切り替えます。
PS/2 キーボードに切り替えます。
リブートして再試行します。
あるいは、システムの BIOS を更新して問題を解決してください。
Solaris 10 OS をインストールしたとき、/devices/pseudo 名前空間のアクセス権が不適切に設定されることがあります。その場合、システムが一部のシステムデバイスにアクセスできなくなります。Solaris フラッシュアーカイブを使用してクローンシステムに Solaris 10 OS をインストールした場合にも、同様の名前空間アクセス権エラーが発生します。
インストール後に SUNWcsd パッケージに対して pkgchk -n コマンドを実行すると、次のようなメッセージが表示されます。
# pkgchk -n SUNWcsd ERROR: /devices/pseudo/cvc@0:cvc pathname does not exist unable to create character-special device ERROR: /devices/pseudo/cvcredir@0:cvcredir pathname does not exist unable to create character-special device |
Solaris フラッシュアーカイブを使用してクローンシステムに Solaris 10 OS をインストールした場合、上記のコマンドを実行すると、次のようなエラーメッセージが表示されます。
# pkgchk -n SUNWcsd ERROR: /dev group name sys expected <(null)> actual ERROR: /devices/pseudo/clone@0:eri permissions <0666> expected <0600> actual ERROR: /devices/pseudo/clone@0:ibd permissions <0666> expected <0600> actual ERROR: /devices/pseudo/cvc@0:cvc pathname does not exist ERROR: /devices/pseudo/cvcredir@0:cvcredir pathname does not exist |
Solaris フラッシュインストールの場合も、SUNWcsr パッケージについて上記と同様のエラーメッセージが表示されます。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: SUNWcsd Core Solaris Devices パッケージに対して pkgchk -nf コマンドを実行します。この回避方法は、Solaris 10 OS を CD または DVD メディア、あるいはネットワークインストールイメージからインストールした場合に適用されます。
# pkgchk -nf SUNWcsd |
回避方法 2: この回避方法は、Solaris フラッシュアーカイブを使用して Solaris 10 OS をインストールするクローンシステムに適用されます。アーカイブをインストールする前に、次の手順を実行します。
マスターシステム上に /etc/flash/reboot ディレクトリを作成します。
# mkdir -p /etc/flash/reboot # |
マスターシステム上で、次のスクリプトをテキストエディタで作成します。
#! /usr/bin/sh # echo " Doing pkgchk -nf SUNWcsd" pkgchk -nf SUNWcsd echo " Doing pkgchk -nf SUNWcsr" pkgchk -nf SUNWcsr exit 0 |
このスクリプトを pkgchk.cleanup というファイル名で /etc/flash/reboot ディレクトリに保存します。
pkgchk.cleanup スクリプトが実行可能であることを確実にします。
# cd /etc/flash/reboot # chmod a+x pkgchk.cleanup |
Solaris フラッシュアーカイブを作成します。
アーカイブをクローンシステムにインストールします。
ただし、Solaris フラッシュアーカイブを使用してすでに Solaris 10 OS をインストールしている場合は、次の手順を実行してエラーを解決してください。
SUNWcsd Core Solaris Devices パッケージに対して pkgchk -nf コマンドを実行します。
# pkgchk -nf SUNWcsd |
クローンシステム上で、SUNWcsr Core Solaris (Root) パッケージに対して pkgchk -nf コマンドを実行します。
# pkgchk -nf SUNWcsr |
ネットワークイメージを使用して Solaris をインストールできます。Solaris 10 SOFTWARE CD を組み合わせてイメージを作成した場合は、次のメッセージが表示される場合があります。
Error message: Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on udp Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on tcp Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on ticlts Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on ticotsord Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on ticots Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 447212 daemon.error] statd: unable to create (SM_PROG, SM_VERS) for netpath. |
回避方法: ありません。このメッセージは無視してください。システムのブート後、ネットワークファイルシステム (NFS) は正常に機能します。
複数のネットワークインタフェースを持つシステムに Solaris 10 リリースをインストールまたはアップグレードした場合、システムはすべてのシステムインタフェースが使用可能であると認識します。つまり、ネットワークに接続されていない、あるいは使用する予定のないインタフェースが ifconfig -a コマンドの出力に表示されます。さらに、同じ Ethernet アドレスを持つインタフェースに同じ IP アドレスが割り当てられることがあります。次のエラーメッセージが表示されます。
ifconfig: setifflags: SIOCSLIFFLAGS: qfe3: Cannot assign requested address |
この問題は、local-mac-address
PROM 変数が false に設定されているシステム上でも発生します。この問題が発生するのは、すべてのインタフェースが同じ IP アドレスで構成されるためです。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
構成されたインタフェースだけを使用するには、初期ブート後にシステムをリブートします。
各ネットワークインタフェースに異なる IP アドレスを割り当てるには、次のいずれかの方法で local-mac-address
PROM 変数を true に設定します。
ok プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ok setenv local-mac-address? true |
スーパーユーザーとして、次のコマンドを端末ウィンドウに入力します。
# eeprom local-mac-address?=true |
インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力される可能性があります。
Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated. |
または
Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated |
この警告メッセージは、作成中のファイルシステムのサイズと使用しているディスク上の容量が等しくない場合に表示されます。この場合、ディスク上に、作成中のファイルシステムには取り込まれない未使用の領域ができます。この未使用のディスク領域は、ほかのファイルシステムに割り当てることはできません。
回避方法: この警告メッセージは無視してください。