Solaris 10 ご使用にあたって

ネットワーク接続に関する注意事項

Solaris 10 リリースのネットワーク接続に関するバグ情報について説明します。

SPARC: 32 ビットコンパイルと 64 ビットコンパイルで RTM_IFINFO メッセージのサイズが異なっている

PF_ROUTE ソケットを作成し、if_msghdr_t 構造体に含まれる RTM_IFINFO メッセージの内容を解析する 64 ビットのプログラムは、再コンパイルしないと正しく動作しないことがあります。

Solaris 10 OS では IP 転送がデフォルトで無効になっている

この Solaris リリースでは、IP 転送はデフォルトで無効になっています。この設定は、ほかのシステム構成に関係なくIPv4 と IPv6 の両方に適用されます。以前はデフォルトで IP パケットを転送していた複数の IP インタフェースを持つシステムには、もうこの自動機能はありません。マルチホームシステムでの IP 転送を有効にするには、管理者は手動でいくつかの設定手順を実行する必要があります。

回避方法: コマンド routeadm を実行して IP 転送を有効にできます。routeadm を使用して行われた構成変更は、システムのリブート時にも保持されます。

IP 転送の詳細については、routeadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

IP アドレスが失敗した IP ネットワークマルチパスグループに属していると、ゾーンはブートしない (6184000)

ゾーンの IP アドレスが IP ネットワークマルチパス (IPMP) グループの一部になるようにゾーンを構成できます。構成方法については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』「IP ネットワークマルチパス機能を非大域ゾーンに拡張する方法」を参照してください。

IPMP グループに含まれるすべてのネットワークインタフェースが失敗すると、その IPMP グループに属している IP アドレスを持つゾーンはブートしません。

次の例は、ゾーンをブートしようとした場合の結果を示しています。


# zoneadm -z my-zone boot
zoneadm: zone 'my-zone': bge0:1: 
could not set default interface for multicast: Invalid argument 
zoneadm: zone 'my-zone': call to zoneadmd failed

回避方法: グループ内のネットワークインタフェースの少なくとも 1 つを修復してください。

IPv4 または IPv6 の ATM LANE サブネットが正常に初期化されないことがある (4625849)

1 つのアダプタ上に 9 つ以上の LANE (LAN Emulation) インスタンスが存在する場合は、システムのブート時に複数のインスタンスが対応する LANE インスタンスに接続されないことがあります。このバグは、マルチユーザーレベルでは発生しません。

回避方法: SunATM ネットワークを再度初期化するには、次の手順を実行します。

  1. lanestat -a コマンドを実行して問題が発生しているかどうかを確認します。

    接続されていないインスタンスは、LES (LAN Emulation Server) とBUS (Broadcast and Unknown Address Server) の VCI (Virtual Circuit Identifier) 値が 0 です。

  2. SunATM ネットワークをいったん終了してから再起動します。


    # /etc/init.d/sunatm stop
    # /etc/init.d/sunatm start
    
  3. SunATM インタフェースのネットマスクやその他のネットワーク設定をリセットします。

フィルタリングが有効な 2 つの IP ノード間に複数のトンネルを設定するとパケットが失われることがある (4152864)

2 つの IP ノード間に複数の IP トンネルを設定し、ip_strict_dst_multihoming またはその他の IP フィルタを有効にした場合、パケットが失われることがあります。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。