Solaris 10 ご使用にあたって

Single UNIX Specification, Version 3 によって導入される変更

Single UNIX Specification, Version 3 (SUSv3) では、次の POSIX オペレーティングシステムインタフェースが更新されます。

更新には、次のような変更点が含まれます。

Korn シェルの ENV 変数

対話型でない Korn シェルでは、環境変数 ENV は展開されなくなりました。この変更は、/bin/ksh/usr/xpg4/bin/sh の両方に適用されます。

コンパイラと SUSv3 アプリケーション

SUSv3 などの規格に準拠するアプリケーションを構築するには、適切な機能テストマクロ、コンパイラ、およびオプションを使用する必要があります。詳細は、standards(5) のマニュアルページを参照してください。

file コマンド

-m オプションを指定して file コマンドを使用すると、ユーザー定義のマジックファイルに対して符号付き比較が実行されます。また、x86 環境では、マジック値を比較する前にマルチバイト整数からビッグエンディアン (SPARC) 順序への切り替えは行われなくなりました。詳細は、file(1) および magic(4) のマニュアルページを参照してください。

出力関数

snprintf()vsnprintf() は、入力値が n=0 のとき、書式設定されるバイト数を返すようになりました。詳細は、snprintf(3C) および vsnprintf(3C) のマニュアルページを参照してください。

テキストエディタ

起動時に、エディタは追加の条件を確認してから、$HOME または現在のディレクトリにある .exrc ファイルを読み取ります。詳細は、ex(1) および vi(1) のマニュアルページを参照してください。

64-bit SPARC: 時刻関数

入力の time_t が大きすぎて tm 構造体で表現できない場合、次の関数は null ポインタを返し、errnoEOVERFLOW に設定します。

詳細は、gmtime(3C)gmtime_r(3C)localtime(3C)、および localtime_r(3C) のマニュアルページを参照してください。

末尾のスラッシュ

SUSv3 では、既存のディレクトリまたは作成するディレクトリを指定するパスの場合のみ、パス名の末尾にスラッシュ文字 (/) を使用できます。

/usr/xpg6/bin /usr/xpg4/bin のユーティリティー

/usr/xpg6/bin/usr/xpg4/bin にあるユーティリティーの動作は、SUSv3 または XPG4 に準拠しており、Solaris のデフォルトの動作と衝突します。SUSv3 に準拠するコマンド行環境を使用するには、PATH を適切に設定する必要があります。詳細は、各ユーティリティーのマニュアルページを参照してください。