Solaris 10 ご使用にあたって

ファイルシステム

Solaris 10 リリースのファイルシステムに関するバグ情報について説明します。

一部の Solaris Express または Solaris 10 リリースからのアップグレードにはファイルシステムの再マウントが必要

NFSv4 サーバーを Solaris Express 11/04 または以前の Solaris 10 リリースからアップグレードしたあと、プログラムによって EACCES エラーが検出されることがあります。さらに、ディレクトリが間違って空になっているように見えることもあります。

これらのエラーを回避するには、クライアントのファイルシステムをいったんマウント解除してから再マウントします。マウント解除がうまくいかない場合は、umount -f を使用して強制的にファイルシステムをマウント解除する必要があります。あるいは、クライアントをリブートしてもかまいません。

NFSv4 アクセス制御リストの関数が正しく動作しないことがある

ネットワーク上のクライアントとサーバーが、異なる以前の Solaris 10 リリースでインストールされている場合、NFSv4 アクセス制御リスト (ACL) の関数が正しく動作しないことがあります。対象となる ACL 関数とその関数を使用するコマンド行ユーティリティーは次のとおりです。

これらの関数とユーティリティーについては、それぞれのマニュアルページを参照してください。

たとえば、次の構成を含むネットワークではエラーが検出される可能性があります。

次の表に、異なる Solaris 10 リリースがインストールされているクライアントとサーバーの構成における ACL 関数の結果を示します。

操作 

クライアントの S10 OS 

サーバーの S10 OS 

結果 

get ACL 

S10 ベータ版 

S10 OS 

正しくない ACL * が作成されます 

get ACL 

S10 OS 

S10 ベータ版 

正常に機能します 

set ACL 

S10 ベータ版 

S10 OS 

正常に機能します 

set ACL 

S10 OS 

S10 ベータ版 

エラー: EOPNOTSUP 

回避方法: NFSv4 ACL の機能を正しく動作させるには、サーバーとクライアントの両方で Solaris 10 OS の完全なインストールを実行します。

Solaris NFSv4 クライアントと NFSv4 サーバーとの間にアクセスに関する問題がある

現在の Solaris 10 バージョンでは、NFSv4 アクセス制御リスト (ACL) の Solaris 実装は RFC 3530 仕様に準拠しています。しかし、Solaris 10 ベータ版 (Beta 2 または Beta 1) を使用する NFSv4 クライアントではエラーが発生します。これらのクライアントでは、現在の Solaris 10 リリースを使用している NFSv4 サーバー内にファイルを作成することができません。次のエラーメッセージが表示されます。


NFS getacl failed for server_name: error 9 (RPC: Program/version mismatch)

回避方法: ありません。

1T バイトよりも大きなデバイスでシステムクラッシュダンプが失敗する (6214480)

システムでは、1T バイト以上のパーティションにダンプを生成することができません。システム上にこのようなデバイスがある場合は、システムパニックが発生したあとにシステムをブートすると、次のようなエラーが発生することがあります。

回避方法: システムのダンプデバイスのサイズを 1T バイト未満に設定してください。

smosservice コマンドで OS サービスを追加すると、ディスク容量不足のメッセージが表示される (5073840)

smosservice コマンドを使用して OS サービスを UFS ファイルシステムに追加すると、利用可能なディスク容量が不足しているというメッセージが表示されます。このエラーは、EFI ラベル付きディスクの UFS ファイルシステムでのみ発生します。

回避方法: 次の回避方法を完了してください。

  1. SMI VTOC ディスクラベルを適用します。

  2. ファイルシステムを作成し直します。

  3. smosservice コマンドを再実行します。