WAN ブートは、wanboot.conf ファイルに記述されている構成情報を使ってクライアントマシンのインストールを行います。テキストエディタを使って wanboot.conf ファイルを作成します。WAN ブートサーバー上の /etc/netboot ディレクトリにある該当のクライアントのサブディレクトリに、このファイルを保存します。
次の wanclient-1 用の wanboot.conf ファイルには、HTTPS を使って WAN インストールを行うための構成情報が記述されています。このファイルは WAN ブートに対して、HMAC SHA1 ハッシュキーと 3DES 暗号化鍵を使ってデータを保護することも指示しています。
boot_file=/wanboot/wanboot.s10_sparc root_server=https://www.example.com/cgi-bin/wanboot-cgi root_file=/miniroot/miniroot.s10_sparc signature_type=sha1 encryption_type=3des server_authentication=yes client_authentication=no resolve_hosts= boot_logger= system_conf=sys-conf.s10–sparc
この wanboot.conf ファイルで指定されている構成は次のとおりです。
wanboot プログラムの名前は wanboot.s10_sparc です。このプログラムは、wanserver-1 のドキュメントルートディレクトリ内の wanboot ディレクトリに置かれています。
wanserver-1 上の wanboot-cgi プログラムの場所は https://www.example.com/cgi-bin/wanboot-cgi です。URL の https という部分は、この WAN ブートインストールで HTTPS を使用することを示しています。
WAN ブートミニルートの名前は miniroot.s10_sparc です。ミニルートは、wanserver-1 のドキュメントルートディレクトリ内の miniroot ディレクトリに置かれています。
wanboot プログラムと WAN ブートファイルシステムは、HMAC SHA1 ハッシュキーで署名されます。
wanboot プログラムと WAN ブートファイルシステムは、3DES 暗号化鍵で暗号化されます。
インストール時にサーバー認証が行われます。
インストール時にクライアント認証は行われません。
「(省略可能) クライアント認証用の非公開鍵と証明書の使用」の作業を実行した場合、このパラメータの設定は client_authentication=yes としてください
WAN インストールの実行に必要な追加のホスト名はありません。wanboot-cgi プログラムに必要なホスト名はすべて、wanboot.conf ファイルとクライアント証明書に指定されています。
ブートログメッセージとインストールログメッセージがシステムコンソール上に表示されます。「(省略可能) WAN ブートサーバーをログサーバーとして構成」でログサーバーを構成済みの場合で、WAN ブートサーバー上にも WAN ブートメッセージを表示するときは、このパラメータを boot_logger=https://www.example.com/cgi-bin/bootlog-cgi と設定します。
sysidcfg ファイルとカスタム JumpStart ファイルの場所を指定するシステム構成ファイルは、sys-conf.s10–sparc という名前で、wanserver-1 の /etc/netboot ディレクトリに置かれています。
この例では、wanserver-1 の /etc/netboot/192.168.198.0/010003BA152A42 ディレクトリに wanboot.conf ファイルを保存します。