Solaris Live Upgrade のインストールと使用を開始する前に、次の要件をよく理解してください。
Solaris Live Upgrade は Solaris ソフトウェアに含まれています。現在の OS に Solaris Live Upgrade パッケージをインストールする必要があります。アップグレード後の OS のリリース番号と同じリリース番号の Solaris Live Upgrade パッケージをインストールする必要があります。たとえば、OS を Solaris 9 リリースから Solaris 10 リリースにアップグレードする場合、Solaris 10 リリースの Solaris Live Upgrade パッケージをインストールする必要があります。
表 7–1 に、Solaris Live Upgrade でサポートされるリリースを示します。
表 7–1 サポートされる Solaris リリース
現在のリリース |
互換性のあるアップグレードリリース |
---|---|
Solaris 8 OS |
Solaris 8、9、またはすべての Solaris 10 リリース |
Solaris 9 OS |
Solaris 9 またはすべての Solaris 10 リリース |
Solaris 10 OS |
すべての Solaris 10 リリース |
Solaris Live Upgrade パッケージのインストールには、次を使用します。
pkgadd コマンド。Solaris Live Upgrade パッケージは SUNWlur と SUNWluu です。この順序でインストールする必要があります。
Solaris Operating System DVD、Solaris SOFTWARE - 2 CD、またはネットインストールイメージ上にあるインストーラ。
Solaris Live Upgrade を正しく操作するためには、次のパッチのインストールが必要な場合があります。
説明 |
参照先 |
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注意: Solaris Live Upgrade を正しく操作するためには、指定の OS バージョン用の特定のパッチリビジョンのセットがインストールされている必要があります。これらのパッチは、Solaris Live Upgrade のインストールまたは実行の前にインストールする必要があります。 x86 のみ – このパッチのセットがインストールされていない場合、Solaris Live Upgrade は失敗し、次のエラーメッセージが表示されることがあります。次のエラーメッセージが表示されなくても、必要なパッチがインストールされていない場合があります。Solaris Live Upgrade のインストールを試みる前に、SunSolve の infodoc の一覧にあるすべてのパッチがインストール済みであることを必ず確認してください。
infodoc 72099 に記載されたパッチは、随時変更される可能性があります。これらのパッチにより、Solaris Live Upgrade の欠陥が修正される可能性があると同時に、Solaris Live Upgrade が依存するコンポーネントの欠陥も修正される可能性があります。Solaris Live Upgrade で問題が発生した場合は、最新の Solaris Live Upgrade パッチがインストールされていることを確認してください。 |
http://sunsolve.sun.com で最新のパッチリストを確認してください。SunSolve の Web サイトで、infodoc 72099 を検索してください。 |
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Solaris 8 または 9 OS を実行している場合、Solaris Live Upgrade インストーラを実行できないことがあります。これらのリリースには、Java 2 Runtime Environment の実行に必要なパッチのセットが含まれていません。Solaris Live Upgrade インストーラを実行してパッケージをインストールするには、Java 2 Runtime Environment の推奨パッチクラスタが必要です。 |
Solaris Live Upgrade パッケージをインストールするには、pkgadd コマンドを使用します。または、Java 2 Runtime Environment 推奨パッチクラスタをインストールします。このパッチクラスタは http://sunsolve.sun.com から入手できます。 |
Solaris Live Upgrade ソフトウェアのインストール方法については、「Solaris Live Upgrade のインストール」を参照してください。
Solaris Live Upgrade で問題がある場合は、パッケージが不足している可能性があります。次の表に示されたパッケージが、使用している OS にインストールされていることを確認してください。これらは、Solaris Live Upgrade を使用する上で必要なパッケージです。
Solaris 10 リリースの場合:
次のソフトウェアグループのいずれかをインストールする場合、これらのソフトウェアグループには必要なすべての Solaris Live Upgrade パッケージが含まれています。
全体ディストリビューションと OEM サポート
全体ディストリビューション
開発者システムサポート
エンドユーザーシステムサポート
次のソフトウェアグループのいずれかをインストールする場合は、Solaris Live Upgrade を使用する上で必要なパッケージの一部が含まれていない可能性があります。
コアシステムサポート
限定ネットワークシステムサポート
ソフトウェアグループについては、「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。
表 7–2 Solaris Live Upgrade に必要なパッケージ
システム上のパッケージを確認するには、次のコマンドを入力します。
% pkginfo package_name |
アップグレードの一般的なディスク容量の要件に従います。第 3 章「Solaris のインストールおよびアップグレード (計画)」を参照してください。
ブート環境の作成に必要なファイルシステムのサイズを見積もるには、新しいブート環境の作成を開始してください。サイズが計算されたところで、処理を中断できます。
新しいブート環境上のディスクをブートデバイスとして使用する必要があります。システムの中には、ブートデバイスとして機能するディスクを限定するものがあります。ブート制限が適用されるかどうかを確認するには、各システムのマニュアルを参照してください。
新しいブート環境を作成する前に、ディスクの準備が必要になることもあります。ディスクが正しくフォーマットされていることを次のように確認します。
スライスがファイルシステムをコピーできるだけの十分な大きさであることを確認します。
ブート環境間でコピーするのではなく、共有するディレクトリが入っているファイルシステムを確認します。ディレクトリを共有する場合、そのディレクトリを固有のスライスに配置して新しいブート環境を作成する必要があります。こうすることにより、ディレクトリは、将来のブート環境と共有可能なファイルシステムになります。独立したファイルシステムを作成して共有する方法についての詳細は、「共有可能なファイルシステムのスライスを選択するための指針」を参照してください。
Solaris Live Upgrade は Solaris ボリュームマネージャーのテクノロジを使用して、RAID-1 ボリューム (ミラー) を備えたファイルシステムを持つブート環境のコピーを作成します。Solaris Live Upgrade では、Solaris ボリュームマネージャーのすべての機能が実装されるわけではありませんが、Solaris ボリュームマネージャーの次のコンポーネントが必要になります。
表 7–3 Solaris Live Upgrade と RAID-1 ボリュームに必要なコンポーネント
要件 |
説明 |
参照先 |
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状態データベースを 1 つ以上、状態データベースの複製を 3 つ以上作成する必要があります。 |
状態データベースでは、Solaris ボリュームマネージャー構成の状態に関する情報がディスクに保存されます。状態データベースは、複製された複数のデータベースコピーの集まりです。各コピーは「状態データベースの複製」と呼ばれます。状態データベースのコピーを作成することで、単一点障害によるデータ損失を防ぐことができます。 |
状態データベースの作成については、『Solaris ボリュームマネージャの管理』の第 6 章「状態データベース (概要)」を参照してください。 |
Solaris Live Upgrade では、ルート (/) ファイルシステムに単一スライスの連結を持つ RAID-1 ボリューム (ミラー) だけがサポートされます。 |
連結は RAID-0 ボリュームです。複数のスライスが連結された方式では、利用可能な最初のスライスがいっぱいになるまでそのスライスにデータが書き込まれます。そのスライスがいっぱいになると次のスライスに連続してデータが書き込まれます。RAID-1 ボリュームに含まれている場合を除き、連結にはデータの冗長性はありません。 RAID-1 ボリュームは、最大 3 つの連結から構成されます。 |
ミラー化されたファイルシステムの作成のガイドラインについては、「ミラー化されたファイルシステムのスライスを選択するための指針」を参照してください。 |