Solaris 10 の概要

セキュリティーの機能拡張

Solaris 10 8/07 リリースでは、次のセキュリティー機能と拡張機能が追加されました。

Solaris 鍵管理フレームワーク

Solaris Key Management Framework (KMF) は、公開鍵 (PKI) オブジェクトを管理するためのツールとプログラミングインタフェースを提供します。pktool コマンドを使用すると、管理者は nsspkcs11、およびファイルベースのキーストア内の PKI オブジェクトを単一のユーティリティーから管理できます。

API 層では、開発者は使用するキーストアの種類を指定できます。KMF には、これらの PKI 技術のためのプラグインモジュールもいくつか用意されています。開発者は、これらのプラグインモジュールを使って、サポートされているどのキーストアでも使用できるアプリケーションを新たに作成できます。

KMF には、KMF アプリケーションがキーストアの種類に関係なく使用できる、システム全体のポリシーデータベースを提供する独自の機能があります。管理者は、kmfcfg コマンドを使用して、大域データベースにポリシー定義を作成できます。次に、KMF アプリケーションによって適用するポリシーが選択されます。その結果、そのあとに行われる KMF 処理はすべて、適用されているポリシーの制約を受けることになります。ポリシー定義には、次の項目に関するルールが含まれます。

詳細については、次を参照してください。

libmd - メッセージダイジェストライブラリ

このリリースより、libmd ライブラリは、軽量 API を使用することで MD4、MD5、SHA1、および SHA2 (SHA256、SHA384、SHA512 を含む) の暗号化ハッシュアルゴリズムの実装を提供します。libmd によって提供されるこれらの API と関数についての詳細は、次のマニュアルページを参照してください。

Solaris の暗号化フレームワーク

Solaris Cryptographic Framework 機能は、トークンデバイスの鍵署名を保護します。elfsign コマンドは、署名と証明書についてのより詳細な情報も表示します。

詳細は、elfsign(1) のマニュアルページを参照してください。

Solaris データ暗号化補助ソフトウェア

暗号化キットの SUNWcry および SUNWcryr パッケージは、デフォルトで Solaris 10 8/07 ソフトウェアに含まれています。Solaris Cryptographic Framework、Kerberos、および OpenSSL の十分な強度の暗号化がデフォルトでインストールされるようになりました。