Solaris 10 10/08 リリースでは、次のデバイス管理機能と拡張機能が追加されました。
Solaris 10 10/08 リリース以降、Solaris OS にデバイスのリタイアメント機構が新しく追加され、障害管理アーキテクチャー (FMA) でデバイスを「故障中」として切り離すことができるようになりました。この機能では、障害のあるデバイスを安全な方法で自動的に非アクティブにして、データ消失、データ破壊、パニック、およびシステムのダウンタイムを回避できます。リタイアメント処理は、デバイスのリタイア後のシステムの安定性を考慮して、安全な方法で実行されます。
重要なデバイスがリタイアされることはありません。リタイア済みのデバイスを手動で交換する必要がある場合は、手動交換の手順に加え、デバイスの交換後に fmadm repair コマンドを使用して、デバイスが交換されたことをシステムに認識させます。
fmadm による修復手順は次のとおりです。
fmadm faulty -a コマンドで、障害のあるデバイスを特定します。
# fmadm faulty STATE RESOURCE / UUID -------- --------------------------------------------------------------------- faulty <fmri> |
fmadm repair コマンドを使用して障害をクリアーします。
# fmadm repair <fmri> |
fmadm faulty コマンドを再度実行して、障害がクリアーされたことを確認します。
# fmadm faulty -a STATE RESOURCE / UUID |
詳細は、fmadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
デバイスのリタイアメントに関してユーザーに通知するための一般的なメッセージが、コンソールに表示され、/var/adm/messages ファイルにも書き込まれます。次に例を示します。
Aug 9 18:14 starbug genunix: [ID 751201 kern.notice] NOTICE: One or more I/O devices have been retired |
prtconf コマンドを使用して、特定のリタイア済みデバイスを確認することもできます。次に例を示します。
# prtconf . . . pci, instance #2 scsi, instance #0 disk (driver not attached) tape (driver not attached) sd, instance #3 sd, instance #0 (retired) scsi, instance #1 (retired) disk (retired) tape (retired) pci, instance #3 network, instance #2 (driver not attached) network, instance #3 (driver not attached) os-io (driver not attached) iscsi, instance #0 pseudo, instance #0 . . . |
Solaris 10 10/08 以降のリリースでは、Hitachi Adaptable Modular Storage (AMS) および Hitachi Workgroup Modular Storage システムが MPxIO と統合されています。デュアルコントローラの Adaptable Modular Storage および Workgroup Modular Storage モデルは、MPxIO 環境内の複数のパスを完全に活用できます。さらにこのサポートにより、Sun Cluster 環境内の Hitachi ストレージシステムで MPxIO のフル機能が使えるようになります。