日本語環境ユーザーズガイド

付録 C 従来の日本語入力システムからの移行

ATOK for Solaris への移行

ATOK12 の辞書に登録した単語、環境設定ファイルを ATOK for Solaris で使用する

システム管理者が移行作業を行う場合

ATOK12 ではこれらの情報は /var/locale/ja/atokserver に保存されています。ATOK12 を使用していたシステムを初期インストールする場合は、あらかじめこのディレクトリのバックアップを取っておき、インストール後同じディレクトリパスに展開しておきます。ATOK12 を使用している他のシステムから移行する場合も、同様に展開しておきます(アップグレードインストールや ATOK for Solaris パッチを適用したシステムでは通常これらの作業は不要です)。

次に、ATOK パレットからヘルプを起動して、環境設定 -> ATOK の辞書や設定を移行する(左のタブから) -> 「旧バージョンのATOK12、ATOK8 の辞書や設定をATOK for Solarisに引き継ぐ」 を参照して移行します。例えば、全ユーザの基本辞書に登録した単語、入力・変換の設定、キー・ローマ字の設定を引き継ぐ場合は以下のように入力します。

# atokx2cvttool -a -i on -k on -d main

atokx2cvttool(1) のマニュアルページも参照してください。

各ユーザで移行作業を行う場合 (辞書の移行のみ可能)

例えば登録した単語を各ユーザで移行作業を行う場合次のようにします。ATOK12 の環境であらかじめ辞書のバックアップをとっておきます。

  1. ATOK12 パレット -> 辞書ユーティリティ -> 一覧出力

  2. 出力ファイルを指定して実行ボタンを押す。

  3. 移行後は ATOK for Solaris 辞書ユーティリティで読み込む。

    ATOK パレット -> 辞書ユーティリティ -> 一括処理

詳細は ATOK パレットからヘルプを起動して、環境設定 -> ATOK の辞書や設定を移行する(左のタブから) -> 「別のコンピュータにある Windows 版ATOK・ATOK12 の辞書を利用する」 を参照してください。

ATOK8 の辞書に登録した単語、環境設定ファイルを ATOK for Solaris で使用する

ATOK パレットからヘルプを起動して、環境設定 -> ATOK の辞書や設定を移行する(左のタブから) -> 旧バージョンのATOK12、ATOK8 の辞書や設定をATOK for Solarisに引き継ぐ を参照して移行します。例えば、ATOK8 から、基本辞書に登録した単語を引き継ぎかつ、キーローマ字設定を引き継ぐ場合は、以下のように入力します。

% atokx2cvttool -8 -k on -d main

atokx2cvttool(1) のマニュアルページも参照してください。

cs00 の辞書に登録した単語を ATOK for Solaris で利用する

以下の「cs00 の辞書に登録した単語を ATOK12 で使用する手順」に従いいったん ATOK12 形式に変換した後に、「ATOK12 の辞書に登録した単語、環境設定ファイルを ATOK for Solaris で使用する」に従って移行します。

Procedurecs00 の辞書に登録した単語を ATOK12 で使用する手順

  1. udicmsdtudicm (Solaris CDE の場合) 、または udicmtool (OpenWindows の場合) を使用して、既存の cs00 の辞書から単語リストのファイルを作成します。この作業は、cs00 が動作しているシステム上で行います。Solaris 9 では、cs00 は提供されていません。

    例 -udicm を使用して、cs00 のユーザー辞書 (cs00_u.dic) を単語リストのファイル (cs00_u.list) に変換する


    sun% udicm show cs00_u.dic > cs00_u.list
    

    udicm コマンドの詳細に関しては、Solaris 8 の udicm(1) のマニュアルページを参照してください。

    sdtudicm または udicmtool を使用する方法については、Solaris 8 User Collection - Japanese の『cs00 ユーザーズガイド』を参照してください。

  2. cs00toatok コマンド使用して、cs00 の単語リストのファイルを ATOK12 が扱える単語ファイルに変換します。

    例 - cs00 の単語リストのファイル (cs00_u.dic) を ATOK12 が扱える単語ファイルリスト (atok12.list) に変換する


    sun% cs00toatok cs00_u.list > atok12.list
    
  3. 「各ユーザで移行作業を行う場合 (辞書の移行のみ可能)」に従って辞書を登録します。

Wnn8 への移行

ここでは、Wnn6、ATOK、MS-IME でユーザーが登録した単語情報を Wnn8 で 使用する方法について説明します。

Wnn6 から移行

Wnn6 のユーザー辞書はそのまま Wnn8 でも使用できます。$HOME/.Wnn8/dic/ud が デフォルトのユーザー辞書になりますので、これにコピーすることで使用できます。Wnn6 では /var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr/user/ud がデフォルトの ユーザー辞書です。

ATOK および MS-IME から移行

wnndictutil(1) を起動して 「辞書コンバータ」タブを選択します。詳細は、 「ヘルプ」および 『Wnn8 ユーザーズガイド』 を参照してください。