次の作業で、ルート (/)、/usr、/opt、swap を含め、通常のシステム稼働時にはマウントを解除できないファイルシステムのミラー化を解除します。
すべてのデータの最新のバックアップを取っているか確認します。また、この操作には root 権限が必要です。
少なくとも 1 つのサブミラーが「正常 (Okay)」状態であることを確認します。
# metastat mirror |
サブミラーを切り離します。このサブミラーは、引き続きファイルシステム用として使用します。
# metadetach mirror submirror |
詳細は、metadetach(1M) のマニュアルページを参照してください。
ミラー化を解除するファイルシステムに応じて、次のどちらかのコマンドを使用します。
/usr、/opt、またはswap ファイルシステムの場合は、/etc/vfstab ファイルに指定されているファイルシステムエントリを変更し、Solaris ボリュームマネージャ以外のデバイス (スライス) が使用されるようにします。
ルート (/) ファイルシステムの場合のみ:metaroot コマンドを実行します。
# metaroot rootslice |
詳細は、metaroot(1M) のマニュアルページを参照してください。
システムをリブートします。
# reboot |
残りのミラーとサブミラーを削除します。
# metaclear -r mirror |
詳細は、metaclear(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metastat d0 d0: Mirror Submirror 0: d10 State: Okay Submirror 1: d20 State: Okay Pass: 1 Read option: roundrobin (default) Write option: parallel (default) Size: 2100735 blocks (1.0 GB) d10: Submirror of d0 State: Okay Size: 2100735 blocks (1.0 GB) Stripe 0: Device Start Block Dbase State Reloc Hot Spare c0t3d0s0 0 No Okay Yes d20: Submirror of d0 State: Okay Size: 2100735 blocks (1.0 GB) Stripe 0: Device Start Block Dbase State Reloc Hot Spare c1t3d0s0 0 No Okay Yes # metadetach d0 d20 d0: submirror d20 is detached # metaroot /dev/dsk/c0t3d0s0 # reboot ... # metaclear -r d0 d0: Mirror is cleared d10: Concat/Stripe is cleared # metaclear d20 d20: Concat/Stripe is cleared |
この例のルート (/) ファイルシステムは 2 面ミラー d0 です。このミラーのサブミラーは d10 と d20 です。サブミラーはスライス /dev/dsk/c0t3d0s0 と /dev/dsk/c1t3d0s0 からなります。metastat コマンドを使用して、少なくとも 1 つのサブミラーが「正常 (Okay)」状態であることを確認します。(「正常 (Okay)」状態のサブミラーが存在しないミラーは、最初に修復する必要があります)。次に、サブミラー d20 を切り離して、ミラー d0 を 1 面ミラーにします。
「ルートスライス」は、ルート (/) ファイルシステムが含まれているスライスです。metaroot コマンドには、システムのブートに使用する rootslice を指定します。このコマンドによって /etc/system ファイルと /etc/vfstab ファイルが編集されます。このコマンドは、ルート (/) ファイルシステムのミラー化を指定した情報を削除します。
システムのリブート後、metaclear -r コマンドがミラーともう 1 つのサブミラー d10 を削除します。最後の metaclear コマンドは、サブミラー d20 を削除します。
# metastat d1 d1: Mirror Submirror 0: d11 State: Okay Submirror 1: d21 State: Okay ... # metadetach d1 d21 d1: submirror d21 is detached (/etc/vfstab ファイルを編集して、swap のエントリをメタデバイスからスライス名に変更する) # reboot ... # metaclear -r d1 d1: Mirror is cleared d11: Concat/Stripe is cleared # metaclear d21 d21: Concat/stripe is cleared |
この例の swap ファイルシステムは、2 面ミラー d1 からなります。このミラーのサブミラーは d11 と d21 です。サブミラーはスライス /dev/dsk/c0t3d0s1 と /dev/dsk/c1t3d0s1 からなります。metastat コマンドを使用して、少なくとも 1 つのサブミラーが「正常 (Okay)」状態であることを確認します。(「正常 (Okay)」状態のサブミラーが存在しないミラーは、最初に修復する必要があります)。次に、サブミラー d21 を切り離して、ミラー d1 を 1 面ミラーにします。次に、/etc/vfstab ファイルを編集して、swap のエントリが、サブミラー d21 のスライスを参照するように指定します。
この例では、/etc/vfstab ファイルに swap ファイルシステム用の次のエントリが指定されています。
/dev/md/dsk/d4 /dev/md/rdsk/d4 /opt ufs 2 yes - |
/dev/md/dsk/d1 - - swap - no - |
次のようにエントリを変更します。
/dev/dsk/c0t3d0s1 - - swap - no - |
システムのリブート後、metaclear -r コマンドは、このミラーともう 1 つのサブミラー d11 を削除します。最後の metaclear コマンドは、サブミラー d21 を削除します。