「ボリュームをトップダウン作成するための前提条件」を確認します。
ボリュームの作成に使用する記憶領域を特定します。
記憶領域を明示的に指定しなかった場合、システム上の未使用の記憶領域を Solaris ボリュームマネージャが特定し、必要に応じて使用します。記憶領域を指定すると、この記憶領域を Solaris ボリュームマネージャが使用します。記憶領域の指定は、広義に (たとえば、コントローラ 1 のすべての記憶領域) 行う場合もあれば、狭義に (たとえば、c1t4d2 は使用し、c1t4d1 は使用しない) 行う場合もあります。
作業に応じて、metassist コマンドと適切なオプションを使用します。
コマンド行からボリュームを作成するには、次の書式で metassist コマンドを実行します。
# metassist create -s diskset-name -f -r redundancy -a device1, device2... -S size -v verbosity |
ボリュームを作成するために使用するサブコマンド。
ボリュームに使用するディスクセットの名前を指定します。
ボリュームとホットスペアを対応付けることを指定します。
作成する冗長レベル (データコピー数) を指定します。
ボリュームの作成用に使用できるデバイスを指定します。
作成するボリュームのサイズを KB (キロバイト)、MB (メガバイト)、GB (ギガバイト)、または TB (テラバイト) 単位で指定します。
出力の詳細度を指定します。指定できる値の範囲は 0 (出力がほとんどない) から 2 (出力が多い) です。デフォルトレベルは 1 (中程度の出力) です。
ボリュームの特性を指定する入力ファイルを使ってボリュームを作成するには、次のいずれかの書式を使って metassist コマンドを実行します。
# metassist create [-v n] [-c] -F config_file # metassist create [-v n] [-c | -d] -F request_file |
指定のボリューム構成または生成されたボリューム構成を実装するコマンドスクリプトを出力するように指定します。コマンドスクリプトは実行されず、処理はこの段階で中断されます。
指定のボリューム要求または生成されたボリューム要求を満たすボリューム構成を出力するように指定します。コマンドスクリプトは生成も実行もされません。処理はこの段階で中断されます。
処理対象のボリューム要求ファイルまたはボリューム構成ファイルを指定します。config_file または request_file の位置にダッシュ (-) を指定した場合、ファイルは標準入力から読み込まれます。入力ファイルがボリューム構成ファイルである場合、-d オプションは指定できません。
ボリューム構成ファイルには、作成するボリュームの詳細な構成情報が記述されています。一方、ボリューム要求ファイルには、作成するボリュームの特性が記載されています。詳細は、volume-config(4) および volume-request(4) のマニュアルページを参照してください。
出力の詳細度を指定します。指定できる値の範囲は 0 (出力がほとんどない) から 2 (出力が多い) です。デフォルトレベルは 1 (中程度の出力) です。
詳細は、次の例と metassist(1M) のマニュアルページを参照してください。
ボリュームの作成後、新しいボリュームを表示します。
# metastat -s diskset-name |
次に、容量が 10M バイトの 2 面ミラーを作成する例を示します。metassist コマンドは、未使用のディスクを特定し、これらのディスクを使ってできるだけ条件の良いミラーを作成します。-s myset 引数で、myset ディスクセットにボリュームを作成することを指定します。ディスクセットは必要に応じて作成されます。
# metassist create -s myset -r 2 -S 10mb |
次に、metassist コマンドを使用して、容量が 10M バイトの 2 面ミラーとホットスペアを作成し、障害耐性を強化する例を示します。-f オプションで障害耐性を指定します。
# metassist create -s myset -f -r 2 -S 10mb |
次に、metassist コマンドを使用し、コントローラ 1 上の使用可能なディスクでストライプを作成する例を示します。 -a オプションで、使用可能なコントローラを指定します。
# metassist create -s myset -a c1 -S 10mb |
次に、metassist コマンドを使用して、容量が 10M バイトの 2 面ミラーとホットスペアを作成し、障害耐性を強化する例を示します。-f オプションで障害耐性を指定します。最後の引数 (-v 2) では、出力の詳細度として最も大きな値である 2 を指定しています。これによって、metassist コマンドの実行結果が最も詳細に出力されます。
# metassist create -s myset -f -r 2 -S 10mb -v 2 Scanning system physical device configuration... These HBA/Controllers are known:. c0 /pci@1f,0/pci@1,1/ide@3 c1 /pci@1f,0/pci@1/pci@2/SUNW,isptwo@4 These disks are known: c0t0d0 id1,dad@AST34342A=____________VGD97101 c1t1d0 id1,sd@SSEAGATE_ST39204LCSUN9.0G3BV0L88P000021097XNL c1t2d0 id1,sd@SSEAGATE_ST39102LCSUN9.0GLJW22867000019171JDF c1t3d0 id1,sd@SSEAGATE_ST39204LCSUN9.0G3BV0L7RV00007108TG0H c1t4d0 id1,sd@SSEAGATE_ST39204LCSUN9.0G3BV0LDFR000021087R1T c1t5d0 id1,sd@SSEAGATE_ST39204LCSUN9.0G3BV0L0M200002109812L c1t6d0 id1,sd@SSEAGATE_ST39204LCSUN9.0G3BV0L8K8000021087R0Z . . . (output truncated) |
次に、metassist コマンドを使用して、容量が 10M バイトの 2 面ミラーとホットスペアを作成し、障害耐性を強化する例を示します。-f オプションで障害耐性を指定します。最後の引数 (-v 0) では、出力の詳細度として最も小さな値である 0 を指定しています。コマンドを実行しても、出力はほとんどありません。
# metassist create -s myset -f -r 2 -S 10mb -v 0 myset/hsp000: Hotspare pool is setup myset/hsp000: Hotspare is added myset/d2: Concat/Stripe is setup myset/d1: Concat/Stripe is setup myset/d0: Mirror is setup myset/d0: submirror myset/d1 is attached |
次に、metassist コマンドで、入力ファイルを使用してボリュームを作成する例を示します。
# metassist create -F request.xml |
metassist コマンドで入力ファイルを使用する方法については、「metassist コマンドによるファイルベースのデータ処理」を参照してください。