Solaris ボリュームマネージャの管理

サブミラーに関する作業

Procedureサブミラーを接続するには


注 –

can't attach labeled submirror to an unlabeled mirror」というエラーメッセージは、ミラーに RAID-0 ボリュームを接続できなかったことを意味します。ラベル付きボリューム (サブミラー) とは、その最初のコンポーネントがシリンダ 0 から始まるものをいいます。一方、ラベルなしボリュームの最初のコンポーネントはシリンダ 1 から始まります。Solaris ボリュームマネージャでは、ラベル付きサブミラーのラベルが壊れるのを防ぐため、ラベル付きサブミラーのラベルなしミラーへの接続を許可しません。


始める前に

「RAID-1 ボリュームの作成と保守」を確認します。

  1. サブミラーとして使用するコンポーネント (連結またはストライプ) を特定します。

    コンポーネントは、ミラー内の既存のサブミラーと同じかそれ以上のサイズにする必要があります。サブミラーとして使用するボリュームをまだ作成していない場合は、「RAID-0 (ストライプ方式) ボリュームの作成」または 「RAID-0 (連結方式) ボリューム」を参照してください。

  2. すべてのデータの最新のバックアップを取っているか確認します。また、この操作には root 権限が必要です。

  3. metastat コマンドを使って、 作業するミラーが「Okay」状態であることを確認します。


    # metastat mirror
    
  4. 次のどちらかの方法でサブミラーを接続します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開きます。ミラーを選択します。次に、「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択して、「サブミラー (Submirror)」タブをクリックします。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • metattach mirror submirror コマンドを実行します。


      # metattach mirror submirror
      

    詳細は、metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。

  5. metastat コマンドを使って、ミラーの状態を調べます。


    # metastat mirror
    

例 11–8 サブミラーを接続する


# metastat d30
d30: mirror
    Submirror 0: d60
      State: Okay   
...
# metattach d30 d70
d30: submirror d70 is attached
# metastat d30
d30: mirror
    Submirror 0: d60
      State: Okay        
    Submirror 1: d70
      State: Resyncing
    Resync in progress: 41 % done
    Pass: 1
    Read option: roundrobin (default)
    Write option: parallel (default)
    Size: 2006130 blocks
...

この例では、サブミラー d70 を 1 面ミラー d30 に接続します。ミラーにサブミラーを接続したときに、2 面ミラーを作成します。ミラー d30 は、最初、サブミラー d60 から構成されています。サブミラー d70 は RAID-0 ボリュームです。まず、サブミラーを接続する前に、metastat コマンドでミラーが「正常 (Okay)」状態であることを確認します。metattach コマンドを実行すると、新しいサブミラーと既存のミラーの同期がとられます。ミラーに新しいサブミラーが接続されると、そのことを示すメッセージが表示されます。サブミラーとミラーの同期がとられていることを確認するために、 metastat コマンドを実行します。


Procedureサブミラーを切り離すには

始める前に

「RAID-1 ボリュームの作成と保守」を確認します。

  1. root 権限を持っていることを確認します。すべてのデータについて、最新のバックアップがあることを確認します。

  2. metastat コマンドを使って、 作業するミラーが「Okay」状態であることを確認します。

  3. 次のどちらかの方法でサブミラーを切り離します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開きます。ミラーを選択します。次に、「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択して、「サブミラー (Submirror)」タブをクリックします。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • metadetach コマンドを使ってミラーからサブミラーを切り離します。


      # metadetach mirror submirror
      

      詳細は、metadetach(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 11–9 サブミラーを切り離す


# metastat
d5: mirror
    Submirror 0: d50
...
# metadetach d5 d50
d5: submirror d50 is detached

この例では、ミラー d5 にサブミラー d50 があります。metadetach コマンドを使って、サブミラーを切り離します。d50 のスライスは他の場所で再使用できます。ミラーからサブミラーを切り離すと、確認メッセージが表示されます。


Procedureサブミラーをオフラインまたはオンラインにするには

metaonline コマンドを実行できるのは、そのサブミラーが metaoffline コマンドによってオフラインにされている場合に限られます。metaonline コマンドを実行すると、サブミラーとミラーの再同期が自動的に開始します。


注 –

metaoffline コマンドの機能は、metadetach コマンドの機能と同様です。ただし、metaoffline コマンドでは、サブミラーとミラーの論理的な関連付けは切り離されません。


始める前に

「RAID-1 ボリュームの作成と保守」を確認します。

  1. すべてのデータの最新のバックアップを取っているか確認します。また、この操作には root 権限が必要です。

  2. 次のどちらかの方法でサブミラーをオンラインまたはオフラインにします。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開きます。ミラーを選択します。次に、「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択して、「サブミラー (Submirror)」タブをクリックします。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • metaoffline コマンドでサブミラーをオフラインにします。


      # metaoffline mirror submirror
      

      詳細は、metaoffline(1M) のマニュアルページを参照してください。

    • metaonline コマンドでサブミラーをオンラインにします。


      # metaonline mirror submirror
      

      詳細は、metaonline(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 11–10 サブミラーをオフラインにする


# metaoffline d10 d11
d10: submirror d11 is offlined

この例では、サブミラー d11 をミラー d10 からオフラインにします。読み取りは、他のサブミラーから引き続き行われます。最初の書き込みが行われた時点でミラーは同期していない状態になります。この不整合の状態は、オフラインにしたサブミラーをオンラインに戻すと訂正されます。



例 11–11 サブミラーをオンラインにする


# metaonline d10 d11d10: submirror d11 is onlined

この例では、サブミラー d11 をミラー d10 でオンラインに戻します。


Procedureサブミラー内のスライスを有効にするには

始める前に

「RAID-1 および RAID-5 ボリューム内のコンポーネントの交換と有効化の概要」および 「RAID-1 ボリュームの作成と保守」を確認します。

  1. すべてのデータの最新のバックアップを取っているか確認します。また、この操作には root 権限が必要です。

  2. 次のどちらかの方法でサブミラー内のスライスを有効にします。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開きます。ミラーを選択します。次に、「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択して、「サブミラー (Submirror)」タブをクリックします。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • metareplace コマンドを使用して、サブミラー内のエラーが発生したスライスを有効にします。


      # metareplace -e mirror failed-slice 
      

      metareplace コマンドを実行すると、修復または交換されたスライスとミラーのほかの部分との再同期が自動的に開始されます。

      詳細は、metareplace(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 11–12 サブミラー内のスライスを有効にする


# metareplace -e d11 c1t4d0s7
d11: device c1t4d0s7 is enabled

この例では、ミラー d11 のサブミラーに含まれるスライス c1t4d0s7 にソフトエラーがあります。-e オプションを付けた metareplace コマンドを実行して、エラーの発生したスライスを有効にします。

物理ディスクに障害が発生した場合は、そのディスクをシステム上で利用可能なほかのディスク (およびそのスライス) と交換できます (「サブミラー内のスライスを交換するには」を参照)。あるいは、ディスクを修復または交換し、フォーマットした上で、この例のように、 -e オプションを指定した metareplace コマンドを使用することもできます。