Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

desfree

備考欄

システム上で常時解放しておくべきメモリー容量を指定します。

データ型

符号なし整数

デフォルト

lotsfree / 2

範囲

最小値は 256K バイトか物理メモリーの 1/128 の大きい方です。この値は getpagesize から返されるページサイズに基づくページ数で表わされます。

最大値は物理メモリーのページ数です。この最大値は物理メモリーの 15% 以内であるべきです。システムは、「検査」の項目で記述している場合以外は、この範囲を強制しません。

単位

ページ

動的か

はい。ただしメモリーの追加や削除を伴う動的再構成が行われると、動的に変更した値は無効になります。その時点でこの値は、/etc/system ファイルに指定された値か、新しい物理メモリーの値から計算された値にリセットされます。

検査

desfreelotsfree より大きい場合、desfreelotsfree / 2 に設定されます。メッセージは表示されません。

暗黙的制約

lotsfreedesfree よりも大きく、desfree が minfree よりも大きいという関係が常に維持されるようにする必要があります。

副次的な影響

このパラメータの値を増やすと、いくつかの副次的な影響が現われることがあります。新しい値がシステム上で使用できるメモリー容量に近いかそれを超えると、次の現象が生じることがあります。

  • 使用可能なメモリーが desfree を超えない限り、非同期の入出力要求が処理されません。したがって、desfree の値を増やすと、増やす前なら処理されたであろう要求が拒否されることがあります。

  • NFS の非同期書き込みが、同期書き込みとして実行されます。

  • スワッパーが本来より早く立ち上がり、そのスワッパーの動作が、積極的な動作をする方向に傾きます。

  • システムに前もって読み込む実行可能ページの数が本来よりも少なくなることがあります。この副次的な影響の結果、アプリケーションの動作が本来よりも遅くなる可能性があります。

どのような場合に変更するか

負荷が比較的安定し、メモリー総量が多いシステムでは、この値を引き下げます。指定可能な最小値は 256K バイトで、この値は getpagesize から返されるページサイズに基づくページ数で表わされます。

コミットレベル

変更の可能性あり