ここでは、最近の Solaris リリースで旧式または削除されたパラメータについて説明します。
Solaris 9 以降のリリースでは旧式
Solaris 8 リリースで、ファイルシステムページのキャッシング方法が変更されました。これらの変更には、優先度ページング機能が含まれます。
cachefree と priority_paging の両方の設定を /etc/system ファイルから削除してください。
キャッシュ方法の変更により、ファイルシステムの動作に伴って発生する仮想メモリーシステムへの負担がほとんど解消されます。統計によると、次のような新しい動作が見られます。
ページ再利用の数が多くなります。これは、入出力が終了すると、ページが明示的に空リストに追加されるためです。
空きメモリーが増えます。これは、空きメモリーのカウントにファイルキャッシュの大部分が含まれるためです。
走査率が大幅に減ります。
旧式
Solaris 9 以降のリリースでは旧式
この変数に基づき lotsfree の 2 倍の値が cachefree に設定されます。
Solaris 8 リリースで、ファイルシステムページのキャッシング方法が変更されました。これらの変更には、優先度ページング機能が含まれます。
cachefree と priority_paging の両方の設定を /etc/system ファイルから削除してください。
廃止
Solaris 10 リリースでは旧式
符号付き整数
50
0 から MAXINT
いいえ。msginfo 構造体の msgmni フィールドにロードされます。
なし
msgget(2) 呼び出しが ENOSPC エラーを返す場合、またはソフトウェアベンダーが推奨する場合
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースでは旧式
作成できるメッセージの最大数。msgsnd(2) 呼び出しでこの限度を超える要求が行われた場合は、メッセージヘッダーが使用可能になるまで要求は延期されます。あるいは、その要求で IPC_NOWAIT フラグがオンに設定されていると、要求はエラー EGAIN で失敗します。
符号付き整数
40
0 から MAXINT
いいえ。msginfo 構造体の msgtql フィールドにロードされます。
なし
msgsnd(2) 呼び出しがブロックするか EGAIN エラーを返す場合、またはソフトウェアベンダーが推奨する場合
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースでは旧式
符号なし long
4096
0 から物理メモリーの総量
バイト
いいえ。msginfo 構造体の msgmnb フィールドにロードされます。
なし
msgsnd(2) 呼び出しがブロックするか EAGAIN エラーを返す場合、またはソフトウェアベンダーが推奨する場合
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースで削除
符号付き整数
40
0 から MAXINT
いいえ。msginfo 構造体の msgtql フィールドにロードされます。
メッセージやキューのために作成されるデータ構造体が最大数存在する場合に消費される空間と、モジュールがロードされるときの使用可能なカーネルメモリーの 25% を比較します。使用される空間があまりに大きいと、メッセージキューモジュールはロードを拒否し、この機能は利用できません。この計算には、メッセージに消費される空間も含まれます。この状態は、モジュールが最初にロードされるときだけ起こります。
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。
旧式
Solaris 10 リリースで削除
システムがサポートするメッセージの数。
符号付き整数
100
0 から MAXINT
いいえ
メッセージやキューのために作成されるデータ構造体が最大数存在する場合に消費される空間と、モジュールがロードされるときの使用可能なカーネルメモリーの 25% を比較します。使用される空間があまりに大きいと、メッセージキューモジュールはロードを拒否し、この機能は利用できません。この計算には、メッセージに消費される空間も含まれます。この状態は、モジュールが最初にロードされるときだけ起こります。
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。
旧式
Solaris 10 リリースで削除
使用可能なメッセージメモリーのプールとしてシステムが使用する、msginfo_msgssz セグメントの数。メッセージに使用できる合計メモリーは msginfo_msgseg * msginfo_msgssz です。
符号付き short
1024
0 から 32,767
いいえ
メッセージやキューのために作成されるデータ構造体が最大数存在する場合に消費される空間と、モジュールがロードされるときの使用可能なカーネルメモリーの 25% を比較します。使用される空間があまりに大きいと、メッセージキューモジュールはロードを拒否し、この機能は利用できません。この計算には、メッセージに消費される空間も含まれます。この状態は、モジュールが最初にロードされるときだけ起こります。
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。
旧式
Solaris 10 リリースで削除
符号なし long
2048
0 から物理メモリーの総量
バイト
いいえ。msginfo 構造体の msgmax フィールドにロードされます。
なし
msgsnd(2) 呼び出しが EINVAL エラーを返す場合、またはソフトウェアベンダーが推奨する場合。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースでは旧式
符号付き整数
10
1 から 65,535
いいえ
SEMA_INDEX_MAX (現在は 65,535) と比較し、それより大きい場合は、SEMA_INDEX_MAX の値にリセットされます。警告メッセージがコンソール、メッセージ、またはその両方に出力されます。
デフォルトの組数では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。現在の設定値を越えるセットを作成しようとしても、エラーメッセージは表示されません。アプリケーションは semget 呼び出しから ENOSPC というリターンコードを受け取ります。
詳細は、semget(2) のマニュアルページを参照してください。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースでは旧式
符号付き整数
25
1 から MAXINT
いいえ
セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える数のセマフォーを組として作成しようとしても、エラーメッセージは表示されません。semget(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード EINVAL が返されます。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースでは旧式
semop 呼び出しあたりの System V セマフォー操作の最大数を指定します。このパラメータは、semop() システムコールで使用する sops 配列内の sembufs の数を参照します。詳細は、semop(2) のマニュアルページを参照してください。
符号付き整数
10
1 から MAXINT
いいえ
セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。1 回の semop 呼び出しで、現在許可されている値を超える回数のセマフォー操作を実行しようとしても、エラーメッセージは表示されません。アプリケーションは semop() 呼び出しから E2BIG というリターンコードを受け取ります。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースで削除
符号付き整数
60
1 から MAXINT
いいえ
セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。
デフォルトのセマフォー数では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える数のセマフォーを作成しようとしても、エラーメッセージは表示されません。semget(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード ENOSPC が返されます。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースで削除
符号付き整数
30
1 から MAXINT
いいえ
セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える回数の取り消し操作を実行しようとしても、エラーメッセージは表示されません。システムが取り消し構造体を使い果たすと、semop(2) 呼び出しからアプリケーションに戻り値 ENOSPC が返されます。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースで削除
符号付き整数
10
1 から MAXINT
いいえ
セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える回数の取り消し操作を実行しようとしても、エラーメッセージは表示されません。semop(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード EINVAL が返されます。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースで削除
符号なし short
32,767
1 から 65,535
いいえ
なし
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。この最大値を越えても、エラーメッセージは表示されません。semop(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード ERANGE が返されます。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースで削除
符号なし short
16,384
1 から 65,535
いいえ
なし
デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える回数の取り消し操作を実行しようとしても、エラーメッセージは表示されません。semop(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード EINVAL が返されます。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースでは旧式
符号付き整数
100
0 から MAXINT
いいえ。shminfo 構造体の shmmni フィールドにロードされます。
System V 共有メモリーに関係するデータ構造体が最大数存在する場合に消費され得る空間量を、モジュールをロードしたときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較します。消費されるメモリーが大きすぎると、モジュールをロードする試みは失敗します。
システムの限度が小さすぎる場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。
変更の可能性あり
Solaris 10 リリースでは旧式
作成できるSystem V 共有メモリーセグメントの最大サイズ。このパラメータは、アプリケーションが要求されたメモリーセグメントを作成するために必要な物理リソースが実際にあるか調べる前に検査される上限値です。
サイズが 0 の共有メモリーセグメントや、指定した値より大きいサイズの共有メモリーセグメントを作成しようとすると、 EINVAL エラーとなります。
このパラメータは、共有メモリーセグメントのサイズとしてオペレーティングシステムが受け付けることができる最大の値だけを指定します。セグメントを作成できるかどうかは、システム上で使用可能なスワップ空間の量に完全に依存します。32 ビットプロセスの場合は、接続されるセグメントのためにプロセスのアドレス空間に十分な容量があるかどうかも影響します。
符号なし long
8,388,608
32 ビットシステムでは 0 から MAXUINT32、64 ビットシステムでは 0 から MAXUINT64
バイト
いいえ。shminfo 構造体の shmmax フィールドにロードされます。
なし
デフォルト値では足りない場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。ただし、共有メモリーセグメントのサイズを制限する必要がある場合以外は、このパラメータに利用できる最大値を設定しても副次的影響はありません。
変更の可能性あり
Solaris 9 リリースでは旧式。変数は互換性の理由でカーネルに残されていますが、使用されません。