Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

System V セマフォーのパラメータ

semsys:seminfo_semmni (Solaris 9 リリース)

Solaris 10 リリースでは旧式

備考欄

セマフォー識別子の最大数を指定します。

データ型

符号付き整数

デフォルト

10

範囲

1 から 65,535

動的か

いいえ

検査

SEMA_INDEX_MAX (現在は 65,535) と比較し、それより大きい場合は、SEMA_INDEX_MAX の値にリセットされます。警告メッセージがコンソール、メッセージ、またはその両方に出力されます。

どのような場合に変更するか

デフォルトの組数では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。現在の設定値を越えるセットを作成しようとしても、エラーメッセージは表示されません。アプリケーションは semget 呼び出しから ENOSPC というリターンコードを受け取ります。

詳細は、semget(2) のマニュアルページを参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

semsys:seminfo_semmsl (Solaris 9 リリース)

Solaris 10 リリースでは旧式

備考欄

セマフォー識別子あたりの System V セマフォーの最大数を指定します。

データ型

符号付き整数

デフォルト

25

範囲

1 から MAXINT

動的か

いいえ

検査

セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。

どのような場合に変更するか

デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える数のセマフォーを組として作成しようとしても、エラーメッセージは表示されません。semget(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード EINVAL が返されます。

コミットレベル

変更の可能性あり

semsys:seminfo_semopm (Solaris 9 リリース)

Solaris 10 リリースでは旧式

備考欄

semop 呼び出しあたりの System V セマフォー操作の最大数を指定します。このパラメータは、semop() システムコールで使用する sops 配列内の sembufs の数を参照します。詳細は、semop(2) のマニュアルページを参照してください。

データ型

符号付き整数

デフォルト

10

範囲

1 から MAXINT

動的か

いいえ

検査

セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。

どのような場合に変更するか

デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。1 回の semop 呼び出しで、現在許可されている値を超える回数のセマフォー操作を実行しようとしても、エラーメッセージは表示されません。アプリケーションは semop() 呼び出しから E2BIG というリターンコードを受け取ります。

コミットレベル

変更の可能性あり

semsys:seminfo_semmns (Solaris 9 リリース)

Solaris 10 リリースで削除

備考欄

システム上の System V セマフォーの最大数

データ型

符号付き整数

デフォルト

60

範囲

1 から MAXINT

動的か

いいえ

検査

セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。

どのような場合に変更するか

デフォルトのセマフォー数では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える数のセマフォーを作成しようとしても、エラーメッセージは表示されません。semget(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード ENOSPC が返されます。

コミットレベル

変更の可能性あり

semsys:seminfo_semmnu (Solaris 9 リリース)

Solaris 10 リリースで削除

備考欄

System V セマフォーシステムがサポートする取り消し構造体の総数

データ型

符号付き整数

デフォルト

30

範囲

1 から MAXINT

動的か

いいえ

検査

セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。

どのような場合に変更するか

デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える回数の取り消し操作を実行しようとしても、エラーメッセージは表示されません。システムが取り消し構造体を使い果たすと、semop(2) 呼び出しからアプリケーションに戻り値 ENOSPC が返されます。

コミットレベル

変更の可能性あり

semsys:seminfo_semume (Solaris 9 リリース)

備考欄

Solaris 10 リリースで削除

1 つのプロセスで使用できる System V セマフォー取り消し構造体の最大数

データ型

符号付き整数

デフォルト

10

範囲

1 から MAXINT

動的か

いいえ

検査

セマフォーとそれらに関係するデータ構造体によって消費され得る空間の量が、モジュールが最初にロードされるときに使用可能なカーネルメモリーの 25% と比較されます。使用される容量がこのメモリーのしきい値より大きい場合、モジュールはロードを拒否し、セマフォー機能は利用できません。

どのような場合に変更するか

デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える回数の取り消し操作を実行しようとしても、エラーメッセージは表示されません。semop(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード EINVAL が返されます。

コミットレベル

変更の可能性あり

semsys:seminfo_semvmx (Solaris 9 リリース)

Solaris 10 リリースで削除

備考欄

セマフォーを設定できる最大値

データ型

符号なし short

デフォルト

32,767

範囲

1 から 65,535

動的か

いいえ

検査

なし

どのような場合に変更するか

デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。この最大値を越えても、エラーメッセージは表示されません。semop(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード ERANGE が返されます。

コミットレベル

変更の可能性あり

semsys:seminfo_semaem (Solaris 9 リリース)

Solaris 10 リリースで削除

備考欄

取り消し構造体のセマフォー値を設定できる最大値

データ型

符号なし short

デフォルト

16,384

範囲

1 から 65,535

動的か

いいえ

検査

なし

どのような場合に変更するか

デフォルト値では不十分な場合。一般には、ソフトウェアベンダーの推奨があった場合に変更します。設定された値を越える回数の取り消し操作を実行しようとしても、エラーメッセージは表示されません。semop(2) 呼び出しからアプリケーションにリターンコード EINVAL が返されます。

コミットレベル

変更の可能性あり