この節では、コンソールアプリケーションの登録で発生する可能性のある問題の解決方法について説明します。特定のコンソールアプリケーションの詳細は、そのアプリケーションのマニュアルを参照してください。
通常、コンソールアプリケーションはインストールプロセスの一環として登録されるため、通常はユーザー自身がアプリケーションを登録する必要はありません。
Solaris 10 11/06 リリース以降では、Web コンソールでのアプリケーション登録の方法が変更されましたが、以前のバージョンのコンソール用に開発されたアプリケーションも引き続きサポートされます。現行アプリケーションの登録と配備は、コンソールサーバーの稼働中に単一のコマンドで実行されます。以前のバージョンのコンソール用に開発されたアプリケーションは「レガシー」アプリケーションと呼ばれ、その登録時にはコンソールサーバーを停止する必要があります。アプリケーションの登録や登録解除を行うときは、次の手順に従って、まずアプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する必要があります。
アプリケーションの app.xml ファイルを表示します。
app.xml ファイルは、アプリケーションの WEB-INF ディレクトリにあります。
app.xml ファイル内の registrationInfo タグを調べます。
レガシーアプリケーションの場合、registrationInfo タグのバージョンは 2.x です。たとえば、registrationInfo version="2.2.4" となります。
現行アプリケーションの場合、registrationInfo タグのバージョンは 3.0 以上です。たとえば、registrationInfo version="3.0" となります。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
配備済みのアプリケーションを一覧表示します。
Solaris 10 11/06 以降のリリースを実行している場合は、次のコマンドを使用します。
# wcadmin list -a Deployed web applications (application name, context name, status): console ROOT [running] console com_sun_web_ui [running] console console [running] console manager [running] legacy myapp [running] |
このコマンドは、登録済みかつ配備済みのアプリケーションをすべて表示します。レガシーアプリケーションは legacy というアプリケーション名で表示されます。詳細は、「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」を参照してください。一覧に表示されるその他のアプリケーションはすべて現行アプリケーションであり、「現行アプリケーションを Oracle Java Web Console に登録する方法」に説明されている方法で登録されます。
通常、アプリケーションに対して表示される状態には running、stopped のいずれかが含まれます。状態が running の場合、アプリケーションはその時点で読み込まれており、使用可能な状態になっています。状態が stopped の場合、アプリケーションはその時点で読み込まれておらず、使用不可能な状態になっています。アプリケーションのなかには、登録と配備は成功したが、アプリケーション内の問題により読み込まれないものもあります。その場合、アプリケーションの状態は stopped になります。console_debug_log をチェックし、そのアプリケーションの読み込み時にコンソールの背後の Web コンテナである Tomcat からのトレースバックを含むエラーが発生していないか確認してください。console_debug_log の詳細については、「コンソールのデバッグトレースログを使用する」を参照してください。
コンソールアプリケーションを含むすべてのアプリケーションの表示が stopped になっている場合、それは通常、コンソールの Web コンテナが動作していないことを意味します。この場合、その Web コンテナに登録された静的な context.xml ファイルからアプリケーションの一覧が取得されます。
Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、および Solaris 10 6/06 リリースの場合は、次のコマンドを使用します。
# smreg list -a The list of registered plugin applications: com.sun.web.console_2.2.4 /usr/share/webconsole/console com.sun.web.ui_2.2.4 /usr/share/webconsole/com_sun_web_ui com.sun.web.admin.yourapp_2.2.4 /usr/share/webconsole/yourapp |
この手順は、Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、および Solaris 10 6/06 リリースのすべてのコンソールアプリケーションに適用されます。Solaris 10 11/06 リリース以降では、この手順はレガシーアプリケーションと識別されるアプリケーションだけに適用されます。現行アプリケーションの登録手順については、「現行アプリケーションを Oracle Java Web Console に登録する方法」を参照してください。「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」も参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
Web サーバーを停止します。
# smcwebserver stop |
アプリケーションを登録します。
# smreg add -a /directory/containing/application-files |
smreg コマンドは、Oracle Java Web Console の登録テーブル内の情報を管理します。さらに、このスクリプトはアプリケーションを配備するための作業も行います。このコマンドのその他のオプションについては、smreg(1M) のマニュアルページを参照してください。
Web サーバーを再起動します。
# smcwebserver start |
この例では、/usr/share/webconsole/example ディレクトリにファイルが置かれているレガシーアプリケーションを登録する方法を示します。レガシーアプリケーションの場合は、アプリケーションを登録する前にコンソールサーバーを停止し、アプリケーションの登録後に起動する必要があります。smreg はレガシーコンソールアプリケーションなので、これによって表示される警告は無視してかまいません。
# smcwebserver stop # smreg add -a /usr/share/webconsole/example Warning: smreg is obsolete and is preserved only for compatibility with legacy console applications. Use wcadmin instead. Type "man wcadmin" or "wcadmin --help" for more information. Registering com.sun.web.admin.example_version. # smcwebserver start |
この手順は、Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、および Solaris 10 6/06 リリースのすべてのコンソールアプリケーションに適用されます。Solaris 10 11/06 リリース以降では、この手順はレガシーアプリケーションと識別されるアプリケーションだけに適用されます。現行アプリケーションの登録解除手順については、「Oracle Java Web Console から現行アプリケーションを登録解除する方法」を参照してください。
特定のレガシーアプリケーションを Web コンソールの起動ページに表示させたくないが、ソフトウェアのアンインストールは行いたくない場合、smreg コマンドを使用してアプリケーションの登録を解除できます。詳細は、「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
アプリケーションの登録を解除します。
# smreg remove -a app-name |
この例では、app-name として com.sun.web.admin.example を持つレガシーアプリケーションを登録解除する方法を示します。
# smreg remove -a com.sun.web.admin.example Unregistering com.sun.web.admin.example_version. |
Solaris 10 11/06: この手順は、コンソールサーバーの停止や起動を行わずに登録および配備できる更新されたコンソールアプリケーション用です。レガシーアプリケーションと、Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、Solaris 10 6/06 の各リリースで実行されるすべてのコンソールアプリケーションの登録手順については、「レガシーアプリケーションを Oracle Java Web Console に登録する方法」を参照してください。「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」も参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
アプリケーションの登録と配備を行います。
wcadmin deploy -a app-name -x app-context-name /full path/to/app-name |
この例では、現在の Web コンソール用に開発または更新されたアプリケーションの登録と配備を行う方法を示します。
# wcadmin deploy -a newexample_1.0 -x newexample /apps/webconsole/newexample |
Solaris 10 11/06: この手順は、コンソールサーバーの停止や起動を行わずに登録解除および配備解除できる更新されたコンソールアプリケーション用です。レガシーアプリケーションと、Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、Solaris 10 6/06 の各リリースで実行されるすべてのコンソールアプリケーションの登録解除手順については、「Oracle Java Web Console からレガシーアプリケーションを登録解除する方法」を参照してください。アプリケーションがレガシーアプリケーションか更新されたアプリケーションかを判定する方法については、「配備済みのアプリケーションを一覧表示する方法」および 「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
アプリケーションの配備解除と登録解除を行います。
# wcadmin undeploy -a newexample_1.0 -x newexample |