Solaris のシステム管理 (基本編)

Procedureソフトウェアパッケージをスプールディレクトリに追加する方法 (pkgadd)

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. スプール済みのパッケージの中で、追加しようとしているものと同じ名前のものがあれば、すべて削除します。

    スプール済みのパッケージを削除する方法については、例 22–19 を参照してください。

  3. ソフトウェアパッケージをスプールディレクトリに追加します。


    # pkgadd -d device-name 
    -s spooldir pkgid ...
    -d device-name

    ソフトウェアパッケージのあるディレクトリの絶対パスを指定します。device-name には、デバイス、ディレクトリ、またはスプールディレクトリへのパスを指定できます。

    -s spooldir

    パッケージがスプールされるスプールディレクトリの名前を指定します。spooldir を指定する必要があります。

    pkgid

    (省略可能) スプールディレクトリに追加する 1 つまたは複数のパッケージの名前を空白で区切って指定します。この引数を省略すると、使用可能なすべてのパッケージがコピーされます。

  4. 指定したパッケージがスプールディレクトリに正常にコピーされていることを確認します。


    $ pkginfo -d spooldir
    | grep pkgid
    

    pkgid が正常にコピーされた場合、pkginfo コマンドによって、pkgid に関する 1 行の情報が返されます。正常にコピーされなかった場合は、pkginfo コマンドによってシステムプロンプトが返されます。


例 22–8 マウント済みの CD からスプールディレクトリを設定する

次の例は、shows how to transfer the SUNWman パッケージをマウント済みの SPARC Oracle Solaris 10 CD からデフォルトのスプールディレクトリ (/var/spool/pkg) に転送する方法を示しています。


# pkgadd -d /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Product -s /var/spool/pkg SUNWman

Transferring <SUNWman> package instance


例 22–9 リモートソフトウェアパッケージサーバーからスプールディレクトリを設定する

コピーするパッケージがリモートシステムから利用できる場合は、そのパッケージが (パッケージ形式で) 格納されているディレクトリを手動でマウントして、ローカルスプールディレクトリにパッケージをコピーすることができます。

次の例は、そのためのコマンドを示したものです。この例では、package-server というリモートシステムの /latest-packages ディレクトリにソフトウェアパッケージが格納されているものとします。mount コマンドはパッケージディレクトリをローカルの /mnt 上にマウントします。pkgadd コマンドは、SUNWpl5p パッケージを /mnt からデフォルトのスプールディレクトリ (/var/spool/pkg) にコピーします。


# mount -F nfs -o ro package-server:/latest-packages /mnt
# pkgadd -d /mnt -s /var/spool/pkg SUNWpl5p
Transferring <SUNWpl5p> package instance

オートマウンタが実行されている場合は、リモートパッケージサーバーを手動でマウントする必要はありません。代わりに、オートマウンタパス (この場合は、/net/package-server/latest-packages) を、-d オプションの引数として使用してください。


# pkgadd -d /net/package-server/latest-packages -s /var/spool/pkg SUNWpl5p

Transferring <SUNWpl5p> package instance


例 22–10 デフォルトのスプールディレクトリからソフトウェアパッケージをインストールする

次の例は、デフォルトのスプールディレクトリから SUNWpl5p パッケージをインストールする方法を示しています。オプションを何も指定しないと、pkgadd コマンドは /var/spool/pkg ディレクトリを検索して名前付きのパッケージを見つけます。


# pkgadd SUNWpl5p
	.
	.
	.
Installation of <SUNWpl5p> was successful.