Solaris のシステム管理 (上級編)

第 2 章 端末とモデムの設定 (手順)

この章では、Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用して、端末とモデムを設定する手順を説明します。

端末とモデムの概要については、第 1 章端末とモデムの管理 (概要)を参照してください。システム資源の管理に関する概要については、第 4 章システム資源の管理 (概要)を参照してください。

Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用して端末とモデムを設定する手順については、「端末とモデムの設定 (作業マップ)」を参照してください。

端末とモデムの設定 (作業マップ)

作業 

説明 

参照先 

端末を設定します。 

Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用し、端末を設定します。「アクション」メニューから適切なオプションを選択し、端末を構成します。 

「端末を設定する方法」

モデムを設定します。 

Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用し、モデムを設定します。「アクション」メニューから適切なオプションを選択し、モデムを構成します。 

「モデムを設定する方法」

ポートを初期化します。 

ポートを初期化するには、Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用します。「アクション」メニューから適切なオプションを選択します。 

「ポートを初期化する方法」

シリアルポートツールによる端末とモデムの設定 (概要)

Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用すると、シリアルポートを設定できます。

「シリアルポート」メニューからシリアルポートを選択し、「アクション」メニューから「構成」オプションを選択して、次の内容を設定します。

「構成」オプションは、これらのサービスを構成するテンプレートへのアクセスを提供します。各シリアルポートの詳細は 2 つのレベルで表示できます。 つまり、基本と拡張機能です。シリアルポートを選択して、「アクション」メニューから「プロパティ」オプションを選択し、シリアルポートを構成した後、各シリアルポートの詳細レベルにアクセスすることができます。シリアルポートを構成したら、SAF コマンドでポートを使用可能または使用不可にすることができます。SAF コマンドの使用については、第 3 章サービスアクセス機能によるシリアルポートの管理 (手順)を参照してください。

シリアルポートのコマンド行インタフェースについては smserialport(1M) のマニュアルページを参照してください。

端末の設定

次の表は、シリアルポートツールを使用して端末を設定する際のメニュー項目 (およびそれらのデフォルト値) を示します。

表 2–1 端末のデフォルト値

認定レベル 

項目 

デフォルト値 

基本 

ポート名 

 

 

説明 

端末 

 

サービス状態 

有効 

 

ボーレート 

9600

 

端末の種類 

vi925

 

ログインプロンプト 

ttyn login:

拡張機能 

キャリア検出 

ソフトウェア 

 

選択 : キャリア検出時に接続 

できない 

 

選択 : 双方向 

できる 

 

選択 : 初期化のみ 

できない 

 

タイムアウト (秒) 

なし 

 

ポートモニター 

zsmon

 

サービスプログラム 

/usr/bin/login

モデムの設定

次の表は、シリアルポートツールを使用してモデムを設定する際に使用できる、3 つのモデム用テンプレートを示します。

表 2–2 モデム用テンプレート

モデム構成 

説明 

着信専用 

モデムに着信はできますが、発信はできません。 

発信専用 

モデムから発信はできますが、着信はできません。 

発着信両用 

モデムへ着信も、モデムから発信もできます。 

次の表に各テンプレートのデフォルト値を示します。

表 2–3 モデム用テンプレートのデフォルト値

認定レベル 

項目 

モデム - 着信専用 

モデム - 発信専用 

モデム -着信と発信 

基本 

ポート名 

     

 

説明 

Modem – Dial In Only 

Modem – Dial Out Only 

Modem – Dial In and Out 

 

サービス状態 

有効 

有効 

有効 

 

ボーレート 

9600 

9600

9600

 

ログインプロンプト 

ttyn login:

ttyn login:

ttyn login:

拡張機能 

キャリア検出 

ソフトウェア 

ソフトウェア 

ソフトウェア 

 

選択 : キャリア検出時に接続 

できない 

使用不可 

できない 

 

選択 : 双方向 

できない 

できない 

できる 

 

選択 : 初期化のみ 

できない 

できる 

できない 

 

タイムアウト (秒) 

なし 

なし 

なし 

 

ポートモニター 

zsmon

zsmon

zsmon

 

サービスプログラム 

/usr/bin/login

/usr/bin/login

/usr/bin/login

次の表では、「初期化のみ」テンプレートの各デフォルト値を示します。

表 2–4 「初期化のみ」のデフォルト値

認定レベル 

項目 

デフォルト値 

基本 

ポート名 

— 

 

説明  

Initialize Only - No Connection 

 

サービス状態 

有効 

 

ボーレート 

9600 

 

ログインプロンプト 

ttyn login:

拡張機能 

キャリア検出 

ソフトウェア 

 

選択 : キャリア検出時に接続 

できない 

 

選択 : 双方向 

できる 

 

選択 : 初期化のみ 

できる 

 

タイムアウト (秒) 

なし 

 

ポートモニター 

zsmon

 

サービスプログラム 

/usr/bin/login

端末とモデムを設定し、ポートを初期化する方法 (作業)

Procedure端末を設定する方法

  1. Solaris 管理コンソールが実行していなければ、起動します。


    % /usr/sadm/bin/smc &
    

    Solaris 管理コンソールの起動方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理コンソールを起動する」を参照してください。

  2. ナビゲーション区画で「このコンピュータ」アイコンをクリックします。

  3. 「デバイスとハードウェア」、「シリアルポート」をクリックします。

    シリアルポートメニューが表示されます。

  4. 端末に使用するポートを選択します。

  5. 「アクション」メニューから「構成」->「端末」を選択します。

    「シリアルポートを構成」ウィンドウが「基本」モードで表示されます。

    「端末」メニュー項目については、表 2–1 を参照してください。

  6. 「了解 (OK)」をクリックします。

  7. 各項目を設定するには、端末として設定されたポートを選択します。

  8. 「アクション (Action)」メニューから「プロパティ (Properties)」を選択します。

  9. 必要な場合は、テンプレートエントリの値を変更します。

  10. 「了解」をクリックしてポートを設定します。

  11. 端末サービスが追加されていることを確認します。


    $ pmadm -l -s ttyn
    

Procedureモデムを設定する方法

  1. Solaris 管理コンソールが実行していなければ、起動します。


    % /usr/sadm/bin/smc &
    

    Solaris 管理コンソールの起動方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理コンソールを起動する」を参照してください。

  2. ナビゲーション区画で「このコンピュータ」アイコンをクリックします。

  3. 「デバイスとハードウェア」、「シリアルポート」をクリックします。

    シリアルポートメニューが表示されます。

  4. モデムに使用するポートを選択します。

  5. 「アクション」メニューから、次の「構成」オプションのいずれかを選択します。

    1. 「構成」-> 「モデム (着信)」

    2. 「構成」->「モデム (発信)」

    3. 「構成」-> 「モデム (着信/発信)」

    「シリアルポートを構成」ウィンドウが「基本」モードで表示されます。

    「モデム」メニュー項目については、表 2–3 を参照してください。

  6. 「了解 (OK)」をクリックします。

  7. 各項目を設定するには、モデムとして設定されたポートを選択します。

  8. 「アクション (Action)」メニューから「プロパティ (Properties)」を選択します。

  9. 必要な場合は、テンプレートエントリの値を変更します。

  10. 「了解」をクリックしてポートを設定します。

  11. モデムのサービスが設定されたことを確認します。


    $ pmadm -l -s ttyn
    

Procedureポートを初期化する方法

  1. Solaris 管理コンソールが実行していなければ、起動します。


    % /usr/sadm/bin/smc &
    

    Solaris 管理コンソールの起動方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理コンソールを起動する」を参照してください。

  2. ナビゲーション区画で「このコンピュータ」アイコンをクリックします。

  3. 「デバイスとハードウェア」、「シリアルポート」をクリックします。

    シリアルポートメニューが表示されます。

  4. 初期化するポートを選択します。

  5. 「構成」->「初期化のみ - 接続なし」を選択します。

    「シリアルポート」ウィンドウが「基本」モードで表示されます。

    「初期化のみ」メニュー項目については、表 2–4 を参照してください。

  6. 「了解 (OK)」をクリックします。

  7. 拡張機能の項目を設定するには、初期化のみで設定されたポートを選択します。次に、「アクション」メニューから「プロパティ」を選択します。

  8. 必要な場合は、テンプレートエントリの値を変更します。

  9. 「了解」をクリックしてポートを設定します。

  10. モデムのサービスが初期化されたことを確認します。


    $ pmadm -l -s ttyn
    

端末とモデムの問題を解決する方法

端末またはモデムを追加し、適切なサービスを設定したにもかかわらず、シリアルポート回線を通してログインできない場合は、次のような順序で問題を解決してください。

ttymon と SMF の詳細については、「端末とモデムの管理に関する新機能」を参照してください。