Solaris のシステム管理 (上級編)

第 4 章 システム資源の管理 (概要)

この章では、Oracle Solaris OS のシステム資源管理機能に関する簡単な説明と、システム資源の管理に役立つロードマップを記載します。

これらの機能を使用すると、一般的なシステム情報を表示したり、ディスク容量監視したり、ディスク割り当て制限を設定したり、アカウンティングプログラムを使用したりできます。また、ルーチンコマンドを自動的に実行するよう cron コマンドと at コマンドをスケジュールすることもできます。

この章では、柔軟な方法でシステム資源の割り当て、監視、および制御を可能にする資源管理機能については言及しません。

資源管理機能を使用せずにシステム資源を管理する手順については、「システム資源の管理 (ロードマップ)」を参照してください。

資源管理機能を使用して、システム資源を管理する方法については、『Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)』の第 1 章「Solaris 10 資源管理の紹介」を参照してください。

システム資源管理の新機能

この節では、Oracle Solaris でシステム資源を管理するための新機能、または機能の変更について説明します。Oracle Solaris リリースの新機能と説明の完全な一覧については、『Oracle Solaris 10 9/10 の新機能』を参照してください。

製品名を表示する新しい prtconf オプション

Solaris 10 1/06: システムの製品名を表示するため、新しい -b オプションが prtconf コマンドに追加されています。このオプションは uname -i コマンドに似ています。ただし、prtconf -b コマンドは、製品のマーケティング名を判別するために特別に設計されています

prtconf コマンドに -b オプションを使用することで表示されるファームウェアデバイスツリーのルートプロパティーは、次のようになります。

使用できる場合があるプラットフォーム固有の追加出力を表示するには、prtconf -vb コマンドを使用します。詳細は、prtconf(1M) のマニュアルページおよび 「システムの製品名を表示する方法」を参照してください。

psrinfo コマンドオプションによるチップマルチスレッド化機能の識別

Oracle Solaris 10: psrinfo コマンドが変更され、仮想プロセッサの情報だけでなく、物理プロセッサの情報も返すようになりました。この拡張機能の追加によって、チップマルチスレッド化 (CMT) 機能を識別できるようになりました。新しい -p オプションは、システム内の物理プロセッサの合計数を報告します。psrinfo -pv コマンドを使用すると、システム内の全物理プロセッサのほか、各物理プロセッサに関連した仮想プロセッサも表示されます。psrinfo コマンドのデフォルト出力は、これまでどおりシステムの仮想プロセッサ情報を表示します。

詳細は、psrinfo(1M) のマニュアルページを参照してください。

この機能に関連する手順については、「システムの物理プロセッサタイプを表示する方法」を参照してください。

新しい localeadm コマンド

Oracle Solaris 10: 新しい localeadm コマンドを使用すると、OS をインストールし直したり、パッケージを手動で追加および削除したりせずに、システム上のロケールを変更できます。このコマンドを使用してシステムに照会すると、どのロケールがインストールされているかを特定することもできます。localeadm コマンドを実行するには、ユーザーはスーパーユーザー特権を持っているか、役割によるアクセス制御 (RBAC) を通じて同等の役割になる必要があります。

詳細は、localeadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

詳細について、このマニュアルでは、第 5 章システム情報の表示と変更 (手順)を参照してください。

Oracle Solaris リリースの新機能と説明の完全な一覧については、『Oracle Solaris 10 9/10 の新機能』を参照してください。

システム資源の管理 (ロードマップ)

作業 

説明 

説明 

システム情報の表示と変更 

さまざまなコマンドを使用して、一般的なシステム情報、言語環境、日付と時間、システムのホスト名などの、システム情報を表示したり変更したりします。 

第 5 章システム情報の表示と変更 (手順)

ディスク使用状況の管理 

ディスク容量の使用状況を識別し、古い使用されていないファイルを削除します。 

第 6 章ディスク使用の管理 (手順)

割り当て制限の管理  

UFS ファイルシステム割り当て制限を使用して、どのくらいのディスク容量がユーザーによって使用されるのかを管理します。 

第 7 章UFS 割り当て制限の管理 (手順)

システムイベントのスケジュール 

cron および at ジョブを使用して、古い使用されていないファイルの整理などのスケジュールシステムの日常的な定型作業に役立てます。 

第 8 章システムタスクのスケジュール設定 (手順)

システムアカウンティングの管理 

システムアカウンティングを使用して、ユーザーとアプリケーションが使用するシステム資源を識別します。 

第 9 章システムアカウンティングの設定と管理 (手順)

Solaris 資源管理機能を使用したシステム資源の管理 

リソースマネージャを使用して、アプリケーションが利用可能なシステム資源をどのように使用するかを制御したり、資源の利用を追跡して、課金したりします。 

『Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)』の第 1 章「Solaris 10 資源管理の紹介」