Solaris のシステム管理 (上級編)

Procedureページアウトとメモリーをチェックする方法 (sar -g)

  1. sar -g コマンドを使用すると、ページアウト動作の平均値とメモリー解放動作の平均値とが表示されます。


    $ sar -g
    00:00:00  pgout/s ppgout/s pgfree/s pgscan/s %ufs_ipf
    01:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00

    sar -g コマンドで表示される出力は、より多くのメモリーが必要かどうかを判断するのに役立ちます。ps -elf コマンドを使用すると、page デーモンに使用される CPU サイクル数が表示されます。サイクル数が大きく、pgfree/s フィールドと pgscan/s フィールドの値が大きければ、メモリー不足を示します。

    また、sar -g を使用すると、i ノードの再利用間隔が短すぎるために、再利用可能なページが失われているかどうかも表示されます。


例 13–8 ページアウトとメモリーをチェックする (sar -g)

次の例は、sar -g コマンドからの出力を示します。


$ sar -g

SunOS balmyday 5.10 s10_51 sun4u    03/18/2004

00:00:00  pgout/s ppgout/s pgfree/s pgscan/s %ufs_ipf
01:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
02:00:00     0.01     0.01     0.01     0.00     0.00
03:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
04:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
05:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
06:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
07:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
08:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
08:20:01     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
08:40:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
09:00:00     0.00     0.00     0.00     0.00     0.00
09:20:01     0.05     0.52     1.62    10.16     0.00
09:40:01     0.03     0.44     1.47     4.77     0.00
10:00:02     0.13     2.00     4.38    12.28     0.00
10:20:03     0.37     4.68    12.26    33.80     0.00

Average      0.02     0.25     0.64     1.97     0.00

次の表に -g オプションからの出力について説明します。

フィールド名 

説明 

pgout/s

1 秒間にページアウトされた要求数 

ppgout/s

1 秒間に実際にページアウトされたページ数。1 つのページアウト要求で複数のページがページアウトされることがあります。 

pgfree/s

空きリストに配置された 1 秒当たりのページ数。 

pgscan/s

page デーモンによって走査された 1 秒当たりのページ数。この値が大きい場合は、page デーモンが空きメモリーのチェックに大量の時間を費やしています。これは、メモリーを増やす必要があることを示します。

%ufs_ipf

ufs の i ノードがそれに関連付けられた再使用可能ページを持つ iget によって、空きリストから取り出された割合。これらのページはフラッシュされ、プロセスが回収できなくなります。したがって、このフィールドはページフラッシュを 伴う igets の割合です。値が大きければ、i ノードの空きリストがページ境界であり、ufs の i ノード数を増やす必要があることを示します。