Solaris のシステム管理 (上級編)

Procedureページイン動作をチェックする方法 (sar -p)

  1. sar -p コマンドを使用すると、保護フォルトや変換フォルトを含むページイン動作が表示されます。


    $ sar -p
    00:00:00  atch/s  pgin/s ppgin/s  pflt/s  vflt/s slock/s
    01:00:00    0.07    0.00    0.00    0.21    0.39    0.00

例 13–11 ページイン動作をチェックする (sar -p)

次の例は、sar -p コマンドからの出力を示します。


$ sar -p

SunOS balmyday 5.10 s10_51 sun4u    03/18/2004

00:00:04  atch/s  pgin/s ppgin/s  pflt/s  vflt/s slock/s
01:00:00    0.09    0.00    0.00    0.78    2.02    0.00
02:00:01    0.08    0.00    0.00    0.78    2.02    0.00
03:00:00    0.09    0.00    0.00    0.81    2.07    0.00
04:00:00    0.11    0.01    0.01    0.86    2.18    0.00
05:00:00    0.08    0.00    0.00    0.78    2.02    0.00
06:00:00    0.09    0.00    0.00    0.78    2.02    0.00
07:00:00    0.08    0.00    0.00    0.78    2.02    0.00
08:00:00    0.09    0.00    0.00    0.78    2.02    0.00
08:20:00    0.11    0.00    0.00    0.87    2.24    0.00
08:40:01    0.13    0.00    0.00    0.90    2.29    0.00
09:00:00    0.11    0.00    0.00    0.88    2.24    0.00
09:20:00    0.10    0.00    0.00    0.88    2.24    0.00
09:40:00    2.91    1.80    2.38    4.61   17.62    0.00
10:00:00    2.74    2.03    3.08    8.17   21.76    0.00
10:20:00    0.16    0.04    0.04    1.92    2.96    0.00
10:40:00    2.10    2.50    3.42    6.62   16.51    0.00
11:00:00    3.36    0.87    1.35    3.92   15.12    0.00

Average     0.42    0.22    0.31    1.45    4.00    0.00

次の表に -p オプションから報告される統計情報を示します。

フィールド名 

説明 

atch/s

現在メモリーに入っているページを回収して満たされる 1 秒当たりのページフォルト数 (1 秒当たりの付加数)。この例には、空きリストから無効なページを回収し、別のプロセスに現在使用中のテキストページを共有する処理が含まれます。たとえば、複数のプロセスが同じプログラムテキストにアクセスしている場合などです。 

pgin/s

ファイルシステムがページイン要求を受信する 1 秒当たりの回数。 

ppgin/s

ページインされる 1 秒当たりのページ数。ソフトロック要求 (slock/s を参照) などの 1 つのページイン要求や、大型ブロックサイズでは、複数のページがページインされることがあります。

pflt/s

保護エラーによるページフォルト数。保護フォルトの例には、ページへの不正なアクセスや、「書き込み時コピー」などがあります。通常、この数値は主に「書き込み時コピー」からなっています。 

vflt/s

1 秒当たりのアドレス変換ページフォルト数。このフォルトは、有効性フォルトと呼ばれます。有効性フォルトは、仮想アドレスに有効なプロセステーブルエントリが存在しないときに発生します。 

slock/s

物理入出力を要求するソフトウェアロック要求によって発生する 1 秒当たりのフォルト数。ソフトロック要求の発生例には、ディスクからメモリーへのデータ転送などがあります。システムはデータを受信するページをロックするので、別のプロセスはそれを回収して使用できません。