この章では、Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用して、端末とモデムを設定する手順を説明します。
端末とモデムの概要については、第 1 章端末とモデムの管理 (概要)を参照してください。システム資源の管理に関する概要については、第 4 章システム資源の管理 (概要)を参照してください。
Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用して端末とモデムを設定する手順については、「端末とモデムの設定 (作業マップ)」を参照してください。
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
端末を設定します。 |
Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用し、端末を設定します。「アクション」メニューから適切なオプションを選択し、端末を構成します。 | |
モデムを設定します。 |
Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用し、モデムを設定します。「アクション」メニューから適切なオプションを選択し、モデムを構成します。 | |
ポートを初期化します。 |
ポートを初期化するには、Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用します。「アクション」メニューから適切なオプションを選択します。 |
Solaris 管理コンソールのシリアルポートツールを使用すると、シリアルポートを設定できます。
「シリアルポート」メニューからシリアルポートを選択し、「アクション」メニューから「構成」オプションを選択して、次の内容を設定します。
端末
モデム – 着信
モデム – 発信
モデム – 着信/発信
初期化のみ – 接続なし
「構成」オプションは、これらのサービスを構成するテンプレートへのアクセスを提供します。各シリアルポートの詳細は 2 つのレベルで表示できます。 つまり、基本と拡張機能です。シリアルポートを選択して、「アクション」メニューから「プロパティ」オプションを選択し、シリアルポートを構成した後、各シリアルポートの詳細レベルにアクセスすることができます。シリアルポートを構成したら、SAF コマンドでポートを使用可能または使用不可にすることができます。SAF コマンドの使用については、第 3 章サービスアクセス機能によるシリアルポートの管理 (手順)を参照してください。
シリアルポートのコマンド行インタフェースについては smserialport(1M) のマニュアルページを参照してください。
次の表は、シリアルポートツールを使用して端末を設定する際のメニュー項目 (およびそれらのデフォルト値) を示します。
表 2–1 端末のデフォルト値
認定レベル |
項目 |
デフォルト値 |
---|---|---|
基本 |
ポート名 | |
|
説明 |
端末 |
|
サービス状態 |
有効 |
|
ボーレート |
9600 |
|
端末の種類 |
vi925 |
|
ログインプロンプト |
ttyn login: |
拡張機能 |
キャリア検出 |
ソフトウェア |
|
選択 : キャリア検出時に接続 |
できない |
|
選択 : 双方向 |
できる |
|
選択 : 初期化のみ |
できない |
|
タイムアウト (秒) |
なし |
|
ポートモニター |
zsmon |
|
サービスプログラム |
/usr/bin/login |
次の表は、シリアルポートツールを使用してモデムを設定する際に使用できる、3 つのモデム用テンプレートを示します。
表 2–2 モデム用テンプレート
モデム構成 |
説明 |
---|---|
着信専用 |
モデムに着信はできますが、発信はできません。 |
発信専用 |
モデムから発信はできますが、着信はできません。 |
発着信両用 |
モデムへ着信も、モデムから発信もできます。 |
次の表に各テンプレートのデフォルト値を示します。
表 2–3 モデム用テンプレートのデフォルト値
認定レベル |
項目 |
モデム - 着信専用 |
モデム - 発信専用 |
モデム -着信と発信 |
---|---|---|---|---|
基本 |
ポート名 | |||
|
説明 |
Modem – Dial In Only |
Modem – Dial Out Only |
Modem – Dial In and Out |
|
サービス状態 |
有効 |
有効 |
有効 |
|
ボーレート |
9600 |
9600 |
9600 |
|
ログインプロンプト |
ttyn login: |
ttyn login: |
ttyn login: |
拡張機能 |
キャリア検出 |
ソフトウェア |
ソフトウェア |
ソフトウェア |
|
選択 : キャリア検出時に接続 |
できない |
使用不可 |
できない |
|
選択 : 双方向 |
できない |
できない |
できる |
|
選択 : 初期化のみ |
できない |
できる |
できない |
|
タイムアウト (秒) |
なし |
なし |
なし |
|
ポートモニター |
zsmon |
zsmon |
zsmon |
|
サービスプログラム |
/usr/bin/login |
/usr/bin/login |
/usr/bin/login |
次の表では、「初期化のみ」テンプレートの各デフォルト値を示します。
表 2–4 「初期化のみ」のデフォルト値
認定レベル |
項目 |
デフォルト値 |
---|---|---|
基本 |
ポート名 |
— |
|
説明 |
Initialize Only - No Connection |
|
サービス状態 |
有効 |
|
ボーレート |
9600 |
|
ログインプロンプト |
ttyn login: |
拡張機能 |
キャリア検出 |
ソフトウェア |
|
選択 : キャリア検出時に接続 |
できない |
|
選択 : 双方向 |
できる |
|
選択 : 初期化のみ |
できる |
|
タイムアウト (秒) |
なし |
|
ポートモニター |
zsmon |
|
サービスプログラム |
/usr/bin/login |
Solaris 管理コンソールが実行していなければ、起動します。
% /usr/sadm/bin/smc & |
Solaris 管理コンソールの起動方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理コンソールを起動する」を参照してください。
ナビゲーション区画で「このコンピュータ」アイコンをクリックします。
「デバイスとハードウェア」、「シリアルポート」をクリックします。
シリアルポートメニューが表示されます。
端末に使用するポートを選択します。
「アクション」メニューから「構成」->「端末」を選択します。
「シリアルポートを構成」ウィンドウが「基本」モードで表示されます。
「端末」メニュー項目については、表 2–1 を参照してください。
「了解 (OK)」をクリックします。
各項目を設定するには、端末として設定されたポートを選択します。
「アクション (Action)」メニューから「プロパティ (Properties)」を選択します。
必要な場合は、テンプレートエントリの値を変更します。
「了解」をクリックしてポートを設定します。
端末サービスが追加されていることを確認します。
$ pmadm -l -s ttyn |
Solaris 管理コンソールが実行していなければ、起動します。
% /usr/sadm/bin/smc & |
Solaris 管理コンソールの起動方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理コンソールを起動する」を参照してください。
ナビゲーション区画で「このコンピュータ」アイコンをクリックします。
「デバイスとハードウェア」、「シリアルポート」をクリックします。
シリアルポートメニューが表示されます。
モデムに使用するポートを選択します。
「アクション」メニューから、次の「構成」オプションのいずれかを選択します。
「シリアルポートを構成」ウィンドウが「基本」モードで表示されます。
「モデム」メニュー項目については、表 2–3 を参照してください。
「了解 (OK)」をクリックします。
各項目を設定するには、モデムとして設定されたポートを選択します。
「アクション (Action)」メニューから「プロパティ (Properties)」を選択します。
必要な場合は、テンプレートエントリの値を変更します。
「了解」をクリックしてポートを設定します。
モデムのサービスが設定されたことを確認します。
$ pmadm -l -s ttyn |
Solaris 管理コンソールが実行していなければ、起動します。
% /usr/sadm/bin/smc & |
Solaris 管理コンソールの起動方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理コンソールを起動する」を参照してください。
ナビゲーション区画で「このコンピュータ」アイコンをクリックします。
「デバイスとハードウェア」、「シリアルポート」をクリックします。
シリアルポートメニューが表示されます。
初期化するポートを選択します。
「構成」->「初期化のみ - 接続なし」を選択します。
「シリアルポート」ウィンドウが「基本」モードで表示されます。
「初期化のみ」メニュー項目については、表 2–4 を参照してください。
「了解 (OK)」をクリックします。
拡張機能の項目を設定するには、初期化のみで設定されたポートを選択します。次に、「アクション」メニューから「プロパティ」を選択します。
必要な場合は、テンプレートエントリの値を変更します。
「了解」をクリックしてポートを設定します。
モデムのサービスが初期化されたことを確認します。
$ pmadm -l -s ttyn |
端末またはモデムを追加し、適切なサービスを設定したにもかかわらず、シリアルポート回線を通してログインできない場合は、次のような順序で問題を解決してください。
ユーザーを確認します。
端末やモデムが正しく動作しないという報告は、多くの場合、ログインや着信ができなかったユーザーから寄せられます。したがって、まず、デスクトップに問題がないかどうかを確認することから始めてください。
ログインできない主な原因は、次のとおりです。
ログイン ID またはパスワードが正しくない
端末が X-ON フロー制御キー (Control-q) の入力を待っている
シリアルケーブルの接続が緩んでいるか外れている
端末の設定が正しくない
端末の電源が切られたか、端末に電源が入っていない
端末の設定を確認します。
次に、端末またはモデムの設定を調べます。端末またはモデムとの通信の正しい tty 名を調べます。端末またはモデムの設定が tty 名の設定と一致することを確認します。
端末サーバーの設定を確認します。
端末に問題のないことがわかったら、端末またはモデムのサーバーに問題がないかどうかを調べます。pmadm コマンドを使用して、ポートモニターが端末またはモデムにサービスを提供するように設定されていることと、正しい tty 名が関連付けられていることを確認します。次に例を示します。
$ pmadm -l -t ttymon |
/etc/ttydefs ファイルを調べ、ラベル定義を端末設定と照合してチェックします。sacadm コマンドを使用してポートモニターの状態を調べます。pmadm を使用して、端末が使用するポートのサービスを調べます。
シリアル接続を確認します。
サービスアクセスコントローラが TTY ポートモニターを起動しており、さらに次の条件を満たしている場合があります。
pmadm コマンドが端末のポートに対するサービスが有効になっていると報告する。
端末の設定がポートモニターの設定と一致する。
この場合は、シリアル接続を調べて問題の原因を探します。シリアル接続は、シリアルポート、ケーブル、端末から構成されています。これらの構成部分のうち 2 つを、信頼性が確認されている他のものに取り替えて、1 箇所ずつテストしてください。
次の構成部分をすべてテストします。
シリアルポート
モデム
ケーブル
コネクタ
シリアルポートをコンソールとして使用している場合は、シリアルポートツール からシリアルポートの設定を変更しないでください。Oracle Solaris 10 から、コンソールでの ttymon の起動は SMF によって管理されています。コンソールの端末タイプを変更する方法については、「ttymon コンソールの端末タイプを設定する方法」を参照してください。
ttymon と SMF の詳細については、「端末とモデムの管理に関する新機能」を参照してください。