Solaris のシステム管理 (上級編)

システム情報の表示

次の表に、一般的なシステム情報を表示するためのコマンドを示します。

表 5–1 システム情報を表示するためのコマンド

コマンド 

表示されるシステム情報 

マニュアルページ 

date

日付と時刻 

date(1)

hostid

ホスト ID 

hostid(1)

isainfo

動作しているシステムのネイティブアプリケーションによってサポートされるビット数。ビット数は、トークンとしてスクリプトに渡すことができます。

isainfo(1)

isalist

x86 ベースのシステムのプロセッサタイプ 

psrinfo(1M)

localeadm

システムにインストールされているロケール 

localeadm(1M)

prtconf

システム構成情報、インストールされたメモリー、および製品名 

prtconf(1M)

psrinfo

プロセッサタイプ 

psrinfo(1M)

showrev

ホスト名、ホスト ID、リリース、カーネルアーキテクチャー、アプリケーションアーキテクチャー、ハードウェアプロバイダ、ドメイン、およびカーネルのバージョン 

showrev(1M)

uname

オペレーティングシステム名、リリース、バージョン、ノード名、ハードウェア名、およびプロセッサタイプ 

uname(1)

Procedureシステムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているか調べる方法

  1. isainfo コマンドを使用し、システムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているかどうかを確認します。


    # isainfo options
    

    isainfo コマンドをオプションなしで実行すると、現在の OS バージョンでサポートされるアプリケーションのネイティブ命令セットの名前が表示されます。

    -v

    ほかのオプションに関する詳細情報を表示します。

    -b

    ネイティブ命令セットのアドレス空間のビット数を表示します。

    -n

    OS の現在のバージョンでサポートされる、移植性のあるアプリケーションで使用されるネイティブ命令セットを表示します。

    -k

    デバイスドライバや STREAMS モジュールなどの OS カーネルコンポーネントで使用される命令セットの名前を表示します。


    注 –

    x86 ベースのシステムでは、isalist コマンドを使用してこの情報を表示することも可能です。

    詳細は、isalist(1) のマニュアルページを参照してください。



例 5–1 SPARC: システムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているか調べる

旧リリースの Oracle Solaris OS を 32 ビットカーネルで実行する UltraSPARC システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -v
32-bit sparc applications

この出力は、システムが 32 ビットアプリケーションだけをサポートすることを示します。

現在のリリースの Oracle Solaris OS で SPARC ベースのシステム用に出荷されるのは、64 ビットカーネルだけです。64 ビットカーネルを実行する UltraSPARC システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -v
64-bit sparcv9 applications 
32-bit sparc applications

この出力は、システムが 32 ビットと 64 ビットのアプリケーションを両方サポートすることを示しています。

動作しているシステムのネイティブアプリケーションによってサポートされるビット数を表示するには、isainfo -b コマンドを使用します。

32 ビット Oracle Solaris OS を実行する SPARC ベース、x86 ベース、UltraSPARC システムの出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -b
32

64 ビット Oracle Solaris OS を実行する 64 ビット UltraSPARC システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -b
64

コマンドは 64 だけを返します。64 ビット UltraSPARC システムでは 32 ビットと 64 ビットのアプリケーションが両方動作しますが、64 ビットシステムで実行するには 64 ビットアプリケーションが最適です。



例 5–2 x86: システムで 32 ビットまたは 64 ビット機能が有効になっているか調べる

64 ビットカーネルを実行する x86 システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo
amd64 i386

この出力は、システムが 64 ビットアプリケーションをサポートすることを示します。

x86 システムが 32 ビットカーネルを実行できるかどうか調べるには、isainfo -v コマンドを使用します。


$ isainfo -v
64-bit amd64 applications
        fpu tsc cx8 cmov mmx ammx a3dnow a3dnowx fxsr sse sse2 
32-bit i386 applications
        fpu tsc cx8 cmov mmx ammx a3dnow a3dnowx fxsr sse sse2 

この出力は、システムが 32 ビットと 64 ビットのアプリケーションを両方サポートすることを示しています。

動作しているシステムのネイティブアプリケーションによってサポートされるビット数を表示するには、isainfo -b コマンドを使用します。

32 ビット Oracle Solaris OS を実行する x86 システムの出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -b
32

64 ビット Oracle Solaris OS を実行する x86 システムの isainfo コマンド出力は、次のように表示されます。


$ isainfo -b
64

また、x86 システムが 32 ビットモードと 64 ビットモードのどちらで動作しているかを判別するには、isalist コマンドも使用できます。


$ isalist
amd64 pentium_pro+mmx pentium_pro pentium+mmx pentium i486 i386 i86

上の例の amd64 は、システムで 64 ビットの 機能が有効になっていることを示します。


ProcedureOracle Solaris リリース情報を表示する方法

  1. リリースバージョンを特定するには、/etc/release ファイルの内容を表示します。


    $ cat /etc/release
                            Solaris 10 s10_51 SPARC
               Copyright 2004 Sun Microsystems, Inc.  All Rights Reserved.
                            Use is subject to license terms.
                                Assembled 21 January 2004

Procedure一般的なシステム情報を表示する方法

  1. 一般的なシステム情報を表示するには、 showrev コマンドを使用します。


    $ showrev options
    
    -a

    利用できるすべてのシステムリビジョン情報を表示します。

    -c (command)

    コマンドに関するリビジョン情報を表示します。

    -p

    パッチに関するリビジョン情報のみを表示します。

    -R (root_path)

    root_path として使用するディレクトリのフルパス名を定義します。

    -s (host name)

    この操作を実行するホスト名を指定します。

    -w

    OpenWindows のリビジョン情報のみを表示します。

    システム情報の表示には、uname コマンドも使用できます。次の例は、uname コマンドの出力を示します。-a オプションを使用すると、オペレーティングシステム名とともに、システムノード名、オペレーティングシステムのリリース、オペレーティングシステムのバージョン、ハードウェア名、およびプロセッサタイプが表示されます。


    $ uname
    SunOS
    $ uname -a
    SunOS starbug 5.10 Generic sun4u sparc SUNW,Ultra-5_10
    $

例 5–3 一般的なシステム情報を表示する

次の例は、showrev コマンドの出力を示します。-a オプションは、提供可能なあらゆるシステム情報を表示します。


$ showrev -a
Hostname: stonetouch
Hostid: 8099dfb9
Release: 5.10
Kernel architecture: sun4u
Application architecture: sparc
Hardware provider: Sun_Microsystems
Domain: boulder.Central.Sun.COM
Kernel version: SunOS 5.10 s10_46

OpenWindows version: 
Solaris X11 Version 6.6.2 20 October 2003

No patches are installed

Procedureシステムのホスト ID を表示する方法

  1. ホスト ID を 16 進形式で表示するには、hostid コマンドを使用します。


例 5–4 システムのホスト ID を表示する

次の例は、hostid コマンドの出力を示します。


$ hostid
80a5d34c

Procedureシステムの製品名を表示する方法

Solaris 10 1/06: prtconf コマンドの -b オプションを使用すると、システムの製品名を表示できます。この機能の詳細については、prtconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. システムの製品名を表示するには、-b オプションを付けて prtconf コマンドを使用します。


    % prtconf -b
    

例 5–5 システムの製品名を表示する

次に、prtconf -b コマンドの出力例を示します。


$ prtconf -b
name:  SUNW,Ultra-5_10
model:  SUNW,375-0066
banner-name:  Sun Ultra 5/10 UPA/PCI (UltraSPARC-IIi 333MHz)

次に、prtconf -vb コマンドの出力例を示します。


$ prtconf -vb
name:  SUNW,Ultra-5_10
model:  SUNW,375-0066
banner-name:  Sun Ultra 5/10 UPA/PCI (UltraSPARC-IIi 333MHz)
idprom: 01800800.20a6c363.00000000.a6c363a9.00000000.00000000.405555aa.aa555500
openprom model:  SUNW,3.15
openprom version: 'OBP 3.15.2 1998/11/10 10:35'

Procedureシステムにインストールされているメモリーを表示する方法

  1. システムにインストールされているメモリー容量を表示するには、prtconf コマンドを使用します。


例 5–6 システムにインストールされているメモリーを表示する

次の例は、prtconf コマンドの出力を示します。grep Memory コマンドは prtconf コマンドの出力内容を選別して、メモリー情報だけを表示します。


$ prtconf | grep Memory
Memory size: 128 Megabytes

Procedure日付と時刻を表示する方法

  1. システムクロックに従った現在の日付と時刻を表示するには、date コマンドを使用します。


例 5–7 日付と時刻を表示する

次の例は、date コマンドの出力を示します。


$ date
Wed Jan 21 17:32:59 MST 2004
$