Solaris のシステム管理 (IP サービス)

IPv6 ネットワークトポロジのシナリオ

この章では、典型的な企業ネットワークで IPv6 サービスを計画する方法について説明します。次の図に、この章の説明で使用するネットワークを示します。実際に計画しようとしている IPv6 ネットワークには、この図で示されるネットワークリンクのすべてが含まれるとは限りません。

図 4–1 IPv6 ネットワークトポロジのシナリオ

この図は、IPv6 ネットワークを示します。次のテキストはこの図の内容を記述します。

この企業ネットワークシナリオでは、既存の IPv4 アドレスを持つサブネットが 5 つあります。ネットワークのリンクは管理サブネットに直接対応します。4 つの内部ネットワークは、RFC 1918 スタイルの IPv4 専用アドレスで表されています。このアドレスは、IPv4 アドレスの不足に対応するための一般的な解決方法です。このような内部ネットワークのアドレス指定スキームは次のとおりです。

外部の公開ネットワーク 172.16.85 は、企業の DMZ として機能します。このネットワークには、Web サーバーや匿名 FTP サーバーなど、企業が外部に提供するリソースが含まれます。Router 2 はファイアウォールを実行して、公開ネットワーク 172.16.85 を内部バックボーンから分離します。DMZ のもう一方の終端では、Router 1 がファイアウォールを実行して、企業の境界サーバーとして機能します。

図 4–1 では、公開 DMZ は RFC 1918 専用アドレス 172.16.85 を持っています。実際には、公開 DMZ は登録済み IPv4 アドレスを持っている必要があります。ほとんどの IPv4 サイトは、公開アドレスと RFC 1918 専用アドレスの組み合わせを使用します。しかし、IPv6 を導入すると、公開アドレスと専用アドレスの概念が変わります。 IPv6 は巨大なアドレス空間を持つため、専用ネットワークにも、公開ネットワークにも、IPv6 公開アドレスを使用します。