IPv6 マルチキャストアドレスは、同じ情報またはサービスを「マルチキャストグループ」という定義済みのインタフェースのグループに分配する方法を提供します。 通常、マルチキャストグループのインタフェースは異なるノード上にあります。1 つのインタフェースが所属できるマルチキャストグループは複数設定できます。マルチキャストアドレスに送信されたパケットは、このマルチキャストグループのすべてのメンバーに送信されます。マルチキャストアドレスの使用法の例としては、情報のブロードキャストがあります。これは、IPv4 ブロードキャストアドレスに似た機能です。
次の表に、マルチキャストアドレスの書式を示します。
表 11–1 IPv6 マルチキャストアドレス書式
8 ビット |
4 ビット |
4 ビット |
8 ビット |
8 ビット |
64 ビット |
32 ビット |
11111111 |
FLGS |
SCOP |
Reserved |
Plen |
Network prefix |
Group ID |
次に、各フィールドの内容を要約します。
11111111 – アドレスをマルチキャストアドレスとして識別します。
FLGS – 4 つのフラグ「0,0,P,T」のセットです。最初の 2 つのフラグはゼロである必要があります。P フィールドは、次の値のうちの 1 つとなります。
0 = ネットワーク接頭辞に基づいて割り当てられていないマルチキャストアドレス
1 = ネットワーク接頭辞に基づいて割り当てられているマルチキャストアドレス
P を 1 に設定した場合、T も 1 に設定する必要があります。
Reserved - ゼロの予約値。
Plen - サブネットを識別するサイト接頭辞内のビット数。サイト接頭辞に基づいて割り当てられているマルチキャストアドレス用。
Group ID - 恒久的または動的に割り当てられたマルチキャストグループの識別子。
マルチキャストアドレスの書式の詳細については、RFC 3306, "Unicast-Prefix-based IPv6 Multicast Addresses を参照してください。
いくつかの IPv6 マルチキャストアドレスは、Internet Assigned Numbers Authority (IANA) によって恒久的に割り当てられます。これらの例としては、IPv6 ノードと IPv6 ルーターに必要な All Nodes Multicast Addresses と All Routers Multicast Addresses などがあります。IPv6 マルチキャストアドレスは動的に割り当てることもできます。マルチキャストアドレスとマルチキャストグループの適切な使用方法の詳細については、RFC 3307, "Allocation Guidelines for IPv6 Multicast Addresses" を参照してください。