Solaris のシステム管理 (IP サービス)

相対的優先転送 (Assured Forwarding、AF) PHB

相対的優先転送」(AF) では、4 つの異なるクラスの転送動作をマーカーに指定できます。次の表に、クラス、各クラスに指定できる 3 つのドロップ優先度、および各優先度に対応する推奨 DSCP を示します。各 DSCP は、AF 値 (10 進数値およびバイナリ値) で表されます。

表 37–2 相対的優先転送のコードポイント

 

クラス 1 

クラス 2 

クラス 3 

クラス 4 

低ドロップ優先度

AF11 = 

10 (001010) 

AF21 = 

18 (010010) 

AF31 = 

26 (011010) 

AF41 = 

34 (100010) 

Medium-Drop Precedence

AF12 = 

12 (001100) 

AF22 = 

20 (010100) 

AF32 = 

28 (011100) 

AF42 =  

36 (100100) 

高ドロップ優先度

AF13 = 

14 (001110) 

AF23 = 

22 (010110) 

AF33 = 

30 (011110) 

AF43 = 

38 (100110) 

AF コードポイントは、各トラフィッククラスに差別化転送動作を提供する際のガイドとして、すべての Diffserv 対応システム上で使用できます。

これらのパケットが Diffserv ルーターに達すると、ルーターはパケットのコードポイントを、キュー内のほかのトラフィックの DSCP とともに評価します。次にルーターは、利用可能な帯域幅、およびパケットの DSCP により割り当てられた優先順位に応じて、パケットを転送またはドロップします。EF PHB の付いたパケットは、どの AF PHB の付いたパケットよりも広い帯域幅の使用が保証されます。

ネットワーク上の IPQoS システムと Diffserv ルーターとの間でパケットのマーキングを合致させて、パケットが意図したとおりに転送されるようにしてください。たとえば、ネットワーク上の IPQoS システムがパケットにコードポイント AF21 (010010)、AF13 (001110)、AF43 (100110)、および EF (101110) を付けるとします。この場合、AF21、AF13、AF43、および EF DSCP を、Diffserv ルーターの適切なファイルに追加する必要があります。

AF コードポイント表の技術的な説明については、RFC 2597 を参照してください。ルーターの製造元である Cisco Systems とJuniperNetworks は、Web サイトに AF PHB の設定に関する詳細な情報を載せています。この情報を使用して、IPQoS システムおよびルーター用の AF PHB を定義できます。また、ルーター製造元のマニュアルには、自社製品での DS コードポイントの設定方法が含まれています。