Solaris のシステム管理 (IP サービス)

VLAN の構成 (Solaris 10 3/05 のみ)


注 –

この節では、Solaris 10 3/05 OS ユーザーのみを対象として、VLAN の構成情報について説明します。Oracle Solaris 10 の更新を使用している場合は、「仮想ローカルエリアネットワークの管理」を参照してください。


仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) は通常、一連のネットワークユーザーグループを管理可能なブロードキャストドメインに分割し、作業グループからなる一連の論理セグメントを作成し、各論理セグメントにセキュリティーポリシーを適用するために使用されます。アダプタに複数の VLAN を定義すれば、1 つのアダプタを持つサーバーが複数の IP サブネットに論理的に存在できます。デフォルトでは、サーバーにある VLAN 対応の各アダプタに 512 の VLAN を定義できます。

ネットワークに複数の VLAN が必要ない場合は、デフォルト構成を使用できます。その場合には、それ以上の構成は必要ありません。

VLAN の概要については、「VLAN トポロジの概要」を参照してください。

VLAN はさまざまな基準に従って作成できますが、各 VLAN には VLAN タグ、つまり VLAN ID (VID) を割り当てる必要があります。VID は、固有の VLAN を識別する 1 から 4094 までの 12 ビット識別子です。ネットワークインタフェース (たとえば、ce0ce1ce2 など) ごとに、最大で 512 個の VLAN を作成できます。一般には IP サブネットが広く使用されているため、VLAN ネットワークインタフェースを設定する際には IP サブネットを使用します。したがって、物理ネットワークインタフェースの VLAN インタフェースに割り当てられた各 VID は異なるサブネットに属します。

Ethernet フレームにタグを付けるためには、フレームにタグヘッダーを追加する必要があります。ヘッダーは、宛先 MAC アドレスとソース MAC アドレスのすぐあとに挿入されます。タグヘッダーは、2 バイトの Ethernet Tag Protocol Identifier (TPID, 0x8100) と 2 バイトの Tag Control Information (TCI) からなります。次の図は Ethernet Tag Header の形式を示しています。

図 5–4 Ethernet Tag Header の形式

図には、その直前に説明されている Ethernet タグヘッダーのレイアウトが表示されています。

Procedure静的 VLAN を構成する方法 (Solaris 10 3/05 のみ)


注 –

この節では、Solaris 10 3/05 OS ユーザーのみを対象として、VLAN の構成情報について説明します。Oracle Solaris 10 の更新を使用している場合は、「VLAN を構成する方法」を参照してください。


  1. Primary Administrator 役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. システムでどのようなタイプのインタフェースが使用されているか判別します。

    システムによっては、VLAN に必要な ce という文字がネットワークアダプタに使用されていない場合があります。


    # ifconfig -a
    lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4>
    mtu 8232 index 1
            inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
    hme0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4>
    mtu 1500 index 2
            inet 129.156.200.77 netmask ffffff00 broadcast
    129.156.200.255
  3. サーバーの各アダプタに構成する VLAN ごとに 1 つの hostname.cenum ファイル (IPv6 の場合、hostname6.cenum ファイル) を作成します。

    名前には、VID と物理接続点 (PPA) の両方を含む、次のような命名形式を使用します。

    VLAN logical PPA = 1000 * VID + Device PPA ce123000 = 1000*123 + 0

    次の例を参照してください。 hostname.ce123000

    VLAN logical PPA = 1000 * VID + Device PPA ce11000 = 1000*11 + 0

    次の例を参照してください。 hostname.ce11000

    この形式で構成できる PPA の最大数 (インスタンス数) は /etc/path_to_inst で 1000 に限定されます。

    たとえば、あるサーバーが Sun Gigabit Ethernet/P 3.0 アダプタ (インスタンスは 0) を持ち、2 つの VLAN (VID は 123 と 224) に属している場合、2 つの VLAN の PPA としてそれぞれ、ce123000ce224000 を使用します。

  4. VLAN 仮想デバイスを構成します。

    たとえば、次の ifconfig の例を使用できます。


    # ifconfig ce123000 plumb up
    # ifconfig ce224000 plumb up
    

    VLAN デバイス ce123000ce224000 を持つシステム上で ifconfig -a を実行した場合、次のようなメッセージが表示されます。


    # ifconfig -a
    lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
            inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
    hme0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
            inet 129.144.131.91 netmask ffffff00 broadcast 129.144.131.255
            ether 8:0:20:a4:4f:b8 
    ce123000: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3
            inet 199.199.123.3 netmask ffffff00 broadcast 199.199.123.255
            ether 8:0:20:a4:4f:b8 
    ce224000: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 4
            inet 199.199.224.3 netmask ffffff00 broadcast 199.199.224.255
            ether 8:0:20:a4:4f:b8 
  5. スイッチで、VLAN のタグ付けと VLAN ポートを、サーバーに設定した VLAN と一致するように設定します。

    手順 4 の例では、スイッチに VLAN ポート 123 と 224 または VLAN ポート 10 と 11 を設定します。

    VLAN タグとポートの具体的な設定方法については、スイッチに添付されているマニュアルを参照してください。