Solaris のシステム管理 (IP サービス)

VLAN トポロジの概要

スイッチ LAN テクノロジを使用すると、ローカルネットワーク上のシステムを VLAN に編成できます。ローカルネットワークを VLAN に分割する前に、VLAN テクノロジをサポートするスイッチを入手する必要があります。VLAN トポロジの設計に応じて、スイッチ上のすべてのポートで単一の VLAN を処理するか、複数の VLAN を処理するように構成できます。スイッチのポートを構成する手順はスイッチの製造元によって異なります。

次の図は、サブネットアドレス 192.168.84.0 を使用するローカルエリアネットワークを示しています。この LAN は、RED、YELLOW、および BLUE という 3 つの VLAN に分割されています。

図 6–1 3 つの VLAN を含むローカルエリアネットワーク

この図については前後の本文中で説明しています。

LAN 192.168.84.0 の接続は、スイッチ 1 とスイッチ 2 によって処理されます。財務作業グループのシステムは RED VLAN に含まれています。人事作業グループのシステムは YELLOW VLAN 上にあります。情報技術作業グループのシステムは BLUE VLAN に割り当てられています。

VLAN タグと物理接続点

ローカルエリアネットワーク内の各 VLAN は、VLAN タグ、つまり「VID (VLAN ID)」によって識別されます。VID は、VLAN の構成時に割り当てられます。VID は、1 から 4094 までの 12 ビットの識別子で、各 VLAN を一意に識別します。図 6–1 では、BLUE VLAN が VID 123、YELLOW VLAN が VID 456、RED VLAN が VID 789 をそれぞれ持ちます。

VLAN をサポートするスイッチを構成する場合は、各ポートに VID を割り当てる必要があります。次の図に示すように、ポートに割り当てる VID は、ポートに接続されるインタフェースに割り当てる VID と同じにする必要があります。

図 6–2 VLAN を使用するネットワークのスイッチの構成

この図については前後の本文中で説明しています。

図 6–2 は、異なる VLAN に接続された複数のホストを示しています。同じ VLAN に 2 つのホストが属しています。この図では、3 つのホストの一次ネットワークインタフェースがスイッチ 1 に接続されています。ホスト A は BLUE VLAN のメンバーです。そのため、ホスト A のインタフェースは VID 123 で構成されています。このインタフェースはスイッチ 1 のポート 1 に接続され、このポートは VID 123 で構成されています。ホストB は YELLOW VLAN のメンバーで、VID 456 で構成されています。ホストB のインタフェースはスイッチ 5 のポート 1 に接続され、このポートは VID 456 で構成されています。最後に、ホスト C のインタフェースはスイッチ 1 のポート 9 に接続されています。BLUE VLAN は VID 123 で構成されています。

また、この図で示されているとおり、1 つのホストが複数の VLAN に属すこともできます。たとえば、ホスト A にはホストのインタフェースを通じて 2 つの VLAN が構成されています。2 番目の VLAN は VID 456 で構成され、ポート 3 に接続されています。このポートも VID 456 で構成されています。したがって、ホスト A は Blue VLAN と Yellow VLAN の両方のメンバーになっています。

VLAN の構成時に、VLAN の「物理接続点 (PPA、physical point of attachment)」を指定する必要があります。PPA 値を取得するには、次の数式を使用します。


driver-name + VID * 1000 + device-instance

device-instance の数値は 1000 未満である必要があります。

たとえば、次のような VLAN 456 の一部として構成される ce1 インタフェースの PPA を作成します。


ce + 456 * 1000 + 1= ce456001