DHCP を構成する間に、DHCP ツールは、サーバー上のさまざまなシステムファイルを走査し、サーバーの構成に使用できる情報を収集します。
DHCP マネージャや dhcpconfig を使ってサーバーの構成を行う前に、システムファイルの内容が最新の状態になっていることを確認してください。サーバーの構成を行なったあとにエラーに気が付いた場合は、DHCP マネージャまたは dhtadm を使って、サーバー上のマクロを修正する必要があります。
次の表は、DHCP サーバーの構成中に収集されるいくつかの情報と、情報の提供元を示します。サーバーで DHCP を構成する前に、これらの情報が適切に設定されていることを確認してください。サーバーの構成後にシステムファイルを変更する場合は、この変更を反映するためにサービスを再構成する必要があります。
表 13–2 DHCP 構成に使用される情報
情報 |
送信元 |
Comments |
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時間帯 |
システムの日時、時間帯の設定値 |
日時と時間帯は Oracle Solaris のインストール時に初期設定されます。日付を変更する場合は、date コマンドを使用します。時間帯を変更する場合は、/etc/default/init ファイルを編集して TZ 環境変数を設定します。詳細は、TIMEZONE(4) のマニュアルページを参照してください。 |
DNS パラメータ |
/etc/resolv.conf |
DHCP サーバーは、/etc/resolv.conf ファイルから DNSドメイン名や DNS サーバーアドレスなどの DNS パラメータを取得します。resolv.conf の詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』や resolv.conf(4) のマニュアルページを参照してください。 |
NIS または NIS+ パラメータ |
システムのドメイン名、nsswitch.conf、NIS、NIS+ |
DHCP サーバーは、domainname コマンドを使ってサーバーシステムのドメイン名を取得し、nsswitch.conf ファイルを見てドメインベースの情報をどこから検索するかを決めます。サーバーシステムが NIS または NIS+ クライアントの場合、DHCP サーバーは照会を行なって NIS または NIS+ サーバーの IP アドレスを取得します。詳細は、nsswitch.conf(4) のマニュアルページを参照してください。 |
デフォルトルーター |
システムの経路制御テーブル、管理者による入力 |
DHCP サーバーはネットワーク経路制御テーブルを検索し、ローカルネットワークに接続されているクライアントのデフォルトルーターを見つけます。クライアントが同じネットワーク上にない場合は、DHCP サーバーがこの情報の入力を要求する必要があります。 |
サブネットマスク |
ネットワークインタフェース、netmasks テーブル |
DHCP サーバーは、自身のネットワークインタフェースを参照して、ローカルクライアント用のネットマスクとブロードキャストアドレスを特定します。この要求がリレーエージェントからすでに転送されてきている場合には、リレーエージェントのネットワークにある netmasks テーブルからサブネットマスクを取得します。 |
ブロードキャストアドレス |
ネットワークインタフェース、netmasks テーブル |
ローカルネットワークの場合には、DHCP サーバーは、ネットワークインタフェースからブロードキャストアドレスを取得します。リモートネットワークでは、サーバーは BOOTP リレーエージェントの IP アドレスとリモートネットワークのネットマスクを使用して、そのネットワーク用のブロードキャストアドレスを計算します。 |