Solaris のシステム管理 (IP サービス)

DHCP サーバーによるマクロ処理

DHCP サーバーがマクロを処理するときは、そのマクロに定義されているネットワークオプションと値を、クライアントへの DHCP メッセージに含めます。サーバーは、特定のタイプのクライアントに対し一部のマクロを自動的に処理します。

サーバーでマクロを自動的に処理するためには、マクロの名前が、次の表に示すカテゴリのいずれかに従っている必要があります。

表 12–3 自動処理のための DHCP マクロカテゴリ

マクロのカテゴリ 

説明 

クライアントクラス 

マクロ名は、クライアントマシンタイプ、オペレーティングシステム、またはその両方で表されるクライアントクラスと同じです。たとえば、あるサーバーに SUNW.Sun-Blade-100 という名前のマクロがあるとします。ハードウェア実装が SUNW,Sun-Blade-100 であるクライアントは、SUNW.Sun-Blade-100 マクロの値を自動的に受け取ります。

ネットワークアドレス 

マクロ名は、DHCP で管理されている IP アドレスと同じです。たとえば、サーバーのマクロの名前が 10.53.224.0 の場合、10.53.224.0 ネットワークに接続されているクライアントはいずれも自動的に 10.53.224.0 マクロ内の値を受け取ります。

クライアント ID 

マクロ名は、クライアントのある種の固有識別子と同じです。通常、Ethernet または MAC アドレスから得られます。たとえば、08002011DF32 という名前のマクロがサーバーに存在する場合、(Ethernet アドレス 8:0:20:11:DF:32 から得られる) クライアント ID 08002011DF:32 を持つクライアントは、08002011DF32 という名前のマクロにある値を自動的に受け取ります。

表 12–3 に記載されたどのカテゴリとも一致しない名前をもつマクロは、次の条件の 1 つが当てはまるときだけ処理されます。


注 –

サーバーを構成する場合、デフォルトでは、そのサーバーの名前と一致する名前の付いたマクロが作られます。このサーバーマクロは、自動処理が行われる名称タイプのいずれとも一致しないため、いずれのクライアントに対しても自動的に処理されません。あとでサーバー上で IP アドレスを作成する場合、その IP アドレスは、サーバーのデフォルトのマクロを使用するように割り当てられます。