Solaris のシステム管理 (IP サービス)

IPMP グループの維持

この節には、既存の IPMP グループとこれらのグループを構成するインタフェースを維持する作業を記載します。「IPMP グループの構成」の説明に従って、すでに IPMP グループを構成していることが前提です。

Procedureインタフェースの IPMP グループメンバーシップを表示する方法

  1. IPMP グループ構成を持つシステムで、スーパーユーザーまたは同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. インタフェースが属するグループなど、インタフェースに関する情報を表示します。


    # ifconfig interface
    
  3. 適切な場合は、インタフェースの IPv6 情報を表示します。


    # ifconfig interface inet6
    

例 31–5 物理インタフェースグループの表示

hme0 のグループ名を表示するには、次のように入力します。


# ifconfig hme0
	hme0: flags=9000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 
      index 2 inet 192.168.85.19 netmask ffffff00 broadcast 192.168.85.255
      groupname testgroup1

IPv6 情報だけのグループ名を表示するには、次のように入力します。


# ifconfig hme0 inet6
	hme0: flags=a000841<UP,RUNNING,MULTICAST,IPv6> mtu 1500 index 2
        	inet6 fe80::a00:20ff:feb9:19fa/10 
        	groupname testgroup1

ProcedureIPMP グループにインタフェースを追加する方法

  1. IPMP グループ構成を持つシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. IPMP グループへインタフェースを追加します。


    # ifconfig interface group group-name
    

    interface で指定したインタフェースが、IPMP グループ group-name のメンバーになります。


例 31–6 IPMP グループへのインタフェースの追加

hme0 を IPMP グループ testgroup2 に追加するには、次のコマンドを入力します。


# ifconfig hme0 group testgroup2
  hme0: flags=9000843<UP ,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4,NOFAILOVER> mtu 1500 index 2
  inet 192.168.85.19 netmask ff000000 broadcast 10.255.255.255
  groupname testgroup2
  ether 8:0:20:c1:8b:c3 

ProcedureIPMP グループからインタフェースを削除する方法

ifconfig コマンドの group パラメータに空文字列を指定すると、インタフェースが現在の IPMP グループから削除されます 。グループからインタフェースを削除する場合は、慎重に行う必要があります。IPMP グループのほかのインタフェースに障害が発生している場合、障害経路の迂回が行われていることがあります。たとえば、hme0 に障害が発生し、すべてのアドレスが、同じグループに属する hme1 に移されたとします。このグループから hme1 を削除するとin.mpathd デーモンはこれらの障害経路の迂回が行われたアドレスをグループ内のほかのインタフェースに戻します。正常に動作しているインタフェースがグループ内になければ障害経路の迂回が行われず、すべてのネットワークアクセスは維持できません。

同様に、グループ内のインタフェースを unplumb する必要がある場合は、まずインタフェースをグループから削除する必要があります。そのあと、構成されたすべての IP アドレスを確実に維持します。これは、グループから削除されるインタフェースの構成を in.mpathd デーモンが再現しようとするからです。インタフェースを unplumb する場合は、その前に構成が再現されていなければなりません。フェイルオーバーの前後のインタフェースの見た目については、「インタフェースのフェイルオーバー時の処理」を参照してください。

  1. IPMP グループ構成を持つシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. IPMP グループからインタフェースを削除します。


    # ifconfig interface group ""

    引用符 ("") は空文字列を表します。


例 31–7 グループからのインタフェースの削除

hme0 を IPMP グループ test から削除するには、次のコマンドを入力します。


# ifconfig hme0 group ""
	# ifconfig hme0
	hme0: flags=9000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500
    index 2 inet 192.168.85.19 netmask ffffff00 broadcast 192.168.85.255
	# ifconfig hme0 inet6
	hme0: flags=a000841<UP,RUNNING,MULTICAST,IPv6> mtu 1500 index 2
    inet6 fe80::a00:20ff:feb9:19fa/10 

Procedureインタフェースを 1 つの IPMP グループから別のグループに移動する方法

インタフェースが既存の IPMP グループに属している場合は、新しい IPMP グループにインタフェースを配置できます。この場合、現在の IPMP グループからインタフェースを削除する必要はありません。新しいグループに追加されたインタフェースは、既存の IPMP グループから自動的に削除されます。

  1. IPMP グループ構成を持つシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. 新しい IPMP グループへインタフェースを移動します。


    # ifconfig interface group group-name
    

    インタフェースを新しいグループに追加すると、そのインタフェースは現在のグループから自動的に削除されます。


例 31–8 別の IPMP グループへのインタフェースの移動

インタフェース hme0 の IPMP グループを変更するには、次のように入力します。


# ifconfig hme0 group cs-link

このコマンドは、hme0 インタフェースを IPMP グループ test から削除し、グループ cs-link に追加します。