Solaris のシステム管理 (IP サービス)

待機インタフェースの構成

IPMP グループをアクティブ-待機構成にする場合は、この手順を行ってください。この種類の構成についての詳細は、「IPMP インタフェースの構成」を参照してください。

ProcedureIPMP グループの待機インタフェースを構成する方法

始める前に

IPMP グループの構成と検査用 IP アドレスの割り当てについては、「複数のインタフェースを持つ IPMP グループを構成する方法」を参照してください。

  1. 構成する待機インタフェースのシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. インタフェースを待機用として構成し、検査用 IP アドレスを割り当てます。


    # ifconfig interface plumb \
    ip-address other-parameters deprecated -failover standby up
    

    待機インタフェースは、1 つの IP アドレス (検査用 IP アドレス) しか持つことができません。standby up オプションを設定する前に、-failover オプションを設定してください。<other-parameters> の場合は、ifconfig(1m) のマニュアルページに説明されているように、構成で必要なパラメータを使用します。

    • たとえば、IPv4 検査用 IP アドレスを作成するには、次のコマンドを入力します。


      # ifconfig hme1 plumb 192.168.85.22 netmask + broadcast + deprecated -failover standby up
      
      hme1

      待機インタフェースとして構成する物理インタフェースとして hme1 を定義します。

      192.168.85.22

      この検査用 IP アドレスを待機インタフェースに割り当てます。

      deprecated

      その検査用 IP アドレスが出力パケットには使用されないことを示します。

      -failover

      インタフェースで障害が発生しても、検査用 IP アドレスのフェイルオーバーは行われないことを示します。

      standby

      インタフェースを待機インタフェースに指定します。

    • たとえば、IPv6 検査用 IP アドレスを作成するには、次のコマンドを入力します。


      # ifconfig hme1 plumb -failover standby up
      
  3. 待機インタフェースの構成結果をチェックします。


    # ifconfig hme1
    hme1: flags=69040843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER,
          STANDBY,INACTIVE mtu 1500 
             index 4 inet 192.168.85.22 netmask ffffff00 broadcast 19.16.85.255
             groupname test

    INACTIVE は、このインタフェースが送信パケットには使用されないことを示します。この待機インタフェースに障害経路の迂回が行われると、INACTIVE 状態は取り消されます。


    注 –

    ifconfig interface コマンドを入力することによって、インタフェースの現在のステータスを常に参照できます。インタフェースのステータス参照については、「特定のインタフェースに関する情報を入手する方法」を参照してください。


  4. (任意) リブート後も IPv4 待機インタフェースを保持します。

    待機インタフェースを同じ IPMP グループに割り当て、待機インタフェースの検査用 IP アドレスを構成します。

    たとえば、hme1 を待機インタフェースとして構成するには、/etc/hostname.hme1 ファイルに次の行を追加します。


    192.168.85.22 netmask + broadcast + deprecated group test -failover standby up 
  5. (任意) リブート後も IPv6 待機インタフェースを保持します。

    待機インタフェースを同じ IPMP グループに割り当て、待機インタフェースの検査用 IP アドレスを構成します。

    たとえば、hme1 を待機インタフェースとして構成するには、/etc/hostname6.hme1 ファイルに次の行を追加します。


    -failover group test standby up

例 31–4 IPMP グループの待機インタフェースの構成

次の構成に基づいて検査用 IP アドレスを作成するとします。

その場合、次のように入力します。


# ifconfig hme2 plumb 192.168.85.22 netmask + broadcast + \
deprecated -failover standby up

インタフェースは、アドレスが NOFAILOVER として設定されたあとにだけ、待機インタフェースとして設定されます。

次のように入力して、インタフェースの待機ステータスを解除します。


# ifconfig interface -standby