検査信号ベースの障害検出では、「検査信号ベースの障害検出」で説明されているようにターゲットシステムを使用します。一部の IPMP グループでは、in.mpathd が使用するデフォルトのターゲットで十分です。ただし、一部の IPMP グループでは、検査信号ベースの障害検出用に特定のターゲットを設定したほうが良いこともあります。ルートテーブルのホストルートを検査信号のターゲットとして設定して、検査信号ベースの障害検出を実行します。経路制御テーブルに構成されているすべてのホストルートは、デフォルトルーターの前に一覧化されます。したがって、IPMP はターゲットを選択するために、明示的に定義されたホストルートを使用します。直接ターゲットを指定するには、 ホストルートを手動で設定するか、起動スクリプトになることができるシェルスクリプトを作成します。
ネットワーク上のどのホストが適切なターゲットになるのかの評価では、 次の基準を検討します。
予想されるターゲットが使用可能で、実行されていることを確認します。IP アドレスの一覧を作成します。
ターゲットインタフェースが、構成中の IPMP グループと同じネットワークにあることを確認します。
ターゲットシステムのネットマスクとブロードキャストアドレスは、IPMP グループ内のアドレスと同じでなければなりません。
ターゲットホストは、検査信号ベースの障害検出を使用しているインタフェースからの ICMP 要求に応答できなければなりません。
検査信号ベースの障害検出を構成しているシステムにユーザーアカウントでログインします。
検査信号ベースの障害検出のターゲットとして使用される特定のホストにルートを追加します。
$ route add -host destination-IP gateway-IP -static |
destination-IP と gateway-IP の値を、ターゲットとして使用されるホストの IPv4 アドレスと置き換えます。たとえば、IPMP グループ testgroup1 のインタフェースと同じサブネット上のターゲットシステム 192.168.85.137 を指定するには、次のように入力します。
$ route add -host 192.168.85.137 192.168.85.137 -static |
ターゲットシステムとして使用されるネットワーク上の追加ホストにルートを追加します。
IPMP グループを構成したシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。
Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。
提案したターゲットへの静的なルートを設定するシェルスクリプトを作成します。
たとえば、次のような内容の ipmp.targets というシェルスクリプトを作成します。
TARGETS="192.168.85.117 192.168.85.127 192.168.85.137" case "$1" in 'start') /usr/bin/echo "Adding static routes for use as IPMP targets" for target in $TARGETS; do /usr/sbin/route add -host $target $target done ;; 'stop') /usr/bin/echo "Removing static routes for use as IPMP targets" for target in $TARGETS; do /usr/sbin/route delete -host $target $target done ;; esac |
シェルスクリプトを起動スクリプトディレクトリにコピーします。
# cp ipmp.targets /etc/init.d |
新しい起動スクリプトのアクセス権を変更します。
# chmod 744 /etc/init.d/ipmp.targets |
新しい起動スクリプトの所有権を変更します。
# chown root:sys /etc/init.d/ipmp.targets |
/etc/init.d ディレクトリ内に起動スクリプトのリンクを作成します。
# ln /etc/init.d/ipmp.targets /etc/rc2.d/S70ipmp.targets |
ファイル名 S70ipmp.targets の接頭辞 S70 によって、ほかの起動スクリプトを尊重しながら新しいスクリプトが命令されます。