パケットのフィルタリング規則を作成するには、次の構文を使用します。
action [in|out] option keyword, keyword...
各規則がアクションを開始します。Oracle Solaris IP フィルタは、パケットが規則に一致する場合、アクションを実行します。次の一覧に、パケットに対して実行される一般的なアクションを示します。
パケットはフィルタを通過できません。
パケットはフィルタを通過します。
パケットをロギングしますが、パケットをブロックするか、通過させるかの決定は行いません。ログを参照するには、ipmon コマンドを使用します。
フィルタの統計にパケットを含めます。統計を参照するには、 ipfstat コマンドを使用します。
フィルタは number フィルタリング規則をスキップします。
パケット情報を確認するユーザープログラムが実行するパケット認証を要求します。このプログラムは、パケットを通過させるか、ブロックするかを決定します。
パケットの処理を決定するにあたって、フィルタが事前認証リストを参照するように要求します。
アクション後の出力は、in または out のはずです。ユーザーの選択により、パケットのフィルタリング規則が、受信パケットと発信パケットのどちらに適用されるのかが決定されます。
次に、オプションの一覧からオプションを選択します。複数のオプションを使用する場合は、次の順序で使用してください。
規則が最後に一致した規則の場合、パケットをロギングします。ログを参照するには、ipmon コマンドを使用します。
パケットが一致した場合、quick オプションを含む規則を実行します。これ以上の規則チェックは行われません。
パケットが指定したインタフェースを出入りする場合だけ、規則を適用します。
パケットをコピーし、interface-name 上の複製を任意で指定した IP アドレスに送信します。
パケットを interface-name の出力キューに移動します。
オプションの指定後、パケットが規則に一致するかどうかを決定するさまざまなキーワードを選択できます。次のキーワードは、以下の順序で使用してください。
デフォルトでは、構成ファイルのいずれの規則にも一致しないパケットは、すべてフィルタを通過します。
16 進数または 10 進数の整数で表されたサービスタイプの値を基に、パケットをフィルタリングします。
生存期間の値を基に、パケットの一致を取ります。パケットに保存されている生存期間の値は、破棄される前にパケットがネットワーク上に存在できる期間を示します。
特定のプロトコルに対して一致を取ります。/etc/protocols ファイルに指定されている任意のプロトコル名を使用したり、そのプロトコルを表す 10 進数の数を指定したりできます。キーワード tcp/udp は、TCP または UDP パケットとの一致を取るために使用できます。
発信元 IP アドレス、宛先 IP アドレス およびポート番号のいずれか、 またはすべてに対して一致を取ります。all キーワードは、すべての発信元からのパケットおよびすべての宛先へのパケットを受諾するために使用します。
パケットに関連する指定された属性に対して一致を取ります。オプションがない場合にパケットを一致させるには、キーワードの前に not または no と記述します。
設定されている TCP フラグを基にフィルタリングを行う TCP で使用します。TCP フラグについては、ipf(4) のマニュアルページを参照してください。
ICMP のタイプによってフィルタリングを行います。このキーワードは proto オプションが icmp に設定されているときに使用され、flags オプションが指定されているときは使用されません。
保存しておくパケットの情報を決定します。使用可能な keep-options には、state オプションと frags オプションなどがあります。state オプションは、セッションに関する情報を、TCP、UDP、および ICMP パケットで保存できます。frags オプションは、パケットのフラグメントに関する情報を保存し、後のフラグメントにその情報を適用します。keep-options は、一致したパケットをアクセス制御リストのチェックなしで、通過させます。
番号 number で指定されるフィルタリング規則に対して、新しいグループを作成します。
デフォルトグループではなく、グループ番号 number のグループに規則を追加します。ほかのグループを指定しない場合は、すべてのフィルタリング規則がグループ 0 に保存されます。
次の例は、規則を作成するためにパケットのフィルタリング規則構文をまとめる方法を示しています。IP アドレス 192.168.0.0/16 からの受信トラフィックをブロックするには、規則リストに次の規則を含めます。
block in quick from 192.168.0.0/16 to any |
パケットフィルタリング規則を記述するときの詳細な文法および構文については、ipf(4) のマニュアルページを参照してください。パケットのフィルタリングに関する作業については、「Oracle Solaris IP フィルタのパケットフィルタリング規則セットの管理」を参照してください。この例の IP アドレススキーム (192.168.0.0/16 ) については、 第 2 章TCP/IP ネットワークの計画 (手順)を参照してください。